読書は「もくじ」から始めよ。スピードも理解度も上がる “本当に使える” 本の読みかた 

みなさんは、本をさらっと短時間で読みきってしまう方でしょうか。それともじっくりと時間をかけて読み進めるタイプでしょうか。

たくさんの本を読みたいと思ってはいるものの読むのに時間がかかってしまう、時間がなくて読書は避けているという方は、もしかしたら本の読み方を変えるだけで解決するかもしれません。

もしかして、目次を飛ばして読み進めていませんか? 特に、ビジネス書のような “ノウハウを身につけるための” 本は、目次から読んでいくことで理解度がアップします。今回は、その方法についてお伝えします。

本を読むのに時間がかかる理由

本を読むペースは人それぞれですが、周囲と比べると自分は比較的遅いほうだと感じている方もいるかもしれません。それはいったいどうしてでしょうか。次のような理由が考えられます。

・表現を理解するのに時間がかかる 自分にとって慣れない言葉の表現が出てくると、それがどういうことを意味するのかを考えながら読むためにペースが遅くなっていることがあります。ビジネス書の場合、その分野の専門用語が出てくることもしばしばあるでしょう。ひとつひとつ調べていると、読むのにかかる時間は当然長くなります。

・読書のための時間が十分に取れていない 普段は忙しくて本を読む時間があまり取れないということもありますよね。平日は学業や仕事で忙しく、また休日は遊ぶ予定や休息にあてたいため、気づけば読みたい本がうんとたまってしまっていることもしばしば。1日に数ページを毎日読み続けているとしても、すべてを短期間で読みきるのはなかなか難しくなります。

本は目次から読むべき

さらっと読んで理解するためには膨大な練習が必要なのではないかという心配は決して必要ありません。ただ、読書のペースを今よりも上げ、なおかつ内容もきちんと理解するためには、いきなり本文を読み始めるよりも「目次」が書かれたページを最初に開くことが重要です。

小説など、ただ読書を楽しむのが目的である場合には本文から読むのも良いかもしれません。しかし、ビジネス書の場合は目次から読むことをオススメします。その方が読書の際に多くのメリットを得ることができるからです。

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本を目次から読んで理解度をアップさせるコツ

では、私たちはどうすれば読書の際に目次を有効活用できるのでしょうか。

1. 読者目線の目次であるかどうかをチェックする

ビジネス書を購入する前に、まずは「目次が読者目線で書かれているどうか」を確認しましょう。

ビジネス書はその性質から読者に理解しやすく書かれていなければなりません。しかし、目次の時点で読者を無視しているかのような、本文を逐一読まないとわからない表現がなされていることもあります。例えば、著者が自分の経験を述べているのであろう「私はそれでもあきらめなかった」というような、やや物語チックなタイトルの章などが挙げられるでしょう。

半分エッセイのようなビジネス書も存在するため、一概には言えませんが、読者が身につけたい知識や技術に寄り添っていないものはできれば避けたいところです。

2. 目次で全体の枠組みをつかむ

筆者は本を読む際、特に意識をしているわけではないのですが、目次に目を通していることがほとんど。というのも、目次にはそれぞれの章の内容がかなり短く要約されて書かれているからです。大まかな内容を事前に把握しつつ本文を読むのと読まないのとでは、本文の理解度も変わってきます。

また、京都大学教授であり地球科学者の鎌田浩毅氏によれば、読みたい本がたまっている場合(いわゆる積ん読をしている状態)、まずはざっと目次に目を通してから、気になった項目を2~3箇所、もしくはまえがき、あとがきを読むのだそう。そうすると、たった1時間で10冊ほども処理することができ、さらに本文の残りも読みたい本とこれ以上は読む必要のない本に分類することが可能になります。よって、読書時間の大幅な短縮につながるのだそう。

目次はどこに何があるかを示す地図のようなもの。知らない土地を歩くときには地図が欠かせませんよね。読書もそれと同じで、目次から本の枠組みをつかむことで、短時間で効率良く内容を理解することができるのです。

3. 目次から著者の伝えたいことを読み取る

目次に目を通していると、本文を読まなくても結論がなんとなくわかることがあります。ある程度、結論に見当をつけて本文を読み進めていくと、ただ本文を流し読みするだけでは気づくことができなかった部分に気づくことができるかもしれません。

普段の読書においても、目次のみならず、先にあらすじを読んでおいてから本文を読むと理解が深まったという経験のある方もいらっしゃるでしょう。加えて自分の意見も持っておき著者の意見と比較すれば、さらにより良い洞察が得られるはずです。

*** 本の目次が何の役に立つのかわからないとこれまで疑問を感じていた方も、次回からぜひ目次に目を通して効果を実感してみてください。

(参考) 鎌田浩毅著(2013),「京大・鎌田流 一生モノの時間術」,東洋経済新報社 日経ウーマンオンライン|目次をこう見る〜目からウロコの「本の読み方」 YAHOO! JAPAN ニュース|ビジネス書の「目次」を精読して、論理思考力を身に付ける3つのテクニック

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