予測不可能な「VUCA」時代。ビジネスパーソンに求められる4つのマインド

「VUCA」という言葉をご存知ですか? わたしたちが生きている“今”の世界は、「VUCAの時代」と称されているそうです。そして、この言葉が意味するのは“予測不可能な状況”なのだとか。

そんな時代において、ビジネスパーソンに必要なこととはいったい何でしょう。その実態と、ビジネスパーソンの心構えをお伝えします。

「VUCA」とは?

「VUCA(ブーカ)」とは、以下4つの言葉の頭文字をとったものです。現代の経済環境が混沌として予測不可能な状況にあるという、時代認識を表しています。

Volatility(変動性:変化が予測不能のパターンをもつこと) ・Uncertainty(不確実性:問題や出来事の予測がつかないこと) ・Complexity(複雑性:多数の原因や因子が絡み合っていること) ・Ambiguity(曖昧性:出来事の因果関係が不明瞭で前例もないこと)

もともとは、1990年代のアメリカで軍事用語として使われ始めたのだとか。しかし、わたしたちの生きている環境が複雑さを増し続けていることから、2010年代以降は世界の経済界で「VUCAの時代が到来した」といわれるようになりました。

2016年の世界経済フォーラム(通称ダボス会議)でも、「VUCAワールド」というキーワードが盛んに使われたそう。このキーワードは、ITイノベーションの加速によって激変したビジネス環境を、的確に示しているといわれています。

VUCAの時代に必要なリーダーの知恵

VUCAの時代を生き抜かなければならないため、人材論や組織論に注目が集まっているのだとか。そんななか、「まさに視界不良の時代に突入している」と話すグロービス経営大学院学長の堀義人氏は、以下4つのキーワードを用いて、VUCAの時代に必要なリーダーの知恵について説明しています。

1.「Vision」 不透明性が高く、視界不良な時代だからこそ、自らの座標軸、方向感覚、未来の青写真を描くことが重要。自分の立ち位置を知り、どこへ向かうべきかを悟り、明確なビジョンを持つべきである。

2.「Education」 不確実性が高い時代には、自らを教育し続けなければならない。さまざまな情報に触れ、それを解釈し、知恵を持つ人々と議論を重ね、新しいテクノロジーや経営手法を学ぶこと。それを怠れば、時代から取り残される。

3.「Dialogue」 対話を欠くと、社会に断絶・不安定・激動が生じる。特に自分と対極にある職業や地域の人と対話を重ねることが重要。

4.「Action」 複雑性が増している状況だからこそ、確実な行動が重要。動けばヒントを得られ、構造化でき、解決策を見いだせる。逆に、動かなければ何ら問題を解決できず、状況が悪化していくばかりである。

なお、同氏はこの4つのキーワードの頭文字をとり、「VEDA」と名づけています。丁度よくサンスクリット語で「知識・知恵」を意味するそう。

VUCAの時代に結果を出すために大事なポイント

「VUCAの時代は、今までの成功体験が役に立たない」と述べるINA Inc. 代表取締役の稲墻聡一郎氏は、VUCAの時代における大事なポイントとして、次の4つを挙げています。

1.今までと違う「行動」が必要である 2.新たな「選択肢」が必要である 3.異なる視点や視座からの「気づき」が必要である 4.自分の「意識」や「注意」がどこに向いているか知る必要がある

そして、もうひとつ、何をするにも明確な「意図」を持っていることが重要なのだそう。何を目指すのか、その結果を得ることによって、どんな価値が生まれるのかハッキリしていれば、自ずとすべき行動も明確になるはずです。

VUCAの時代におけるビジネスパーソンに必要なこと

そして、前項を踏まえた「VUCAの時代におけるビジネスパーソンに必要な心構え」は次のとおり。

1.【明確な未来像を持つ】 ハッキリとしたビジョンを持つこと。それにより、立ち位置も、視界も鮮明になるはず。

2.【常に対話を心がける】 対話は、自分を取り巻く不安定な要素を軽減する。なぜならば、対話は断絶を防ぎ、リアルに感覚系を刺激し、常に新たな視点を与えてくれるから。

3.【興味をムダにしない】 時代に取り残されないためには、自分を教育することが必要である。その際、自分の興味を活用すると学びがスムーズになるはず。自分の関心をたどって学ぶので、楽しく知識を増やすことができる。それと同時に、自分が焦点を当てていないもの=欠けている部分を把握できる。

4.【恐れずに行動を起こす】 1から3までの実践は、それぞれがもたらすメリットだけではなく、大きな自信を与えてくれるはず。その自信は勇気となり、いままでと違うチャレンジを後押ししてくれる。

*** やはり「VUCA」が注目を浴びていた2014年ASTD(米国人材開発機構)国際大会での、ASTDプレジデント・CEOのTony Bingham氏によるメッセージは「チェンジ」だったといいます。そして、「企業は変革をイベントではなくプロセスとして扱うべき」と強調したそうです。

何が起こるか予測不可能だからこそ、チャンスも数多く訪れるはず。ぜひご紹介した心構えで、そのチャンスをつかみ取ってください!

(参考) 日本経済新聞|「VUCA」時代、リーダーに重要な4つの言葉 Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)|VUCA時代、ビジネスパーソンが「結果」を出すために忘れがちなマインドとは(後編) リクルートマネジメントソリューションズ|世界の人材開発の潮流を読み解く 人材・組織開発の最新記事(コラム・調査など) BizHint HR(人事の悩みにヒントを届けるニュースサイト)|VUCAの意味とは?VUCAな時代に求められるリーダーシップとは? 『日本の人事部』|「VUCA」とは?

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