朝、すっきり起きられないことでお悩みではありませんか? 目覚ましで起きられない、目覚ましを止めても二度寝をしてしまう、起きることができても眠気がとれず仕事や勉強に集中できない……。そんなあなたは、無理な目覚めをしようとしてしまっているのかもしれません。無理なくすっきり目覚める方法をご紹介しましょう。
「◯時間睡眠が理想的」は間違い?
あなたは今、1日何時間の睡眠をとっていますか?
一般には、よく「8時間睡眠が理想的」「7時間睡眠が寿命を伸ばす」「睡眠サイクルに合った6時間睡眠が効果的」などと言われます。これらのうちいずれかを実践している方もいらっしゃるかもしれませんね。しかしどうでしょう、教わった通りの時間に就寝・起床することを習慣づけたとしても、果たして快適に眠れているでしょうか? 本当はまだ眠いのに、無理矢理起きようとはしていませんか?
実は、理想的な睡眠時間にはさまざまな説があることからわかるように、必ずしもこの時間がよいと言うことはできないのです。なぜなら、適切な睡眠時間には個人差があるから。ナポレオンやエジソンなどは、成功を収めたショートスリーパーとして有名ですね。さらに、とるべき睡眠時間は年齢や環境によっても変わってきます。
6時間睡眠が良いと言われる理由として、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが90分だということがよく挙げられますが、睡眠サイクルが90分というのはあくまでもデータを平均したものです。実際にはだいたい70分から110分くらいまでの個人差があります。それどころか、1人の睡眠時間でも日によって変わることがあります。つまり、一概に「◯時間睡眠が理想的」と言い切ることはできないということ。「理想的な睡眠をとろうとして頑張っているのに、なぜか朝眠たい……」という方は、その睡眠時間が自分には合っていない可能性があるのです。
本当に理想的な睡眠時間とは
では、快適な睡眠を得るために、いったい何時間寝ればいいのでしょうか? 前述したように、理想の睡眠時間には個人差があります。すなわち、あなたの睡眠時間はあなた自身が見つけるしかないのです。
理想的と言われている「◯時間睡眠」を実践して、その睡眠時間でぐっすり眠りすっきり起きられるならば、それがあなたに合っているということなので問題ないでしょう。しかし、これを読んでくださっているあなたは、そうでないからこそお悩みなのですよね。今の睡眠時間が自分に合っていないと感じる方は、無理に理想にこだわらず、睡眠習慣を変えてしまいましょう。
ではどう変えればいいのでしょうか。例えば余裕のある休日に、目覚ましをかけずに眠り、自然に目覚めるのを待ってみるのもいいでしょう。もちろん10時間以上眠ってだるくなって起きるというのでは意味がありません。爽やかに無理なく起きることができる時間を探しましょう。
目覚ましをかけなかったらつい寝過ぎてしまうという方は、日によって目覚ましの設定時間を変えて実験してみましょう。個人差があるとはいえ、適切な睡眠時間の目安は6~8時間ほどです。その幅の中で30分ずつ睡眠時間を変えるなどして、どの時間ならば気持ちよく起きることができるか試してみてください。すっきり起きられる日があったら、その日の設定時間があなたにとって最も理想的な睡眠時間です。6~8時間のうちに見つけることができなかったら、6時間より短くしたり、8時間より長くしたりしてみてもいいかもしれません。
また、一度これと決めた時間にすっきり起きられなくなることもあるでしょう。睡眠サイクルは日によって変わることもあるのですから、いつも同じ時間で起きられるとは限らないですよね。そんな時は、思い切って二度寝をしてみてください。長時間にならなければ、二度寝は必ずしも悪いものではありません。充分眠れたと思えるまで眠り、すっきり起きられるタイミングで起きればいいのです。
さらに快適に目覚めるために
さて、ここまで睡眠時間の長さについてお伝えしてきましたが、もちろん快適な睡眠に必要なのは時間だけではありません。ここまで読んでいただいた方にはおわかりかと思いますが、理想的な睡眠時間は人によっても日によっても変わるのですから、時間だけに頼るのはかなり不明確で不安ですよね。そこで、さらに快適で安心な睡眠のために有効な工夫をご紹介します。
まず、起きてすぐに朝日の光を浴びることです。「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンという物質の分泌を抑え、脳を目覚めさせるのに必要な光量は、1,500~2,500ルクスです。晴れた日の窓際は3,000~5,000ルクスで、曇りや雨でも500ルクスを下回りません。一方、一般的な住宅の室内は約500ルクスに調整されています。つまり、起きてからカーテンを開けずに部屋の照明だけで過ごしていると、脳がなかなか目覚めてくれないのです。天気には関係なく、起きたらまずカーテンを開け、明るい窓際で過ごす習慣をつけましょう。
もしプライバシーの問題がなさそうであれば、カーテンを開けたまま寝てもいいかもしれません。筆者自身も一人暮らしを始めた当初、カーテンを閉め切ったまま寝ていたら朝が来るタイミングがわからず、起きられなかったことがありました。そこで遮光カーテンを開け、レースカーテンだけを閉じて寝るようにしました。すると、部屋に光が入って朝になったのを体が感じ、すっきりと自然に目覚めることができるようになりました。
また、目覚ましの音を工夫するのも手です。スマートフォンの目覚まし機能を使っている方は、単調なアラームをやめ、自分の好きな曲に設定してみましょう。好きな音楽を聴くことで脳内でドーパミンが分泌され、脳や体が活性化して気持ちよく起きることができます。
*** すっきりとした目覚めのために重要なのは、自分にとって本当に気持ちのいい睡眠と目覚めを知ることです。爽やかに1日のスタートを切り、朝から眠気知らずの頭で仕事や勉強を頑張りましょう!
(参考) ねむりラボ|健康的な睡眠時間・・・世代や個人差を知ることが大切! 市田商店|眠りのお話|「理想の睡眠時間は8時間」の間違い Rhythm|90分は間違い!? 「睡眠サイクル」正しい最新理論とは フミナーズ|朝起きられない人必見!目覚めをスッキリさせる16の方法 世界睡眠会議|あなたの仕事を変える睡眠の法則:朝5分 光の法則