生き残るビジネスパーソンの「換えの効かない」人になる4つの視点

あなたは今、どんなことをしてお金を稼いでいますか。現在の報酬に満足できず、もっと上を目指したいと考えている方もきっと多いのではないでしょうか。

かつてマッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルタントとして活躍し、現在は投資家としても活動している瀧本哲史氏は、著書『僕は君たちに武器を配りたい』の中で以下のように述べています。

コモディディ化が進む現在の社会では、これまでならば、様々な職場で求められ活躍できたタイプの人種が、どんどん必要とされなくなっていく

(引用元:瀧本哲史著 (2013) ,『僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版』, 講談社. )

コモディティ化とは、テレビなどのように、どこのメーカーでもスペックが同じものがラインナップされ、どれを買うかが最終的に安さのみで決められてしまうような状態のこと。そして人材という領域においてもこのようなコモディティ化が進んでいると、瀧本氏は述べています。

では、このような状況の中でも “生き残ることができる” ビジネスパーソンとは、いったいどのようなタイプの人なのでしょうか。今回はその4つのタイプをご紹介したうえで、私たちが生き残るためにすべきことについて探ります。

1. 物に付加価値をつけることができる人

例えば、一見すると何の変哲もない石が道端にたくさん転がっているとしましょう。ほかの誰もが、そんな石ころ風情に価値なんてあるわけがないと見向きもしないなか、それらを磨きさえすれば世の中の女性みんなが欲しがる美しい石になることに気づいた人がいました。そこでその人は、それらを磨いたうえで高く売るという商売を始めました。もともとは道端に転がっていただけのタダ同然の石ですから、儲けは莫大です。

これが、物に付加価値をつけられる人です。

資本主義の仕組みの中では、安く質の高いもののみが売れます。その結果、すべての商品は基本的に陳腐化し、コモディティ化します。この流れに逆らうことができるのが、物に付加価値をつけられる人なのです。

2. 新しい仕組みを作り出す人

このタイプの人は、アイデアが豊富でイノベーションを起こすことができます。他人が考えつかないようなアイデアを考えつき、ビジネスにつなげられるのです。

またこれは、なにも0から1を生み出すことに限定した話ではありません。既存の技術をその人なりの感性や考え方と組み合わせることによって新しい物を生み出すことに成功した事例は、世界的に見ても数多く存在します。

例えばApple社が販売するiPhoneは、スペック面では日本のガラパゴスケータイ(通称ガラケー)よりも劣っていたといわれています。しかし自分で好きなアプリをインストールして機能を自由にアレンジできるという点やお洒落なデザイン性などが多くのユーザーの心を惹きつけ、爆発的なヒットを実現して今に至っています。まさにイノベーションを起こして新しいモノを生み出した好例ですね。

3. みんなを束ねることができる人

集団のリーダーとなれる人も需要が枯れることはないため、生き残ることができるでしょう。なぜならば、どのビジネスにおいても船頭役のマネージャーは絶対に必要だからです。

また現実に称賛されているリーダーたちは、多くの日本人が思い浮かべるような聖人君子のタイプではありません。むしろ猛烈な理想を掲げて周囲の人間をひとつの目標のもとに束ね、各人にしっかりと結果を出させてあげられるようなタイプであるほうが、傑出した業績を上げることができるようです。日本の企業では、ソフトバンクグループ創業者である孫正義氏や、日産自動車CEOであるカルロス・ゴーン氏がそのタイプといえるでしょう。

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4. 投資家的な視点や発想を持つ人

最後は投資家的視点や発想を持つ人で、瀧本氏はこれが最も重要であると説いています。ではそもそも投資家的な視点・発想とはいったいなんでしょうか。それは、リスクとリターンという考え方を身につけること。そのためには、実際に自己資金を使って投資を始めてみるのもきっかけになり得ます。

例えば、給料の一部を会社の株という形でもらうとか、上場企業であれば勤務先の株を買ってみるのはどうでしょう。これにより、自らはその会社の社員でありながら、同時に株主の立場に立つこともできます。この場合、金銭的に得られるものは少ないかもしれません。しかし、リスクとリターンの関係、業績と株価の関係というものを実際的な感覚として身につけることができます。ここで身につけたセンスは、金銭的なものよりも大きな価値をもつでしょう。

小さなレベルから意識して実践せよ

ここまで、コモディディ化が進む現在の社会で生き残ることができるビジネスパーソンを4つのタイプに分けてご紹介してきました。それでは私たちは、これからどのようにしてこれらの素養を身につけていけばよいのでしょうか。そしてまた現実的にはどんなことを心がけていけばよいのでしょうか。

そもそもこういった素養は、「よし、やろう!」と決意して一朝一夕で身につけられるものではありません。したがって、仮に少しずつでもかまわないので、小さなレベルから意識して継続的に実践していくことが大切になってきます。

例えば、1つ目の「物に付加価値をつけられる人」を考えてみると、安易に周囲に付和雷同してはいけないことがわかりますね。周りのみんながそう思っている、普通に考えればこういう結論になる……。こういった観念はいったん排除し、普段から意識的に少し違った角度から物事を眺めるようにすれば、付加価値を見つけられるかもしれませんよ。

2つ目の「新しい仕組みを作り出す人」に関しては、日ごろから多角的な情報収集を欠かさないことが大切であるといえましょう。新しいアイデアは、これまで地道に積み上げてきた知識や経験の中から生まれるもの。自分が普段取り組んでいる仕事に関連する分野のみならず、時には一見して全く関係のない分野の情報も取り入れることで、新たなアイデアが生まれる契機となるはずです。

そして3つ目の「みんなを束ねることができる人」に関しては、誰も口を開かない会議の場で、これまで考えてはいたけれども発言しなかったことを発言する、といった小さな行為も立派なリーダーシップに該当します。リーダーシップを発揮するのは、今の段階ではどんなに小さな場面でもかまいません。それを積み重ねていくことに価値があるのですから。

そして最後の「投資家的視点」を考えると、自分の給料以上の価値を雇用主に提供しようとする姿勢が挙がります。安直に「今のままで十分」と満足するのではなく、「自分がこの会社に利益をもたらすのだ!」という気概を常に持ち、様々な仕事にチャレンジしていきましょう

*** 小さなレベルのことから自身を変容させていくことが重要です。コモディディ化が進む現代社会を生き残り、人の何倍もの収入を得たいならば、まずはぜひ行動してみましょう!

(参考) 瀧本哲史著(2013),『僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版』, 講談社. 伊賀泰代著(2012),『採用基準』, ダイヤモンド社 日経テクノロジーonline|「iPhone」がもうかる本当の理由 過去の日本企業が実践していた「固定費マネジメント」を取り戻せ Wikipedia|孫正義 Wikipedia|カルロス・ゴーン

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