何回読んでも全然理解できない……。理解しているつもりなのに、そこで得たはずの知識を応用できない。
勉強をしていて、そう思ったことはありませんか? 日本語で書かれた文章は「読む」ことはできるため、内容をわかっていると錯覚してしまいがち。そのため、わかったつもりになった状態で読み進めていき、実際には理解できていなかったということになってしまうことがあるのです。
自分の言葉に置き換えて理解する
何度読んでもなかなか理解ができないという時には、わかりにくい部分や単語をわかりやすい言葉に言い換えてみましょう。ていねいに整理していくことによってひとつひとつ理解を深めていきます。なんとなく読めているという状態を脱して、深い理解をめざしていきましょう。
いつもより時間がかかるかもしれませんが、いくら速く読めても理解出来ていなければなにも学ぶことができません。ここは少し我慢して、じっくり時間をかけていきましょう。
わからないところを把握できる
イメージするために効果的な方法は、それを実際にイラストとして書き出してみること。文字情報をより具体的な視覚情報に変換していきます。
文字をイラストや図にする過程で、これまでなんとなくわかっているつもりになっていたことがはっきりします。イラストとしてまとめ直すということが、あなたに深い理解を求めるのです。また、書き出したイラストは文字よりも一段抽象度の落ちたわかりやすいものになっているはず。このことが記憶の定着にも一役買うことでしょう。
抽象的な概念を説明する際、私たちは具体例をあげて説明することがありますね? そのことによってわかりやすくするわけです。それと同様、文章の内容をイラスト化することで、内容を把握しやすくなり、理解はより深くなります。また、抽象的な概念をイラストによって「言い換える」ことで、知識は応用可能なものに近づいていきます。
頭の中を整理できる
イラストは手描きで描き出しましょう。自分でイラストにして書き出すこと自体が、記憶の強化にも繋がります。 【抽象的なものを整理し、具体化する → イラストとして再構築する → 実際に手書きで書き出す】というプロセスを経ることで、理解と記憶が深まっていくことは想像に難くないはずです。
また、イラスト化することによって、ロジックや概念の全体像を把握しやすくなります。
エピソード記憶
いくつかのイラストを順序づけて見ていくことで、一連の流れをエピソードとして記憶しやすくなります。 単発的な情報として何かを記憶することと比較すると、エピソード形式、物語形式で覚える方が情報はより定着しやすいものです。
また、物語やストーリーを表現するときにはイラストはとても有効な方法です。マンガ版の「日本の歴史」などのシリーズに人気が集まるのもこのためですね。
*** いつまで経っても理解出来ない、覚えられないのは、そもそもイメージができていないから。 理解のためには、表面的な文字情報としてではなく、内容を具体的に正確に把握する必要があります。
イラストや図にすることができないのは、内容を理解できないということ。ただ文を覚えているだけでは、応用可能な情報にはなりません。その情報が "身になっている" かどうか、確認の意味も込めてイラストを描いてみましょう。
理解と記憶が一段と深まるはずですよ。
参考文献 山本修一(2012), 『イメージ化がもたらす深い理解と数学の有用性―ソフト Mathematicaを活用して―』, 数理解析研究所講究録, 第1780巻, 221-231 Study Hacker|覚えたいなら絵を描こう! イラストがもつ驚きの記憶定着効果。