「仕事ができて人望が厚い、あの先輩みたいになりたいなあ」と考えたすぐあとに、「なーんて、なれるわけないか」と、チャレンジもせずに諦めてはいませんか? 見本となる人がいるならなおさら、今すぐセルフイメージを高めて“なりたい自分”になりましょう。

セルフイメージとは?

セルフイメージ」とは、その言葉どおり“自分が、自分について抱いている心象”のことです。実は、このセルフイメージを高めることで、理想の未来を現実のものにした人は少なくありません。

セルフイメージは人格の基本?

アメリカの教育者、ロバート・グリスウォルド氏は、著書『一流の人に学ぶ お金の引き寄せ方』で、「セルフイメージが人間のすべての感情と行動をコントロールする」と述べています。なぜならば、セルフイメージは、“自分が真実だと思い込んでいること”に基づいているから。心理学では、セルフイメージが人格の基本だと考えられているそう。

つまり、もしも実際には実力があるのに、自分自身を過小評価していたら、わたしたちは「真実」だと思い込んでいるほうに感情と行動を合致させようとします。したがって、自ら偽りの限界をつくりだし、能力を開花させないほうへと導いてしまうわけです。

では、逆ならどうでしょう? ポジティブなセルフイメージを持つことによって、限界はどんどん遠のいていきます。そうなれば、自分の行動や選択、気分も全く違うものになっていくはず。実際に、ポジティブなイメージが大きな効果をもたらすことは、研究などで確認されています。

イメージだけで技術力が上がる!?

アメリカの医師マクスウェル・マルツ博士は、被験者を3つのグループに分け、イメージトレーニングの有無でバスケットボールのシュート技術があがるかどうか、20日間にわたり実験を行いました。すると……、

・実際に練習した グループは技術力が24%向上
・練習はせず、自分が完璧にシュートを決めている様子をイメージし続けたグループは23%向上
・実際に練習せず、イメージもしなかったグループは技術力が全く向上せず

という結果だったそう。驚いたことに、イメージトレーニングだけのグループが、実際に練習していたグループと技術力の向上率がほぼ変わらなかったのです。これはつまり、このグループがイメージトレーニングとともに実際に練習を重ねていたら、一番技術力が上がっていたということを示しています。

見た目もガラリと変えてしまうセルフイメージの力

もうひとつ、興味深いことがあります。海外サイトのdemilked.comに掲載(2018年2月)された「Barber Advises This Guy To Grow A Beard, Ends Up Changing His Life Completely」というタイトルの記事には、ふっくらとした人のよさそうな青年の写真と、世の女性がざわめくような引き締まったイケメンの写真が並んでいます。実はこの正反対の2人、なんと同一人物。写真のグウィリム・ピューさんは、理髪師の「ヒゲを伸ばしてみたら?」の一言で人生が変わったそうです。

なぜならば、実際にヒゲを伸ばしてみたら、もっと自分を変えたいという欲求が湧いてきたから。どんどんセルフイメージが高まり、ついには別人のようになってしまったのです。目の奥に感じる深みや輝きまで違っているんですよ。同氏は自宅で始めていた保険関係の仕事をやめ、とうとう有名ブランドから引っ張りだこのモデルさんに転身してしまいました。

恐るべしセルフイメージ力ですね。では、どうしてこのようなことが起こるのでしょう。

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脳は「鮮明な想像」と「実際の経験」の区別ができない

レモンや梅干を想像するだけで、口の中が酸っぱくなったような経験をしたことはありませんか? 食べてもいないのに不思議ですよね。こういったことや、マクスウェル・マルツ博士によるバスケットボールの実験結果などでも分かるように、脳は「想像」を「実際の経験」と判別してしまいます。

オックスフォード大学感情神経科学センターのエレーヌ・フォックス教授は、病気ではないのに、自分は重い病気だと思い込み亡くなってしまった人の話を例に挙げ、ネガティブな思い込みの怖さを伝えています。また、1996年に発表された研究によれば、「自分は心臓病にかかりやすい」と信じている人の死亡率は、そう信じていない人の4倍にのぼるのだとか。

しかし、その逆に、「これで自分は絶対によくなる」と信じて薬を飲んだり治療を受けたりしていれば、その効果がより増すことが確認されているそう。思い込むことの威力は、ポジティブにもネガティブにも発揮されます。ならば、ポジティブのほうが絶対にいいですよね。

では次に、セルフイメージを高めていく方法をご紹介します。

セルフイメージを高める「心の映画法」

なりたい自分になるために、セルフイメージを高めていくテクニックは、「心の映画法」というそう。潜在意識の活用法を説いたジョセフ・マーフィー氏が提唱しました。端的にいうと、願望が叶って喜んでいる、称賛されている、羨望のまなざしで見られている、成功に歓喜している自分などをイメージすることです。

「えー、そんな単純なこと?」と思ってしまうかもしれませんが、この方法で成功を収めた人には、映画監督のスティーヴン・スピルバーグ氏や、映画『007』シリーズの初代ジェームズ・ボンド役で知られるショーン・コネリー氏、1960~70年代にトップ俳優として君臨したスティーブ・マックイーン氏、20世紀を代表する歌手のひとりフランク・シナトラ氏など、そうそうたる面々がいます。

しかも、その方法は以下のように、きわめてシンプル。

1.深呼吸してリラックスし、忘我の状態に入る
2.自分の願望が叶ったシーンを想像
3.実感を持って想像に入り込み、主役になりきる
4.想像し終わったら、その余韻にひたる

余韻にひたったあと心に喜びを感じていたら、無事「潜在意識に想念の引き渡しが完了」しているそうです。ちなみに、「さあ、『心の映画法』を実践するぞ!」と身構えなくても、電車に揺られながら、ふと願望を叶えた自分を想像してみるだけでも十分効果的ですよ。

***
身近に“なりたい自分”の見本となる人がいたら、よりリアルに「心の映画法」を上映しやすくなります。ドラマや映画の登場人物でも有効ですよ。ぜひお試しを!

(参考)
ロバート・グリスウォルド著,‎弓場隆訳(2017),『一流の人に学ぶ お金の引き寄せ方』,かんき出版.
倉林秀光著(2011),『ジョセフ・マーフィー 心を強くする41の言葉』,Kindle版.
DeMilked – Design Milking Magazine|Barber Advises This Guy To Grow A Beard, Ends Up Changing His Life Completely