みなさんは普段の仕事において、取引先や上司、同僚などに質問を投げかけることがあると思います。しかし、そこでうまく尋ねたいことを表現することができずにやきもきした経験のある方も少なからずいらっしゃるかもしれませんね。

適切な質問をすることができれば自分の疑問が解決するだけではなく、相手に問題を考えさせたり、さらには自分に対する評価を上げたりすることも可能なのです。今回は、質問力を磨くコツについてお伝えします。

「質問力」とは

そもそも「質問力」とはいったいどのような能力を指すのでしょうか。自分の質問内容が的確だったかどうかを気にする人がいるかもしれません。しかし、質問の内容だけでなく、その質問をするときの言葉のニュアンスや表情(怒っているのか、笑っているのかなど)も、少なからず相手の反応に影響しますよね。

経営コンサルタントである横山信弘氏は、「質問力」とは「ヒアリング技術」のようなものだと伝えています。とは言っても、質問力は「ただ自分の聞きたいことを相手に聞く」だけではないのです。相手の話に耳を傾けながら、その答えの中にある「本当に伝えたい気持ち」や「背後にある想い」をくみ取り、同時に、相手にも気づきを与えるような力が質問力と言えるでしょう

そしてこの質問力を向上させるには、実はコツがあるのです。

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質問にはいくつかのパターンがある

まずは質問のパターンを知る必要があります。しつもん経営研究所代表有限会社代表取締役の河田真誠氏によれば、質問の種類は大きく6つに分類できるのだそう。

【しつもん】相手が考えるきっかけを与える
【あいさつ質問】コミュニケーションのきっかけになる
【疑問】質問する側が、自分の知りたいことを聞く
【クイズ】相手の知識を試す
【命令質問】答えを強制する
【尋問・詰問】相手の落ち度を追及する

(引用元:日経ビジネスオンライン|ビジネスによく効く、6種類の「しつもん」とは

これらの中でも特に、ビジネスに活かすことができる質問は、1番目の【しつもん】です。というのも、【あいさつ質問】、【疑問】、【クイズ】、【命令質問】、【尋問・詰問】は自分のためにするものであるのに対し、【しつもん】は相手のために行うものだからです。

例えば、「部下に仕事を何度教えても覚えてくれない」と嘆くビジネスパーソンがいたとしましょう。ただ【疑問】をぶつけるなら「どういった仕事を部下に任せていますか」となる一方で、相手のために行う【しつもん】であれば「頼まれた仕事について、その部下はどのようなことに困っていると思いますか」と尋ねることができます。このように【しつもん】は、問題解決へ向けて話を前に進めることができる上、質問した相手にも気づきを与えてあげることができるでしょう。

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質問力を磨くコツ

では私たちはどのようにして、自分のためにも相手のためにもなるような質問力を磨くことができるのでしょうか。具体的な方法をご紹介します。

1. 「限定質問話法」と「拡大質問話法」を使い分ける
「限定質問話法」と「拡大質問話法」は、「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」という言葉でご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

「限定質問話法」とは相手が「はい」か「いいえ」の2択で答えられるような質問のことで、「拡大質問話法」はより自由度のある回答を相手にさせるような質問を指します。簡単ではありますが、以下のような例が挙げられるでしょう。

Aさん「Bさん、昨日の会議では良い話し合いができましたか(限定質問話法)」
Bさん「いいえ。昨日は声が大きい人の意見ばかり取り上げられていたので、そうは思いませんでした」
Aさん「では、Bさんはどうしたらもっと有意義な議論ができると考えていますか(拡大質問話法)」
Bさん「会議に参加しているメンバー1人1人に、順番に意見を聞いていくと良いのではないでしょうか。次の機会に提案してみます」

このように、2つの質問方法を使い分けて「限定質問話法」から「拡大質問話法」にシフトしていくことで、相手に考えを整理させることができますまたAさんは質問をしているだけであるにもかかわらず、Bさんは「親身になって自分の話を聞いてくれる人」というプラスの印象をAさんに持つでしょう

2. 自問を繰り返す
株式会社コーチ・エィ代表取締役社長である鈴木義幸氏は、どれだけ相手に対して効果的に質問できるかということは、どれだけ「自分に」効果的な質問ができているか次第であると言います。

確かに、自問スキルを身につけると、相手に質問を行う場合にも役に立つでしょう。何もないところから良い質問をしようとしてもすぐに思いつくものではないからです。相手への質問力を高めたいなら、普段から自問自答を重ねる練習を行う必要があります。

例えば、以下のようなトレーニングが有効です。

「上司はいつも自分の意見を押し通そうとする」
自問1:上司がこの案件について懸念していることはいったい何だろうか?
→前回、前々回の類似案件でプロジェクトを成功させているからかもしれない

自問2:前回の案件と今回の案件の共通点・相違点はどこだろう?
→前回は納期が短かったが、今回は納期が比較的長い。アプローチの仕方が違っても良いのではないか?

このように自問を繰り返すことによって、より建設的な質問ができるようになると思いませんか。そうすれば、上司がまた意見を押し通そうとしたときに、きっとその行動の本質を突いた良い質問ができるはずです。「〇〇部長め、いつも自分の意見を押し通してばかりで気に入らない」などと感情的になることもありませんよ。

***
質問ひとつ取っても、デキるビジネスパーソンは手を抜きません。質問力を磨いて、ぜひ仕事に生かせるようにしてみてください。

(参考)
Yahoo! JAPANニュース|「質問力」を鍛えるのは、意外と難しい3つの理由
日経ビジネスオンライン|最低10個、“自問”する
日経ビジネスオンライン|ビジネスによく効く、6種類の「しつもん」とは
日経テクノロジーonline|「質問力」を磨き、もっと話したくなる人になる
ITmediaエンタープライズ|質問力を鍛えて問題発見能力を強化しよう!