習慣化は “誰かと一緒” でうまくいく! 『習慣ともだち』を2ヶ月続けたら早起きできるようになった話。

昨今ブームになっている「習慣化」。スキルアップのための英語の勉強、読書、朝活など、習慣化に取り組んでみたはいいものの、イマイチうまくいかずに挫折してしまう……という方はいませんか?

今回は、習慣化成功の手助けとなる「誰かと一緒に習慣化にとりくむ」という方法について、筆者が実際にやってみた体験談を紹介します。習慣化がうまくいかない自分はダメなやつだ、自分は意志が弱いんだ……と自分を責める前に、ぜひこの記事を読んでみてください。習慣化が難しいのには理由があります。その理由を知って、適切な方法を実践すれば、習慣化は実現できますよ。

習慣化がうまくいかないのは意思の弱さのせいだけではない

そもそも、なぜ習慣化はうまくいかないのでしょうか。その理由について、習慣化コンサルタントの古川武士氏は、「習慣引力の法則」という言葉を使って次のように説明しています。

私たちが続かないのは、いつも通りを維持しようという本能があるからです。この「いつも通りを維持しようとする力」を「習慣引力」と呼びましょう。(中略)習慣引力は、新しい変化をやめさせようとする機能を持っています。この力が働くことで続かなくなってしまい、いわゆる三日坊主になってしまうのです。

(引用元:古川武士著(2016),『マンガでわかる「続ける」習慣』,日本実業出版社.)

新しいことをするのにはエネルギーが要りますし、それを毎日続けようとするならなおのこと。「いつもと同じが一番ラク!」という思いが習慣引力となって、新しいことの習慣化を阻んでしまうのですね。

しかし逆の見方をすれば、新しい行動を習慣にしてしまえば、その行動を行うこと自体が日常になりますよね。私たちは本能的にいつも通りを維持しようとするのですから、「新たな行動=いつもの行動」にしてしまえばいいというわけです。

そのためには、いかにして習慣引力に対抗し新たな習慣を身につけるかがカギになります。その方法のひとつとして古川氏は、ともに習慣化に取り組む存在である「習慣ともだち」を提案しています。

「習慣ともだち」が有効な理由

個人よりも誰かと一緒に習慣化に取り組んだほうがいいのはなぜなのでしょうか。そのことを検証した実験として、筑波大学大学院体育科学研究科の横山典子氏らの研究があります。「中高年の運動の習慣化」を目標とした自由参加の運動教室を開催し、個人運動のみ行うグループ1と、集団運動も取り入れたグループ2に分かれて、運動の習慣化の程度やモチベーションにどのような違いがうまれたかを調査したものです。

データを分析すると、集団運動を取り入れたグループ2の運動教室への参加率は、グループ1よりもなんと約25%も高かったと言う結果が出ました。また、グループ2の方がより高い「達成感」や「好奇心」を記録したという結果も出ており、他のメンバーとの比較を通じて生まれたモチベーションや、コミュニケーションによって促進された運動効果の実感などが、習慣化の助けになったと考えられます。

この結果から、誰かと一緒に習慣化に取り組む方が成功率が高くなることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

「習慣ともだち」を利用した習慣化に、2ヶ月間チャレンジしてみた

実は筆者自身も、これまで何度も習慣化に挫折した経験の持ち主です。そこで、今度こそ習慣化を成功させようと、「習慣ともだち」を利用した習慣化にチャレンジしてみましたのでその経過を紹介します。

今回筆者は、「習慣ともだち」を得るためにみんチャレというアプリを使いました。このアプリは同じ行動の習慣化を目指す5人でチーム専用のトークルームを作り、互いに褒めあったりアドバイスしあったりしながら習慣化の成功を目指すアプリです。チームメンバーは対象となる行動を写真で報告し、それを見た他のメンバーは「OKボタン」やメッセージで激励します。ちなみに写真は当日撮ったもののみ有効なのでごまかすことはできません。

朝に弱い筆者は「早起き」の習慣化を目指して「4時~6時(に起きることを目指す)」チームに参加し、2ヶ月間早起きの習慣化に挑戦してみました。朝ごはんも食べずに家を飛び出る毎日を変え、余裕のある朝を過ごして1日の良いスタートを切りたいと思ったからです。

その結果、1週目は7日中2日しか早起きに成功できませんでしたが、8週目には7日中6日も成功することができました! 実際にチームで早起きに取り組む中で感じたこととして、

・全員で何日も早起きに成功すると、「明日も頑張って起きよう」というモチベーションが強く湧いた。 ・早起きがなかなかできず、諦めてしまいそうなときでも、チームメンバーに早起きのコツを聞いてみるなどしてモチベーションを維持できた。 ・朝「もう少しだけ寝ていたい」と思ったときも、他のチームメンバーや連続達成記録のことが頭をよぎり、起きなければ! という気持ちになった。

などがあり、チームで挑戦したからこその高いモチベーションや達成感を強く感じ、習慣化が成功したのだと思います。

着る服にさっとアイロンをかけたり、少し手の込んだ朝ごはんを作ってみたり、好きなアーティストのDVDを見たり、読みたくても時間が取れなかった本を読んでみたり……毎朝の時間が1、2時間増えるだけで、驚くほどに心に余裕を持って1日を始めることができます。早起きの習慣が完璧に身についたら、今度は朝に資格の勉強をする習慣を身につけてみようかな、と思っています。

*** 誰かと頑張ることで習慣化はグッと成功に近づくはずです。イギリスの詩人・劇作家のジョン・ドライデンは「はじめは人が習慣を作り、それから習慣が人をつくる」という言葉を残しています。これからのあなたは、今のあなたが身につけようとしている習慣によって、どのようにでも変わることができるのです。この記事がみなさんの習慣化のお役に立てたら幸いです。

(参考) 古川武士著(2016),『マンガでわかる「続ける」習慣』,日本実業出版社. 横山典子(2003),”中高年者における運動教室への参加が運動習慣化個人的要因に及ぼす影響 ー個別実施運動プログラムと集団実施運動プログラムの比較ー,” 体力科学, Vol. 52, pp.249-257. みんチャレ

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