『睡眠の質』は日中の行動パターンに左右される! 良い睡眠のための「朝・昼・夜」の過ごし方。

仕事であれ勉強であれ、質の高いパフォーマンスを発揮するためには、しっかりと睡眠をとることが重要です。ところで皆さんは、睡眠の質を上げるためには、寝る直前だけではなく、その日の朝からの行動が重要なことをご存じですか? 実は、その日の睡眠の質は、その日丸一日のあらゆる行動によって左右されるのです。

そこでこの記事では、朝・昼・夜と時間を区切り、それぞれの時間帯における「睡眠の質を上げるための方法」「睡眠の質を下げないための方法」をご紹介していきたいと思います。

よりよい睡眠のために朝の時間帯にすべきこと。それは、体のスイッチを押して体内時計をリセットすることです。朝の時間にきっちりと体を起こすことができれば、まわりまわって夜寝るときにすっきりと入眠できます。それでは、そのための方法をいくつか見ていきましょう。

■ できるだけ、決まった時間に毎日起きる

まずはこれでしょう。決まったサイクルで睡眠をとるほど、体のリズムが整い、睡眠の質が高くなります。たとえその日が休日で、もう少し長く寝たいと感じても、朝起きる時間を平日と変えてしまうのは得策ではありません。もし休日にたくさん寝たいなら、朝はいつも通りに起きて、昼寝をするようにしましょう。但し、昼寝の仕方にも注意が必要です。よりよい昼寝の方法は次の章にて説明します。

■ 起きたらすぐ朝日を浴びる

人間は太古より、朝日が昇ると同時に活動してきました。その影響からか、朝日は私たちの体にスイッチを入れてくれる効果があるようです。この効果を得る方法は簡単で、目を覚ましたらカーテンを開けて朝日を浴びるだけ。こうすることにより、体内時計がリセットされます。そうして体内時計がリセットされた体のなかでは、16~17時間後にメラトニンの分泌が促され、入眠の準備が整うのです。

さらに、朝日を浴びることには、光の刺激によって目が覚める効果もあります。朝起きるのが苦手な人は、いっそ少しカーテンを開けて寝るのもよいかもしれませんね。

■ 朝食をちゃんと食べる

朝日を浴びるのと同じくらい大事なのが朝食です。鍵はトリプトファンという必須アミノ酸。このトリプトファンを朝食で摂取することで、脳内でセロトニンという神経伝達物質が生成され、精神の安定や日中の覚醒が促されます。さらにこのセロトニンは、夜になるとメラトニンに変化し、睡眠の質を高めてくれる効果もあるのです。朝食には、胃を動かし目を覚ます効果だけではなく、一日のリズムを整える力もあるというわけです。

ただ朝食を食べるだけでも十分効果は得られますが、もしもより効果を得たいのであれば、トリプトファンを多く含む食材を朝食として食べるのが良いでしょう。トリプトファンは大豆製品や乳製品、卵、ごまやナッツ、魚、肉などに多く含まれるそうです。

朝にしっかりと体を起こしたあと、昼の時間帯にすべきことは「体のリズムを崩さない」ということです。せっかくきちんと体を起こすことができても、日中にそのリズムを崩してしまえば台無し。夜になってから質の良い睡眠を得られません。それでは、具体的に注意すべきことを見ていきましょう。

■ 仮眠の長さには気をつける

「昼間、どうしても眠くて仮眠したくなった」「時間があるので少し昼寝をしようと思った」ということはしばしばあるかもしれません。実は、これ自体は特に悪いことではありません。むしろ、仮眠には、覚醒感が高まり認知能力が向上するなどの良い効果もあります。ただし、注意すべきはその長さやタイミングです。

一般に、仮眠は20分くらいが良いとされています。寝始めて30分ほどたつと、人は深い睡眠に入ってしまいます。そして深い睡眠に入っている状態で起こされると、脳は体についていけず、体のリズムも崩れてしまうのだとか。長くとも30分以内、できるなら20分くらいで起きるのがベストでしょう。また、仮眠をとるのは16時よりも前に。あまり遅くに仮眠をとってしまうと、体のリズムが崩れて夜に寝られなくなってしまいます。

■ なるべく明るい場所にいる

これも、体のリズムを崩さないための方法です。暗い所にいると、人間は眠たくなってしまうもの。必ずしも太陽の日差しである必要はないので、なるべく明るいところで作業し、目が覚めた状態で活動できるようにしましょう。

朝、昼ときて、ついに寝る前の夜になりました。夜の時間帯で大事なのは、いかに神経を刺激せずに穏やかに眠りに入っていくかです。それでは見ていきましょう。

■ 決まった時間に寝る

体のリズムを整えるためには、やはり、決まった時間に起きて、そして決まった時間に寝ることが肝心です。ここで注意すべきは、たとえ次の日の朝が早くても、その分寝る時間を前倒しにしないということ。スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所・所長の西野精治氏によると、睡眠時間よりも体のリズムを整えることを優先したほうが、結果的によいパフォーマンスが発揮できるのだそうです。

ただし、もしも睡眠時間が少なくなりすぎるときは、「90分周期」を意識しましょう。脳の睡眠の周期はおよそ90分周期で回っているからです。睡眠時間がなるべく「90×〇分」になるよう調整することで、体のリズムの崩れを抑えることができます。

■ 深部体温を上げて寝る準備をする

これはテレビなどで取り上げられる機会が多く、耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。人間には深部体温というものがあり、これが低くなるとき、人は寝つきやすいのだそう。そしてこの深部体温は、一定温度上げられると、その反動で同じ幅だけ下がる性質があるのです。

この性質を利用し、寝る2~3時間前にジョギングやウォーキング、入浴を行って深部体温をあらかじめ上げておきましょう。そうすると、寝る前には深部体温が下がり、眠りに入りやすい状態になります。ただし、あまりに激しい運動や、シャワーだけの入浴はあまり効果がないそうです。適度な運動や、しっかり湯船につかっての入浴を心がけましょう。

■ 入眠モードの体を刺激しない

いくら寝るための準備を整えても、そのあとで目を覚ますようなことをしてしまっては元も子もありません。そこで、やりがちだが本当は寝る前にしてはいけないことを、いくつか挙げたいと思います。

スマートフォンを触る これはよく言われますよね。スマートフォンのライトを浴びたり、画面に集中したりすることによって、脳が興奮し、入眠モードが阻害されてしまいます。寝る前はできるだけ、スマートフォンの利用を避けましょう。

寝る前に食事をする 胃に食べ物が入ると、消化活動が活発化するため体が覚醒してしまいます。可能ならば、寝る3時間前までには食事を済ませてしまいましょう。

歯磨きをする 意外ですが、これも寝る前はNG。歯磨きによって歯茎が刺激されることで、睡眠を促進するメラトニンの分泌が抑制されてしまうのです。また、歯磨きのリフレッシュ効果も目が覚めてしまう一因になります。歯磨きは寝る1時間前には済ませておくと良いようです。

*** より良い睡眠に必要なのは、より良い生活リズムです。睡眠の質を上げたいという方は、今日ご紹介した方法をいくつか試してみてはいかがでしょうか。そしてもし可能ならば、一日を通した生活リズムの見直しをはかってみましょう。

(参考) 世界睡眠会議|睡眠の「質の上げ方」を知って、日中のパフォーマンスをアップ! ウレぴあ総研|“上質な睡眠”を妨げる、寝る前に絶対してはいけない9つのこと YOIKOTO LABO|質の良い睡眠をとるには「朝の過ごし方」が重要だった。 フミナーズ|昼寝に最適な時間とその効果は?20分のお昼寝で効率UP

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