みなさん、漢字の使い方に自信がありますか? よく知っているものでも「あれ、どっちだったっけ?」と一瞬考えてしまう漢字ありますよね。 文化庁のホームページには間違えやすい異字同訓がまとめられています。今回は、その中から間違えやすそうなものをピックアップしてみました。これを機に自信をつけてしまいましょう。
暖かい・温かい
●暖かい 気候や気温といった体全体で感じるあたたかさ。対義語は寒い。 例)気温が暖かい。暖かい季節。暖かい色。
●温かい 体の一部が直接触れることで感じるあたたかさ。対義語は冷たい。 例)温かいお茶。布団が温かい。温かい心。
両者の違いは曖昧なのでちょっと判断に迷うのですが、そういう時は対義語を考えてみてください。 「あたたかい人だ」という時に、逆に「冷たい人だ」とは言いますが「寒い人だ」とは言いません。そのため漢字で書くと「温かい人だ」と判断できます。
図る・計る・測る・量る
●図る あることが実現するように計画を立てたり努力したりする。 例)便宜を図る。コスト削減を図る。
●計る 時間や数を数える。考える。 例)時間を計る。タイミングを計る。計り知れない。
●測る 長さ、高さ、面積、温度、程度を調べる。推測する。 例)身長を測る。血圧を測る。真意を測りかねる。
●量る 重さ、体積を調べる。推量する。 例)体重を量る。心中を推し量る。
「図る」だけその他3つの意味からややかけ離れていますが、「計る・測る・量る」の3つは似たような意味でまぎらわしいですね。 「時計」「測地」「重量」という熟語で覚えて「計」は時間や数、「測」は地面などの長さや高さや面積、「量」は重さや体積というように覚えておくとわかりやすいのではないでしょうか。
堅い・固い・硬い
●堅い 中身が詰まっていて強い。確かである。対義語はもろい。 例)堅い作り。口が堅い。合格は堅い。
●固い 結びつきが強い。揺るがない。対義語はゆるい。 例)意志が固い。頭が固い。固い友情。
●硬い 外力に対して強い。こわばっている。対義語はやわらかい。 例)態度が硬い。硬い表現。硬い石。
やや難しい印象のある「かたい」の使い分けですが、こちらも対義語を考えてみるとわかりやすくなります。 「口が軽い」に対して「口が重い」という言葉は存在するにもかかわらず、「口が堅い」に対して「口がやわらかい」という言葉がないところが興味深いです。また一般的には「口が軽い」の対義語は「口が堅い」となっているのも面白いです。
超える・越える
●超える ある基準、程度、範囲を上回る。 例)百万円を超える金額。限界を超える。俺はお前を超える。
●越える ある場所、地点、時をすぎてその先に進む。 例)峠を越える。年越し。乗り越える。
イメージとしては、「超える」は比較対象が存在するため関係に優劣をつけることが可能で、不等号で表すことができます。 例えば「実際の金額 > 百万円」や「パフォーマンス > 限界」などです。対して「越える」は物理的に何かが先に進んでいることを表しているため、不等号を使って表せません。
***
普段使っている漢字で間違って用いていたものはありましたか? 手書きにしろパソコンにしろ、日本語を使う以上、漢字の使用は避けては通れない道です。小学生の頃に習ったものをもう一度思い出して、今度こそ記憶に焼きつけましょう。
<参考> 文化庁|「異字同訓」の漢字の用法