勉強が嫌いだ……。 継続できない……。
この世の中、そんな人が大半ではないでしょうか。
何かを続けなければいけない、と義務感をもった時。 それが好きで好きでたまらない、なんて人はきっと少数派でしょう。
嫌い、だから続かない、だからできない、するともっと嫌いになる… まさに負のスパイラル。
いったいどうしたらいいのでしょうか。 したくないけど、しなきゃいけない。意志が弱い人の「続けられない」病。
その解決策は、実はたった一つでした。
「習慣」は「欲望」に勝る。
継続するためのたった一つの方法。それは、習慣にしてしまうことです。
こんな実験があります。
ネズミを、レバーを押す行動を強く学習させたグループと、あまり学習させなかったグループの二つに分ける。次に、ネズミに不快感を与える物質を混ぜたエサを用意し、レバーを押すとその不快なエサが出てくるように設置。
レバーを押す行動をあまり学習させなかったグループのネズミは、エサを嫌がってレバーを押さなくなった。しかし、レバーを押す行動を強く学習させたグループは、不快なエサにも関わらずレバーを押し続けた……。
(参考:村上郁也|イラストレクチャー認知神経科学)
そう、ネズミの習慣は、不快なエサを食べたくない、という欲望に打ち勝ってしまったのです。
寝たい、漫画を読みたい、遊びに行きたい。これらは全て欲望。 習慣にしてしまえば、簡単に勝ててしまうのです。
なぜ習慣にできないのか?
習慣が強いことは、わかった。 でも実際に知りたいのは、どう習慣にしていくか、ということですよね。
ではまず最初に、なぜ勉強にしろ、運動にしろ続けられないのかということを説明しましょう。それは、行動した直後に「いいこと」がないから。
私たちがご飯を食べるのを習慣にしているのは、食べればすぐお腹がいっぱいになり気持ちいいからですね。睡眠は、すぐに眠気と疲れが取れて気持ちいいから。風呂は入るだけで汚れを落とせますし、ゲームはやるだけで楽しい。
そう、習慣にできているものというのは全て、行動の直後に「いいこと」が起こっているんですね。でも、勉強や運動は違います。勉強したら、一年後には成績が上がるかもしれない。運動すれば、数ヶ月後にはお腹がくびれてくるかもしれない。
でも、そのすぐ後は疲れるし、退屈だし。「いいこと」がありませんよね。
これが続けられない原因です。人間の脳はせっかちなんですね。
習慣にして続けるためには、とにかく「ごほうび」を!!
一体、継続するためには何をすればいいんでしょう? 続けられない、三日坊主になってしまう。そういう人が長続きするためのコツとは。
簡単です。「いいこと」を自分で作ってしまえばいいんです。 勉強も運動も、すぐ後には「疲れる&退屈」というマイナスの感情がつきまといます。ですからそこにプラスの感情を生んでやればいいだけ。
誰か一緒にチャレンジしてくれる人がいれば、話は簡単です。その人に褒めてもらえばいいのですから。仕事で頑張った時。尊敬する上司からの激励ほど身にしみるものはないでしょう。また頑張ろうという気になれますね。
もし一人でも大丈夫。「ごほうび」というプラス要素を加えることで、継続がグッと楽になります。例えば、社会人が英語の勉強をするなら、一週間毎日英語のリスニングを続けられたら、週末のディナーをレベルアップ、という具合。
ここで注意してほしいのが、「ご褒美は直後に」ということ。少なくとも一週間に一度程度はご褒美を用意しないと、脳はせっかちですから、すぐにやる気を失ってしまいます。勉強をすると、こんなにいいことがある。それを脳に刻み付けるのです。
参考:村上郁也|イラストレクチャー認知神経科学 石田淳|短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント