「プレゼンをしないといけなくなったけれど、スライドを作るのが難しい。あの先輩のように、分かりやすいスライドを作ることはできないだろうか」
このように感じたことのある方は多いと思います。頑張って作ったつもりなのに、上司からダメ出しをされてしまったり、情報を盛り込み過ぎて派手で重たいスライドになってしまったり……。
スライド作りは、多くのビジネスパーソンにとって必要な作業。ですが、社会人ならできて当たり前という感じで、やり方を教わる機会は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、スライド作りに悩みを感じているみなさんに、スライドをスマートにする為に注意したい3つのポイントをご紹介します。
KISSの法則
スライドを作成するうえでまず心がけたいことがKISSの法則です。「KISS」とは「Keep It Short and Simple」の略で、「なるべく短く、シンプルに」という意味です。1枚のスライドに情報を入れすぎると、どこが大事なのか分かりづらくなり、肝心なポイントをしっかり伝えることができない可能性があります。そのため、KISSの法則が重要になるのです。
情報を凝縮すると、自然と文が短くなります。例えば、
「スライドがごちゃごちゃしていると聞き手が重要な部分を読み取ったりするのに時間がかかる。そのため文章を短くする必要がある」
という文章は、「やるべきこと」にフォーカスして凝縮すれば
「文章の短縮・単純化が必要」
といった程度に要約できますよね。スライドには、長々とした文章や不要な情報を載せるのではなく、要約された情報を載せましょう。
スライドのデザインに関しても、無駄な模様や日付などは無くして、シンプルなものを心がけます。また、テキストの位置や画像の大きさなど、揃えるられるものは全て揃えるとより美しいスライドになりますので、ぜひ試してみてください。
余白を大切にする
余白をうまく使うこともスライド作りには欠かせません。「文字とスライドの端」「文字と文字」「文字と図」の間には余裕をもって余白を作るようにしましょう。プロジェクターの具合によってはスライドの端がスクリーンからはみ出してしまう場合もあるので、その意味でもスライドの端の余白は重要です。
枠を作ってその中に文章を入れる際も、注意が必要です。例えばPowerPointの場合、四角や丸のオブジェクトに直接文字を書き込むことができますし、テキストボックスの背景の色を変えることで枠の中に文字があるように見せることができます。しかしこれらの方法は、余白がうまく作れないという観点からお勧めできません。文字が枠の端に近くなりすぎたり、左右の対称性が崩れたりするからです。
枠の中に文章を入れたいときは、「枠の図形とテキストボックスを別々に作る」とよいでしょう。枠は枠として作ってから、テキストボックスに文章を入れ、これらを重ねてみてください。そうすれば、文字と枠、余白のバランスが取れ、見やすくなります。
テーマカラーを決めよう
スライドを作るうえで、意外に忘れられている要素が「色遣い」です。プレゼン資料を作るときは、最初にテーマカラーを決めるようにしましょう。
テーマカラーとは、「スライド全体を通して、この場所にはこういう色を使おう、と決めた色の組み合わせ」のこと。テーマカラーがあることで、読み手はスライドを理解しやすくなりますし、スライド全体での統一感を出すことができます。
テーマカラーは原則3色を使うようにしましょう。3色の内訳は「ベースカラー:70%」「メインカラー:25%」「アクセントカラー5%」となります(割合はおおよそです)。
ベースカラーは、スライドの背景として使う色。白や黒が使われることが多いですね。メインカラーは、見出しや主張したい内容に使用する色。アクセントカラーは、読み手に特に注目してほしい内容や、注意事項に使う色です。メインカラーとアクセントカラーは、「青と赤」などのようにはっきりと違いの分かる色を使いましょう。
*** スライド作りは多くの社会人にとって必須のスキルです。今回紹介した3点を意識するだけで、今までのちょっと野暮なスライドからは一味も二味も違った、垢ぬけたスライドを作ることができますよ。分かりやすいスライドで、ぜひプレゼン力をアップさせてください。
(参考) POWERPOINT DESIGN|プレゼン資料で色を効果的に使う方法 alle|見やすいプレゼン資料の作り方 – リニューアル増量版 ITmedia エンタープライズ|実際のスライド作成時に気をつけるべき10の鉄則とKISS