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世の中には様々な「良い」と言われる学習方法があります。ここStudy Hackerでも多種多様な学習方略を紹介しています。しかしその学習方略、ただ実践するだけではもったいないのです。実践する上である4つの点に注意するだけでその学習方略の効果を何倍にもできることが分かっています。
今回はその4つの点についてお話ししたいと思います。

学習性無力感を獲得しない

こんな実験があります。2頭の犬の足元に電撃を流します。一方の犬の近くにはボタンがあり、それを押すと電撃は止ますが、もう一方の犬の近くには何もなく電撃を避ける手段はありません。
これを何度か繰り返した後、今度は、ボタンがなかった方の犬にも電撃を避けるための簡単な方法を与えるのですが、電撃を流され続けていた方の犬は「どうせ何をしたって無駄だ」と感じ、もはや電撃を避けようとしなくなるのです。これはラットの実験でも有名ですね。

このように、どうやってもだめだと感じ、「頑張っても無駄だし努力するのはやめよう」と思うことを学習性無力感と言います。上の例では犬でしたが人間でも同様の実験結果が出ています。
学習性無力感を回避するためには、「自分はやればできるんだ」ということを感じる必要があります。そのために有効なのが小テストのようなもの。簡単で量も少ないテストを随時行うことで、達成感を得ることができ、「やればできる」という気持ちを保つことができます。

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自分の使っている学習方法を信じる

勉強法に迷った時。今、自分が採用している学習方法をとにかく信じることが大切です。疑うことは迷いを生むことになり、気が散って集中できなくなります。
自分の学習方法を信じることができれば、プラシーボ効果という心理学的効果により、その学習方法がもっている本来の効力以上のものを享受することができます。

プラシーボ効果とは、偽薬効果と訳され、たとえば小麦粉を風邪薬と称し、風邪をひいている人に飲ませると、本当に風邪薬を飲んだかのように効いてしまうという効果です。なんだか胡散臭い効果にも思えますが、多かれ少なかれ、プラシーボ効果が存在することは様々な実験から明らかになっているようです。
つまり、自分が「これが本物だ!」と信じたら、本物になるのですね。

学習方法を精緻化する

今、自分が使用している学習方法がなぜ科学的に正しいのかとか、どのような実験に裏付けされているのかなどを調べてみましょう。このようにして、自分の学習方法を精緻化していくと、学習に対してより積極的になり、学習意欲が増すことが知られています。
今まで自分が知らなかったような科学的な根拠、効果を知れば、自信がついてますますやる気が起きますね。ぜひスキマ時間などで試してみましょう。

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一つの学習方法に固執しない

あるアンケート調査によると、成績が悪い人の多くは一つの学習方法しか使用していないということが明らかになりました。自分の学習方法が確立していて、それでうまくいっている人はそのままでいいのですが、どんなに学習してもうまくいかない時は学習方法を柔軟に変えてみましょう。「自分の使っている学習方法を信じる」と矛盾するように思えるかもしれませんが、
1.まずは信じる
2.テストや確認作業でうまくいかない
3.やり方を変えてみる
このような形にすれば、どちらも守れていることになります。

「他の学習方法がわからない」という人も大丈夫。ここStudy Hackerでは、科学的に裏付けされた山ほどの学習方法が紹介されています。ぜひ活用してみてください。

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いかがでしたか。今回のポイントをもう一度おさらいすると、まずは学習性無力感を得ないように、簡単な確認問題をすらすらといて「自分はできる!」という気持ちを持つこと。そして、自分の使っている学習方法を精緻化し、その効果を信じること。それでも結果が出なければすぐに学習方法を変えること。以上の点に注意して、より効率的で実りのある学習ライフを送ってください!

参考文献
下地貴樹,「学習方略の教授と学習意欲向上の関係に関する研究」,九州大学大学院教育学コース院生論文集,2015, Vol.15, p.1-23.
岡市廣成・鈴木直人監修 青山謙二郎・神山貴弥・武藤祟・畑敏道編(2014),『心理学概論 第2版』, ナカニシヤ出版,p.93-94.


早稲田大学先進理工学部物理学科所属。横浜サイエンスフロンティア高校卒業。大学では理論物理学を中心に日々勉強に励んでいる。