頭がいい人の「少し意外な」3つの特徴。○○が知性につながっていた

頭のいい人が考えている様子

「集中力が高くて頭のいい人とは違い、私はすぐほかのことを考えてしまう。頭がよくないのかも……」
「頭の回転の速い人に憧れる。それに比べて、自分は意見を出すのが遅い……」

こんなコンプレックスを抱いてはいませんか? 今回は、そんなあなたが想像する “頭がいい人” の特徴とは別の要素を報告することになるかもしれません。じつは、頭のよさを決める要素はさまざまで、なかには多くの人にとって思いもよらないものもあるのです。

本記事では、頭がいい人の少し “意外” な特徴を3つ紹介します。まだあなたが気づいていない自らの賢さを知るために、ぜひご一読ください。

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

頭がいい人は【ぼーっとする時間をもつ】

頭がいい人は、勉強にも仕事にも並外れた集中力を発揮している――直感的にそう思う人は多いでしょう。ところが意外なことに、注意散漫な人も、特有の “頭のよさ” をもち合わせているのです。

「注意散漫=非生産的」というイメージがあるかもしれません。しかし実際はそうとも限らないもの。たとえば、みなさんがアイデアを思いつくのは、浴槽に浸かっているときやいつもと違う道を歩いているとき、音楽を聴き流しているときなど、“ぼーっとしている” 状態のときであることが多いのではないでしょうか。

実際、こんな研究結果があります。2001年、米セントルイス・ワシントン大学医科大学院の神経学者マーカス・レイクル氏らが、注意力が求められる際の脳の活動に関する研究を行なったところ、以下のことがわかったそうです。

脳の特定の領域群では、能動的な課題よりも受動的な課題をこなすときのほうが活発に機能していた。

(枠内引用元および上記参考:日本経済新聞|斬新なアイデアの生み方 何をすればひらめくのか )

つまり、注意力を必要としない作業をするときにこそ、活発に働く脳部位があると判明したのです。レイクル氏らは、これらの部位を「『初期状態』を意味する『デフォルト』モード・ネットワーク」(=DMN)と名づけました。(カギカッコ内引用元:同上)

脳が創造力を発揮しているイメージ

このDMNの活性は、私たちの “創造性” に大きく影響を与えています。前述の研究で、「創造力を測る作業の成績と、DMNを構成する灰白質(神経細胞が集まる部分)の容積との間に相関」が見られたのだそう。(カギカッコ内引用元:同上)

簡単に言えば、下記の好循環が生まれているわけですね。

【ぼーっとする → DMNが活性化する → アイデアがひらめく】

また、米ペンシルベニア州立大学の認知神経科学者ロジャー・ビーティー氏によると、DMNは「過去の経験や世界に関する知識を引き出すことによって、アイデア創出の初期段階にも関わってい」るとのこと。(カギカッコ内引用元:同上)

つまり、ぼーっとすることで、脳のなかでそれまでの経験や知識が組み合わさり、思いもよらない斬新なアイデアが浮かぶきっかけがつくられるのです。

さらに、米ドレクセル大学の認知神経科学者ジョン・クニオス氏いわく、「自然の中で散歩すれば気分が改善し、かけ離れたアイデアや遠い昔の思い出にも思考が広が」るとのこと。(カギカッコ内引用元:同上)

散歩は、思考を自由に広げるための適切なエクササイズと言えそうですね。

そこで筆者もある日、買い物がてらあえて公園の周囲を歩き、「もし、自分がこの街を設計できるとしたら?」とぼんやりと想像をめぐらせてみましたよ。

想像した内容を図にまとめてみると、まるでマインドマップのよう。

筆者が想像した内容をメモした図

(画像は筆者作成)

何かを意図的に考えるよりも、散歩しながら想像するほうがリラックスするため、思考は柔軟に広がっていくと感じました。「いいアイデアがひらめいた!」と思えたなら、それをメモに留める習慣も忘れてはいけません。

一見効率的でない「ぼーっとする」時間で、自らの創造力を引き出すのはいかがですか。

頭がいい人は【遅く考えるクセがある】

頭の回転の速い人ほど、知性的に見えるでしょう。しかしじつは、頭のいい人には、結論を出すまでに “遅く考える” 習慣もあるのです。

関西大学総合情報学部教授の植原亮氏は、あえて遅く考えることで「エラーが生じやすい場面でもエラーが生じにくくな」ると述べます。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|本当に頭のいい人はあえて「遅く考える」。下手に速く考えないほうがいい2つの理由

