みなさんが勉強する部屋には、どんな「色」がありますか? 勉強部屋をつくる時には机や椅子、本棚などに注意がいき、色を意識したことは無いかもしれませんが、実は私たちの脳が何かを記憶したり集中して考える時に色から大きな影響を受けているのです。
数え方や業界によっても異なりますが、色の種類はコンピューター上で16,777,256色! この中から勉強に効く色、厳禁な色をご紹介します。
集中にも沈静にも効果的な「青」
勉強に一番大切なものは集中力と持続力。この両方の力を高めてくれる色があるのをご存知ですか? それは、爽やかな色の代名詞、青です。心理学的には寒色系の色は暖色系よりも3度ほど低く感じるそうなので、気持ちも引き締まりますね。
また、青には気持ちを落ち着かせたり集中させる力もあり、自分を勉強モードにするにはにもってこい。カネボウ美容研究所は青色について以下のような発表をしています。
青の照明下で、被験者は涼しさを感じ、5分以内に皮膚温が2度下がり、脈拍はゆっくりになり、精神集中する時やリラックスする時に出る脳波のアルファー波が増えた
自分の周囲に青を置くだけでα波が出るなんて、なんだかお得。しかしいくら「勉強に集中するには青色が良い」と言っても、青い壁紙、青い机に青い椅子なんて、ちょっと気持ち悪いですよね。そこでオススメしたいのが、青いペンを使っての勉強です。「青いペンを使って勉強すると、頭が良くなるらしい」という説を聞いたことがありますか? 以前「青いペンに黄色いふせん。 心理学から考えるもっとも効果のあがる色のチョイス」でもご紹介していますが、青は心を沈めてくれる上に、普段と違う色で書いていることで印象→記憶に残りやすいそう。 青ペンで書くだけで頭が良くなる? 記憶力がアップする? そんなバカな。しかし、お金がかかる訳でも手間がかかる訳でもありません。単なる都市伝説かもしれませんが、ゲン担ぎの意味も含めて乗っかってみても良いかもしれませんね。
気持ちを盛り上げるなら「黄色・オレンジ」
計画通りにしっかり勉強しよう! と思っても、悪い点数を取ってしまったり友人関係でトラブルがあったり、気持ちがのらない時も多々あります。数日さぼってしまうのはしょうがないですが、それがいつまでも続くのは問題です。 そんな時にオススメなのは、元気が出る色、オレンジや黄色です。 オレンジは見た目通り、太陽のような暖かいエネルギーを与える色で、見ているだけで元気が出てくる色です。また、傷ついた心を癒す力もあるので、「テストが悪くて落ち込んだ」なんていう時に自分自身を元気づけるのにもぴったり。
また黄色は有彩色の中で一番明るい色で、やはり見た人に元気を与えてくれます。落ち込んだ時、やる気が出ない時にはこの二色がパワーを与えてくれそうですね。 ただし、どちらも効果が強い色なので、長時間目に触れていると逆に疲れてしまいます。アクセント程度に取り入れてください。
リラックスなら「茶色・ベージュ」
いくら勉強を頑張ると言っても、何時間もぶっ通しで勉強をしていたら脳も体も疲れてしまいます。そんな時にオススメなのは、リラックス効果の高いベージュやクリーム色。リラックスできる雰囲気のカフェやホテルは、ベージュを基調にしているところが多いですよね。木の机や木の椅子を見ているだけでなんだかゆったりとした気持ちになれるのも、ベージュ効果の一つ。 適度に休憩を入れて脳を休みモードに切り替えることもまた、次の集中に欠かせない作業なので、休む時にはベージュを有効活用してください。
勉強の時に厳禁な色、それは興奮作用が高い赤だった!
さて、最後に「勉強する時に触れてはいけない色」をご紹介します。それは、意外にも赤。赤色に興奮作用があることはよく知られているので、ものすごい集中力を発揮するにはむしろ効果的な感じがしませんか? しかし、赤色と勉強効率を調べた研究は多数あり、どれも「赤はダメ」と結論づけているのです。
ロチェスター大学の心理学者エリオット博士の実験によれば、IQテストの表紙を赤・白・緑の三色にしたところ、赤色でテストを受けたグループの平均点が20%も悪かったそう。また、名古屋大学の八田武志博士が行ったパソコンの枠の色を変えて効率を調べる研究でも、やはり赤色は仕事のパフォーマンスを下げていたことが分かりました。
なぜ赤色が効率を下げてしまうかには色々な説がありますが、赤色は人を興奮させ血圧や脈拍を上げてしまうため、静かに集中が出来ないという説が有力。また、赤は充足感を与える色でもあるので、勉強意欲を奪ってしまう、という説もあります。 昔から「全部が真っ赤な部屋に閉じ込められると、精神状態がおかしくなる」と言われてるように、静かに集中して勉強する環境には不向きな色のようですね。
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いかがでしたか? 日本オラクルという会社には「赤い部屋」「青い部屋」があり、自由に企画やアイデアを出し合いたい時には「赤い部屋」、集中して行いたい予算会議などは「青い部屋」と使い分けて効果を上げているそう。個人ではそこまではできないので、小物やカーテンなどで少しでも色の効果を取り入れてみてください。
なお、集中力を保つ方法については、「勉強に集中する方法まとめ。音楽・場所・食べ物を利用しよう」でも詳しく紹介しています。ぜひご参照ください。
(参考) 色カラー|代表的な色のイメージ効果と色の連想 東洋経済ONLINE|頭がいい人は、なぜ「青ペン」を使うのか? カラーセラピーランド|オレンジの特徴(色の効果と使い方) 色カラー|黄色のイメージ効果と意味!黄色カラーセラピー かべいろ.com|第4回 壁紙で作る効率の良い空間 コミュニケーションスキル上達の道~人間関係マステリー|オフィス環境と部屋の色の影響、赤い部屋と青い部屋の心理的効果

