あなたは仕事で、専門用語を多く使いますか?

テクニカルな言葉を多く必要とする仕事に就いている人であれば、日々専門用語を駆使しながら働いていることでしょう。しかし、事務系、営業系などの一般的なビジネスパーソンの場合、「専門用語なんて、そもそも必要ないし、使っていない」という人が多いかもしれませんね。

実は専門用語というのは、化学の物質名や難解なプログラミング用語といったような、専門的な知識やスキルに基づくものばかりではありません。若手のビジネスパーソンの方が使ってしまいがちなカタカナビジネス用語も、ある種の専門用語と言えるのです。

カタカナビジネス用語であれば、日ごろから使っているという人も多いのではないでしょうか。そして、ついこうした用語を使ってしまい、何となく会話がかみ合わない感じがするとか、相手が少し怪訝な表情をしているなどといった違和感を覚えた経験はありませんか?

今回は、ビジネスにおける専門用語、カタカナビジネス用語の使い方について、注意点をご紹介します。

小難しい言葉遣いは、コミュニケーションの妨げになる

専門用語というと、上述したように、Web系の職種の人が使うプログラミング用語や、研究者が使うような難解な言葉を思い浮かべる人は多いでしょう。それらの言葉を聞くと、1回聞いただけでは意味が分からなかったり、相手に意味を尋ねたくなったりするものですよね。

しかし、カタカナのビジネス用語も、即座に意味を理解できないことがあるという点では立派な専門用語と言えます。例えば「アジェンダ」「スキーム」「コンセンサス」、アルファベットを用いた略称では「FYI」「ASAP」といった言葉もその一種。気を付けたいのは、これらカタカナのビジネス用語は、使う側にとっては便利なものであったとしても、聞く側にとっては必ずしもそうとは限らないということです。

2016年8月にニュースサイト「マイナビニュース」が300人の会員を対象に行った調査では、約6割の人が、初めて聞いたビジネス用語の意味が分からなかった経験があると答えました。その調査結果によると、仕事の会話の中で意味不明なカタカナビジネス用語が登場したとき、素直に聞き返した、後から自分で意味を調べたという人や、日本語で言ってほしいと思った人などのほか、カタカナビジネス用語で仕事の指示をされても何をすればいいかわからなかった、という人もいたようです。

このように、専門用語やカタカナビジネス用語を多用することは、スムーズなコミュニケーションを妨げることがあるうえ、仕事の進行にも悪影響を及ぼしかねません。こうした言葉の使い過ぎには、注意する必要があるということが分かりますね。

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専門用語を使わないほうがよい相手とは

では、専門用語やカタカナのビジネス用語は、どのようにして使うのが適切なのでしょうか。ここからは、用語を使う上で気を付けたい2つのことについてお伝えします。

1つ目は、自分が伝えたい事柄についてよく知らないであろう相手には、専門用語やカタカナ用語を使わないということ。なぜなら、自分にとっては当たり前の知識や用語でも、相手にとっては、理解するのに労力も時間もかかるということが多々あるからです。

例えば、難しい言葉が並びがちな商品(例えば保険や金融商品など)を売り込む立場と、知識はないけど良い商品を買いたいと思っている客の立場で考えると分かりやすいでしょう。いくら厳密に説明したくても、何も知らない客を相手に難しい言葉ばかりを並べたところで、理解してもらえるわけがありませんよね。

別の例として、ある若者向け商品を売り出すために、30代であるあなたが10代の若者世代の特徴についてリサーチし、それを50代の上司に報告する場面を考えてみましょう。自分は時間をじゅうぶんにかけて下調べをしたので、専門用語(例えば若者の間でしか使われないような言葉)を含めてしっかり理解できています。けれども、上司にそれをそのまま説明したとしても、分かってもらえるとは限りません。「もっと分かりやすく説明して」と言われて説明しなおさなければならなくなるでしょう。

また、カタカナのビジネス用語についても同じようなことが言えます。自分と同世代の人や、同業界の人とは頻繁に使っている言葉も、年齢の離れた上司や別業界にいる取引先などにとっては、意味不明であることもあります。そのような場合には、漢字やひらがなを使った別表現に言い換える配慮が必要になります。

このように、自分と相手との間にある認識の差に気を配り、難解な用語は避け、分かりやすい言葉で丁寧に説明することが大切です。もし、そうした配慮をすることなく専門用語を使い続けていたら、自分の印象を悪くしかねません。「小難しい言葉を使っていて全然親切じゃない」「知識のない自分のことをばかにしている」と思われてしまうかもしれないからです。

よって、自分と相手の前提知識を配慮したうえでなるべく噛み砕いて説明することが、自分のためにも相手のためにも良いと言えるのです。

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専門用語の通じる相手にも、注意が必要

2つ目の注意点は、専門用語に信頼を寄せ過ぎないということです。

前提知識のない相手にはなるべくわかりやすい言葉を使ったほうがいいと書きましたが、同レベルの知識を持ち合わせている人同士であれば、もちろん、専門用語やカタカナのビジネス用語を使っても構いません。むしろそのほうが、時間を余計に使うことなく厳密な議論ができ、平易な言い回しを探す必要がなくストレートなコミュニケーションができるでしょう。

しかし、専門用語ばかりを使いすぎると、コミュニケーションや仕事をするうえでの本来の目的である、厳密な議論やスムーズな議論が困難になることがあるのです。

例として想定できるのは、議論に参加している人が皆同じ定義で専門用語を認識して使っていると思っていたら、実は各人によって解釈が異なっていた、というケース。プロジェクトに参加している人たちの経験の深さや長さが違う場合などに起きる状況です。

個人個人で専門用語の理解度や使いこなし具合が異なる場面では、時々、専門用語の意味の確認を取ることが大切です。ある程度専門的な話ができる人たちの間では、それぞれが見栄をはってしまい、誰も基礎知識や用語の基本的な定義を確認しようとしない、という事態がしばしば起こり得ます。そのため、なんとなく話が噛み合ってないな、と感じられるような場合でも、曖昧な理解のまま最後まで議論が進んでしまうことも多いのです。

特に専門用語で複数の意味が考えられるものや、文脈によって解釈が異なるもの、現在に至るまでの経緯について知っておくことが前提になるようなことについては、全員の認識を合わせるために、基礎知識を確認しておくことが効果的でしょう。

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専門用語、誰もが知っているとは限らないカタカナのビジネス用語などを使って仕事を進める際は、その仕事に関わる人が皆同じ知識を共有していることが不可欠です。相手に知識がない場合や、知識があっても解釈の統一ができていない場合には、無理に専門用語を使うことは逆効果になることがあるので注意が必要。相手のレベルに応じて言葉を使い分けるようにしましょう。

(参考)
ITmediaエンタープライズ|「専門用語を使ってはいけない」って本当ですか?
THE HUFFINGTON POST|専門的な文章を読むには訓練が必要という当たり前だがあまり知られていないこと
日経ビジネスONLINE|専門用語、業界用語を平気で使っているメールは本当に迷惑
マイナビニュース|初めて聞いたときポカーンとなったカタカナビジネス用語