たとえば、「社歴の浅い社員はリーダーシップを発揮できない」という仮説があるとしましょう。これは、リーダーを務めるには勤続年数が長くないといけないと考える人による見方だと考えられますし、個々の社員の性格を無視しているとも言えます。

その仮説を信用して、能力的にはリーダーに向いているが社歴が浅い社員をリーダーとして起用せず、能力はいまひとつで社歴が長い社員をリーダーに据えるとすれば、適性を無視した不当な人事になりかねませんよね。

仮説と結論には、たしかな因果関係は保証されません。仮説に安易に飛びつくと、時に本質を見誤り、不適切な結論を出してしまう恐れがあるのです。

働いている女性

そこで植原氏が伝えているのが、あえて遅く考える「遅考術」を使いこなすことで「誤った結論に至ることを回避できる」ということ。この遅考術で大切なのが「思いつきをいったん否定」することだと言います。(カギカッコ内引用元:同上)

直感的にイメージした思いつきで突き進むのではなく、一度仮説を否定することで本当の因果関係を探るのです。先ほどの例であれば、

  • 本当に社歴の長い人だけがリーダーシップを発揮できるのだろうか?
  • 社歴が長ければ誰でもリーダーに向いているのだろうか?

と仮説を疑い「社歴の浅い社員はリーダーシップを発揮できない」という説を否定するわけです。こうすれば、知らず知らずのうちにとらわれていたバイアスにも気づけるはず。

“遅く考える” とは、いわゆる “思慮深さ” です。これが誤った決断を避け、頭のよさへとつながっていくわけですね。

思慮深く考えているイメージ

頭がいい人は【運動が好き】

頭のいい人と聞けば、オフの日でも本を読んで自宅で勉強している姿を想像するかもしれません。ところが、「運動するのが好き」という側面をもっている可能性も。

ベストセラー『スマホ脳』(新潮新書)の著者で精神科医のアンデシュ・ハンセン氏は、運動と知性に関する意外な研究結果を述べています。

総合的に見れば、あらゆるデータは同じ結論に行きつく。運動をすれば頭がよくなるのだ。

(引用元:プレジデントオンライン|「スマホのゲームより、外遊びをさせたほうがいい」世界的精神科医が"できすぎ"と思うほど表れる成長の違い ※太字は編集部が施した)

ハンセン氏が取り上げているのは、スウェーデンが26年以上にわたり、120万人を超える男性から得た軍の入隊検査のデータです。この入隊検査では、「体力テスト」「筋力テスト」「心理テスト」および「知能検査」といったテストが行なわれたのだそう。その結果、「体力テストの結果がよかった新兵は、そうでない新兵よりも知能指数が高い」と判明したのです。(カギカッコ内引用元および上記参考:同上)

ただこれだけだと、もともと知能の高い人が偶然に体力もあった可能性が考えられますよね。

ですが、「一卵性双生児のデータに着目」した調査結果によれば、前述した調査に参加した一卵性双生児のうち「体力的にすぐれているほうは、体力が劣る兄弟よりも、おしなべて知能指数が高」いというのです。

さまざまなスポーツ

なぜ、このような結果になったのでしょう? ハンセン氏は「運動の効果が最も出る部位」である「海馬と前頭葉」が運動によって強化され、最も体力と相関性の高い「論理的思考力」と「言語の理解力」が高まったのではないかと考察しています。(カギカッコ内および上記参考:同上)

考えてみれば、知性を発揮している世界的なエグゼクティブ――マーク・ザッカーバーグ氏(Facebook共同創業者)、ウォーレン・バフェット氏(投資家)、ティム・クック氏(Apple CEO)など――には、運動習慣があることで有名です。(参照: Business Insider|How 19 highly successful people stay in shape

彼らは “運動すれば頭がさえる” ことを経験によって知っているのではないでしょうか。

じつは筆者も在宅勤務になってから、運動習慣をもつように。以前の筆者は、疲れやすく、悲観的に考えては生産性を落としてしまうことがありました。しかしいまでは、ヨガやジョギングをすることで、気分が上がるとともに頭のもやが晴れ、思考がクリアになっていく感覚を楽しんでいます。

身体(脳)と精神(心)は、密接につながっているもの。みなさんも運動で気分を高めるとともに、脳を賢く鍛えてみてはいかがでしょう。

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頭のよさは、一概に語れません。しかし、自らのもつ “賢さの要素” に気づいて大切にすれば、さらに知性的な人に近づけるはずです。

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