秘訣は "分類" と "無駄の排除" 。『トヨタ式生産性アップ術』は個人でも使える。

みなさんは、段取り良く仕事をこなせていますか?

無駄なく動いて効率よく物事をこなすのはなかなか難しいもの。指示を待っている間に手持無沙汰になってしまったり、場当たり的に仕事をしてしまったりしている方も少なくないはずです。そのせいで計画通りに仕事が進まなかったり、残業が増えてしまうこともあるでしょう。

今よりももっとスマートに仕事を進められたらどんなに良いでしょうか? 生産性の高さで有名なトヨタ社の仕事術なら、そんな願いを叶えてくれるかもしれません。

トヨタ生産方式とは

「1分間に1台のペースで車を生産している」と紹介されるほど高い生産性を誇るトヨタ社。 この生産性の高さを可能にしているのが「リーン生産方式」「ジャスト・イン・タイム方式」とも呼ばれるトヨタの生産方式です。長い年月をかけて構築されたこの生産方式は、現在も「TOYOTA WAY」として世界中に普及しています。

1.「異常が発生したら機械が直ちに停止して、不良品を造らない」ことを理念にした「自働化」 2.「必要なものだけを停滞なく生産する」という「ジャスト・イン・タイム」 この2つの考え方を軸に確立されたものです。

「自働」とは従来手作業で行われた製品の良し悪しの判断を自らが行う装置を備えた機械を指しています。あえて“にんべん”のついた「働」という字を当てて「自動化」ではなく「自働化」としたこの言葉は、機械を管理する作業者の動きを単なる「動き」ではなく「働き」にすることを目指して命名されました。

作業の分類

このように、「動く」ではなく「働く」をモットーにするトヨタ生産方式は、具体的にどのようなものなのでしょうか?

トヨタでは、仕事を3つに分類して考えています。 1.主作業 利益に直結する作業であり、付加価値の源泉です。 例えば、大事なプレゼンに向けて準備をしているとすれば、プレゼンのためにスライドや書類を作成している時間は「主作業」にあたります。これに時間とエネルギーを注ぎながらその他の作業をこなすため、主作業に割く時間を最大化することが大切でしょう。

2.付随作業 付加価値は生まないけれども必要な作業で、主作業のための準備時間です。 先ほどの例に合わせて例えると、プレゼンで使用するスライドや書類を作成するために情報収集などをする時間がこれにあたります。この作業は、なるべく短く済ませることが良しとされており、案件に無関係な情報には目を向けず、効率よく作業をこなすことが大切です。

3.無駄・例外作業 削減すべき作業のことです。 指示を待っている合間のネットサーフィンや内容確認のために上司を探している時間、場合によってはプレゼンに使用するスライドのアニメーションなどを必要以上に整えている時間もこれにあたります。

仕事を分類すると、注力すべき作業がはっきりしていくのです。まずは1日の仕事内容をこの3つに分類し、何が主作業か意識したうえで取り組んでみてはいかがでしょうか? adobestock_118240852

トヨタ流「7つのムダ」

では、“ムダな作業”にあたるのはどのようなものでしょうか?

トヨタの提唱する「7つのムダ」のうち、よく見られるものをご紹介しましょう。 1.手待ちのムダ 指示を待っていたり、依頼した仕事が終わらずに次の作業に進めず、手持無沙汰になってしまう状態を指します。オフィスでは非常に多く見られるタイプの「ムダ」だそう。 指示待ち時間や会議の前など、短時間の暇ができた際に進められる緊急性のない仕事を事前に決めておいたり、仕事を依頼する際に前もって所要時間を逆算したうえで、自分の仕事の進捗に丁度良いタイミングで依頼するなどの工夫で改善することができます。

2.加工のムダ 仕事の完成度と関係のない部分に必要以上に尽力することを指します。 先ほど例に挙げたような、スライドのアニメーションなどがこれにあたります。コンペなどで使用されるようなものや取引先などの社外の人も見るものであればビジュアルも大切になりますが、社内の人間しか見ないような資料であれば凝りすぎても説得力には比例しないので、過度に作りこむ必要はありません。

間違った部分に力を注ぐことでムダな時間となり、「働き」ではなく単なる「動き」となってしまいます。目的をよく確認し、スピードが重視された仕事なのか、質が重視された仕事なのかをはっきりさせてから作業に取り組むことでムダの削減に繋がります。

3.不良・手直しのムダ 廃棄せざるを得ないものを作ったり、修正の必要な仕事をしてしまうことを指します。 担当していた仕事の締め切りが迫り、深夜まで作業をしてようやく完成したと思ったら寝ぼけていたせいで誤字だらけ。せっかく遅くまで働いたのに結局翌朝一から修正せざるを得なくなった、という経験はありませんか? この場合における朝の修正時間は、本来計画的に仕事を進めていれば発生しなかったはずの「ムダ」な時間です。これを発生させないために、計画的に作業を進めるほかに重要視されているのが「やめる」という判断。深夜に作業を続けることを潔くやめて、翌朝早くから出勤して作業をするという選択肢があっても良いのです。

仕事の質に影響を及ぼす可能性がある場合は「やめる」ことが、「不良・手直しのムダ」の削減に繋がります。 この他にも、用事を思い出すたびに席を立ったり、情報収集のために必要以上に遠方まで移動する「運搬のムダ」、必要以上の書類やデータを持つことで整理ができなくなる「在庫のムダ」、整頓ができていないことから生まれる「動作のムダ」、必要以上に作ってしまう「作りすぎのムダ」が提唱されています。

心当たりのある「ムダ」はありませんか? 仕事に着手する際は、まず「作業の分類」から始めてムダを削減し、効率の良いトヨタ式の働き方を意識してみてください。

(参考) 東洋経済ONLINE|できる人が実践する「トヨタ流」段取り術 東洋経済ONLINE|恐るべし!トヨタがあぶり出す「7つのムダ」 日経トレンディネット|「トヨタ式片づけ術」で重要な"7つのムダ”とは? TOYOTA|トヨタ生産方式 トヨタ企業サイト|トヨタ生産方式 PRESIDENT ONLINE|トヨタ式「仕事」を4分類してムダ取り!

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