テスト本番になるとうまくいかない、面接やプレゼンも本番だと失敗してしまうなど、いざという時に実力を出し切れずに悔しい思いをしたことはありませんか?
その度に悔しい思いをしないためにも、本番をいつも邪魔する「緊張」について考えてみたいと思います。
緊張の仕組み
本番を想像するだけで緊張してくる……。ということがあります。そもそも緊張するってどんな仕組みなのでしょう。
たとえば、本番を想像した場合、その情報は大脳皮質から視床下部というところに伝わります。すると、視床下部が反応し、下垂体・副腎などの働きで動機や赤面、手の震えなどの症状が出てくるのです。
これらはすべて、交感神経が過敏になることによるもの。コントロールすることは難しいのですが、自分で対処できることもいくつかあります。
緊張をゆるめるには
試合直前のスポーツ選手を見ていると、深呼吸をしたり、手足をぶらぶらさせて体をほぐしたりしていますよね。実はこれらはすべて理にかなってることなのです。
1.深呼吸 体に出る症状のうち、唯一コントロールできると言われているのが呼吸です。深呼吸をすることで、交感神経の働きが弱まり、反対に副交感神経が働き始めます。副交感神経はリラックスしている時に働くものなので、これが正常に働き始めると、筋肉がゆるみ、血流も良くなり、だんだんと動悸や赤面、震えなども収まるようになるのです。
2.体をほぐす 深呼吸と同じく、筋肉をほぐすことにより、副交感神経が働きます。緊張というのは、一種の興奮状態。早口になってしまいがちですので、プレゼンや面接などの前には口の周りをゆっくりと大きく動かし、スローダウンさせましょう。
準備が大切
記憶と関係の深い脳の器官・海馬。この海馬に緊張が伝わると、なんと、過去の失敗した記憶を呼び起こしてしまいます。
失敗のような嫌な記憶は、印象に残りやすく、そのせいで何度も思い出してしまうことが多くなりがち。海馬は、何度も繰り返し扱った情報を「重要な記憶」と認識します。そのせいで、緊張という異常時に、その「重要な記憶」を取り出して対処しようとしてしまうのです。
幸いなことに、この記憶は上書きすることができます。本番に備えて、万全の準備をしておきましょう。
1.納得するまでやる
例えば試験なら、「あそこが出たらどうしよう」、「これを聞かれたらどうしよう」など、準備不足が不安を呼び緊張につながります。その不安を呼び起こさないためにも「もう十分やったから大丈夫!」というくらいまで準備をしましょう。そうすれば、本番当日、緊張に襲われても「あれだけやったんだから、絶対できる」という気持ちが、過去の失敗の記憶よりも勝るはずです。
2.自分用の失敗ノートを作る
「失敗ノート」とは、自分の失敗を「自分へのアドバイス」とともに書いておくもの。
たとえば面接やプレゼンで過剰に早口になってしまったなら「ゆっくり話す」と、相手の反応を確認できていないと感じたなら「目線をあわせる」など、アドバイスのように書いていきます。 本番直前にこれを見ることで、同じ失敗を繰り返すことはありません。
3.思い込む 本番に近い体験をたくさんしてください。そして緊張を感じたら、その際に「これは誰でも起きる、体の反応だ。みんな起きている」と冷静にとらえる訓練をしてみてください。脳にとっては、事実よりも脳を通り抜ける情報が真実となるので、何度も繰り返すうちにそれがあなたの脳にとっての真実となります。
*** いかがでしたか? 緊張と上手につきあって、最高の結果を手に入れてしまいましょう。
参考: 東邦大学理学部生物学科 | ストレスと脳