もう、想定外とは言わせない。『想定力』を身につける三つの方法

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想定外のトラブルが発生してしまった… 致命的なミスですが、その実よくあることでもあります。

なぜ「想定外」の出来事は起こってしまうのか。 今日は、ありとあらゆる可能性を想定するためのコツをご紹介しましょう。

badge_columns_1001711日頃から想像する

「想定する」というのは「もし◯◯だったら」と考える力であることに他なりません。

車を運転する時。もしあの車の影から子供が飛び出してきたら… 料理をする時。もし油の温度が高くなりすぎていたら…

こんな風にして、日常の中でも「もし◯◯だったら」と考えることはよくあるはず。 逆にいえば、私たちの生活は「想定」によって出来上がっているのです。

ならば、日頃から「想定」を意識して行うことでトレーニングになるはず。「もし◯◯だったら」。普段は何気なく考えていることかもしれませんが、それを自分の意志でやってみるのです。テレビ番組等でおなじみ、明治大学文学部の教授の齋藤孝氏は、著書「段取り力」の中でこんなことを言っています。

結果からプロセスを推測し、頭のなかで何度も検証するトレーニングをすることで、今度は自分が仕事をするときにプロセスと結果がすぐ結びつく。

(引用:齋藤孝|段取り力)

この状況では何が起こるのか、そのプロセスと結果を普段から想像しておくことが、仕事でも生きてくるのです。

badge_columns_1001711興味・関心を持ち、観察すること

「何かを想定する」ということは、その状況で一定のパターンを読み取り、それにそって何 が起こるか予想することになります。人間は不完全。全く新しく、パターンが読めないものを想定するの不可能ですから。

何かしら特徴や共通性を見出すことで、想定は可能になります。では、一体どうすればいのか。

人材育成コンサルタントとして活動する田原氏は、接客業を例にとって説明しています。

ではどうすれば、お客様に対する「想定力」を養うことが出来るのでしょうか?最近のトレンドは何か?あるいはお客様のニーズを分析することはもちろんですが、最も必要な事、それは『お客様の動向に興味関心を持つこと、そしてその様子を丁寧に観察すること』です。

(引用:専門家 ProFile|接客は小手先のテクニックではなく、想定力を養うこと!  )

なんでも、私たちは自分の状態、自分のすべきこと、タスクに目が行きがち。基本的なことであるお客さんや周りの環境を観察することができていないんだとか。

例をあげましょうか。ここは洋品店。あなたはアルバイトの販売員です。どうやら、時計をチラチラ確認しながらショッピングしているお客さんは、結局何も買わず急いで店を出てしまうことが多い様子。さて、ここから何が想定できますか?

「時計を確認している客に遭遇した時にどうすればいいか」ということが簡単に想定できますよね。「そうか、時間が足りないのだろう。」

このように想定して、おすすめの品を紹介したり、何を探しているのか聞いたりして、客のショッピングの時間を短縮することができるわけです。

関心をもち、細かく観察することが、想定力につながります。

Business and time management concept

 

badge_columns_1001711毎回のフィードバックを大事にする

時には人の助言に耳を傾けることも大切です。他人からのフィードバックは、自分の状態を客観的に知ることができる唯一の手段だからです。

「想定」は現在の状態がわかっていなければできません。過去のデータも大事ですが、手元にある中で最新のものは「現在」のデータなのですから。

確かに自分で自分の状態を把握することは必要です。むしろ、大半の場合そうすることになるでしょう。しかし、自分で健康の調子がいいと思っていても、病院で検査をうけて初めて病気が発覚する、なんてことはいくらでもありますよね。

自分ではわかっているつもりでも、自分の状態というのは意外にわからないものなのです。 そのためには、人のフィードバックを大事にしましょう。そして、自分も他人にフィードバックをしてあげるようにしましょう。

しかし気をつけないと、逆効果になるものがあります。それが、「負のフィードバック」。 つまり、「誰々の業績が悪かった」「今月一番売上がよくなかったのはこの店舗です」という風に、マイナス評価を公表してしまうこと。

行動科学マネジメントの専門家、石田淳氏は著書の中で、そうした負のフィードバックはその人の行動を慎重にさせ、かえって業績を下げるばかりだと指摘しています。

恐怖政治そのものであり、職場にいいことは何ひとつない。店員たちはさらし者にされる屈辱と恐怖に怯えながら、重苦しい雰囲気の中でいやいやはたらかなければならないのだ。こんな状態で全体の売上が伸びるとは思えない。

(引用:石田淳|短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント)

フィードバックも使いよう、ということですね。

***

私たちは日々想定しながら生きています。意識していないだけで。

それを意識するだけで、トラブルや緊急事態を想定し、未然に回避する能力はつくはずです。

備えあれば憂いなし。ぜひ実践してみてください。

参考 齋藤孝|段取り力

いろどりぷらす|『ダンジョン飯』に学ぶ、生産性を高めるための「想定力」 専門家 ProFile|接客は小手先のテクニックではなく、想定力を養うこと! 石田淳|短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント ダイアモンド社 2007年刊


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。

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