みなさんは、仕事中に集中力をずっと保てますか。たった30分程度なら問題なく集中できていたとしても、長時間の作業時に集中力を維持するのはなかなか難しいことですよね。
もしかして、みなさんのデスク周辺にモノがあふれている、ということはありませんか。実は、そのデスクの乱れが、集中力の阻害につながっている可能性があるのです。そこで今回は、集中力を維持するためのシンプルな対処法についてお伝えします。
集中力がすぐにきれてしまう理由
私たちが集中力を維持できないのは、いったいどうしてなのでしょうか。理由のひとつとして挙げられるのが、気が散るようなものが自分の近くに置いてあるということ。例えば、スマートフォンや本などが仕事中でもすぐ手に取れる場所にある、という方もたくさんいらっしゃるはずです。
空間心理カウンセラーの伊藤勇司氏によれば、周囲にモノがたくさんあると、無意識下において私たちの注意力は分散してしまうのだそう。
みなさん、仕事をしているつもりでデスクの上のパソコン画面を見てみてください。すると、周囲においてあるモノまで、嫌でも一緒に視界に入ってくることに気がつくはずです。このように、たくさんのモノが視界に入ってしまうと、いくら仕事に集中しているつもりでも注意力が分散してしまうため、実際には仕事に集中しきれないのです。
シンプルな生活は集中力を保つ
ではなぜ、たくさんのモノが視界に入ると集中力を維持することができなくなってしまうのでしょうか。
医学博士である米山公啓氏によれば、仕事に無関係なモノがデスクにおいてあると、脳が処理しなければならない情報量が増え脳にとってストレスになってしまうのだそう。余計な情報があるせいで、仕事の集中力や処理能力が削られてしまうのです。
ですから、仕事中に集中力が切れてしまいやすいと自覚している人は、自分の仕事環境を見直して、仕事に集中できる環境づくりをしましょう。仕事に必要なもののみを置き、仕事とは関係ないものは目に入らないようにしておくのです。シンプルな環境を維持することで脳の情報処理量を減らし、不必要な負荷をかけないようにすれば、脳にストレスがたまることなく仕事に集中しやすくなります。
私たちの集中力は決して無限というわけではありません。また、せっかく集中できたとしても、ささいなことで失われてしまうもの。集中力を維持したいなら、集中できる環境を意識的に作ることが大切なのです。
身辺をシンプルにする方法
では、私たちは具体的にどのようにすれば集中力を高めていくことができることができるのでしょうか。方法を2つご紹介します。
1. 「ディストラクター」の排除 まず、作業の邪魔となるものをすべて片付けるようにしましょう。邪魔になるもののことを心理学用語で「ディストラクター」と言います。例えば、ついついスマートフォンを見てしまうようなら、スマートフォンがディストラクターであると言えるでしょう。
仕事の邪魔になるものだけでなく、たとえ必要なものであってもすぐには使わないと分かっているものは、いったん片付けて見えなくしてしまうのがオススメです。1枚の割れたガラスを放置しておくと割られるガラスがさらに増え、結果としてその地域全体が荒れてしまう「割れ窓理論」のように、不必要なものを少しでも放っておくと部屋が散らかるようになってしまう可能性があるからです。
みなさんのデスクには、仕事上保管はしておきたいけれども、今現在の業務には必要ない、というものが置かれたままになっていませんか? その時その時の仕事に最大限に集中できるよう、すぐに使わないものは引き出しに入れたり棚にしまったりして、片づけておくようにしてください。
2. デジタルデバイスとデータの活用 仕事で用いる書類などが溜まっている場合には、デジタルデバイスを利用してみるのも1つの案です。今すぐ必要というわけではないけれど、どこにあるか分からなくなるのも困るという書類は、デジタルデータとして残しておくことで、身の回りを片付けやすくなりますよ。
スキャナーなどで書類のデータを取り込み、PCにファイル保存して整理しておきましょう。デジタルデータであればいつでも見返すことが可能なので、片付けた場所が分からないなどの心配も軽減することができます。
*** 時間がないから片付けられない、片付けすぎると落ち着かないなどと言わず、みなさんも、シンプルな生活を送ることで仕事の集中力を高めるようにしてみてください。
(参考) 教えて!goo|心理学者が教える!集中力を高める方法 EPSON|WORK STYLE MAG|汚い環境と綺麗な環境 人間の集中力に差は出るのか EPSON|WORK STYLE MAG|心理学者に聞いた! 机周りが汚い人の4つの特徴と解決法 HARBOR BUSINESS Online|デスクを整理するだけで驚くほど集中力がアップ!——男のための片付け講座 日経ウーマンオンライン|机がきれいな人に仕事ができる人が多いワケ