勉強においても仕事においても、あの人の方がいつも成績が上だとか、もはや遺伝的にあいつにかなうはずがないだとか、色々考えてしまうこと、ありませんか?
他人と自分とを比べてライバル心を燃やす程度であれば、一種のモチベーションとなり良い影響が得られますが、度が過ぎると自己嫌悪に陥ってしまうこともあります。そうなってしまうと、なかなかやる気も出てきませんよね。
年齢を重ねたり、学生から社会人になったり、部署異動したり、昇進したりして、どんどんステップアップしていくと、自分自身の立場が変わるだけでなく、周囲の人々の様相も変わります。成長すればするほど、才能あふれる人たちにどんどん出会うでしょう。そんな時、いちいち他人と自分を比べていては疲弊してしまいますよね。ならば、どのような心構えでいるべきなのでしょうか。
心乱されず、芯を持って前進していくために必要な考え方を紹介します。
その比較はアンフェアだと心得ること
第一に忘れないで欲しいのは、他人と自分を比較する時、とても強いフィルターがかかっているということ。あなたが相手について知っている情報量と、自分について知っている情報量は、全然違います。相手がどういう状況に置かれているのか、どういう過程を経てここまできたのかをよく理解しないまま比較するのは、多くの場合ナンセンスです。
簡単に言えば、長距離選手が20km走ったタイムから50mあたりにかかった時間を計算し、短距離選手の50m走の記録と比較する、というのと同じくらい、意味のないことをしているかもしれないということ。
例えば、同じ本を読んでの読書感想文。ある友人は優秀賞をもらったのに、私は入賞すらしなかった。どうやら彼女と私は、同じく3時間かけて完成させたらしい。彼女の文章を読んでみると、やはり何から何まですごい。そんな状況では、同じ本、同じ時間で、どうしてこんなに差があるのか……と考えてしまうと思います。
でももしかしたら、彼女は今までたくさんの読書感想文を書いてきて、訓練してきたのかもしれない。あるいは、たまたま今回の課題図書が彼女の好きな作家だったのかもしれない。こういう可能性は排除できていないのに、単純に自分の方が劣っていると思ってしまっているのです。
誰しも一番よく知っているのは「自分のこと」です。自分の短所については嫌という程気づかされていると思います。そんな中、私たちは自分の最低と相手の最高を比較してしまいがちなのです。
絶対的な評価を大事に
他人と自分を比較すると、いつも相対評価になってしまいます。他人の出来具合を、自分の評価基準にしてしまうのはNG。前回の試験はAさんよりも良かっただとか、今回はBさんよりも悪かっただとか言っていても、本当のところ自分がどれくらい成長したか分かりません。過去の「自分自身」との比較を忘れないように。
試験の成績に限ったことではありませんが、自分の成果は、きちんと表やチャートを作って軌跡を確認できるようにしてください。テストで何点取った、仕事を何件こなした、といった、数字に表せる評価がなくては、自分がどれぐらい成長しているのかわかりませんし、今後どのようにしていくべきかという明確な計画も立ちません。
自分の目標が何かきちんと把握し、そこに至るまでにはあとどのくらい点数が必要なのか、欠けている分野は何なのかを理解すること。これが一番自分にとって大事なことなのです。
直接成功の理由を聞く
どうしても他人と比較してしまうのならば、ポジティブに、前向きに考え直しましょう。
どうしてあの人は自分よりできるのだろうと思ったなら、直接聞いてみてはどうでしょうか。ちょっと悔しくても、自分の成長のためだと割り切るのが肝心。優秀な人は、あなた自身がまだ気付いていないコツをつかんでいるのかもしれません。
どうしてもこの人の周りにいるとネガティブな思考にしかなれないという相手でしたら、いっそのこと距離を置いてしまってもよいと思います。あの人に負けた、どうしてもかなわない、などとネガティブな思考でいるままでは、なかなか生産性の高いことはできません。あくまでも自分が進歩できる環境を作ることを心がけてください。
他人と自分を比べるというのは、必ずしも悪いことではありません。冒頭にも述べた通り、他人との適度な比較は原動力になり得るからです。しかし、原動力にならないのなら、他人と自分を比べる必要はありません。むしろ比べないほうがよいとさえ言えます。自分の目標は何か、そのためには何が必要かを、第一に考えてくださいね。
(参考) DSST|Am I Where I Need to Be? How to Avoid Comparing Yourself to Your Classmates Trinity WEB|『心理セラピスト』が教える!「隣の芝生」~自分の芝生の質を向上させよう~ Becoming Minimalist|A Helpful Guide to Stop Comparing Yourself to Others