二流は「やらないこと」を決められない。“コトの断捨離” で時間はいくらでも生み出せる。

「今日は朝からメールを確認して、午前中いっぱいは打ち合わせ。午後は取引先を訪問して、夕方帰社したら夜まで資料作り……」ビジネスパーソンの1日は、このように仕事の予定でいっぱいなことでしょう。それらをすべてこなすだけでも大変ですよね。

しかしながら、「デキるビジネスパーソンになるには、読書や自己研鑽に励みましょう」とよく言われます。仕事だけでもこれほどまでに忙しいのに、いったいどうやって、読書や自己研鑽の時間をとればよいのでしょうか。

今回は、仕事で忙しい毎日の中でも自由な時間を捻出するための、「やるべきことを絞る方法」を紹介します。もしかしたら、あなたはやらなくてもよいことを必死にこなしているだけなのかもしれませんよ。

一流は「やらないこと」を決めている

読書や自己研鑽に取り組むためには、それだけ自由な時間が必要です。では、その時間をどうやって、ひねり出せばよいのでしょうか?

一番の方法はやらないことを決めるというもの。グロービス経営大学院学長で、大学院経営のかたわら投資事業や書籍の執筆など多忙な日々を送る堀義人さんは、タイムマネジメントのコツについて次のように語っています。

「やらないことを決める」。日々の時間管理にはこれがすごく重要だ。僕は会食や接待はしないと決めている。テレビは見ないし、ゴルフもしない。読書はするが、ノンフィクションだけで小説などのフィクションはまったく読まない。長時間通勤もしない。創業してから20年近く、職場から徒歩圏内に住んでいる。

(引用元:日本経済新聞|「やらないこと」を決める 上手な時間管理のコツ)太字は編集部にて施した

やらないことを決めると、使える時間が増えます。例えば、「電車での移動中にスマートフォンを触らない」と決めれば、いつもスマートフォンを触っていた分だけ、読書にあてられる時間は増えますよね。したがって、自己研鑽のための時間を確保でき、能力向上につなげられるのです。

やらないことを決める

「やらないことを決める」にはどうすればよいか

「やらないことを決める」つまり「行動を減らす」ということは、すなわち「本当にやりたいことや自分に必要なことを決める」ということでもあります。自分が本当にすべきことを選択するには、ひとつひとつの行動の目的を考えてみるとよいでしょう。

人材育成コンサルタントの清水久三子さんは、やらないこととやるべきことを決める方法について、次のように述べています。

まずはそもそも何のために行うのかという目的の確認をしましょう。「何のために?」を繰り返すことで、やるべきかどうか判断します。

(引用元:東洋経済ONLINE|成果が出ない人に教えたい「仕事の断捨離」)太字は編集部にて施した

例えば、仕事の合間の休憩が必要かどうかについて、考えてみましょう。脳のリフレッシュのために短時間の休憩をとるならば、より仕事に集中できるようになりますから、必要だと言えますね。しかし、同僚と話し込んだりコンビニに行ったりして頻繁に休憩時間が長くなるなら、いくらリフレッシュ目的とはいえ仕事の進捗に悪影響を与えるはず。結果的に仕事が進まず、退社時間も遅くなり、自分の自由な時間まで減ってしまうわけですから、長時間休憩する必要性は薄れます。

このように、ひとつひとつの行動の目的を考えれば、無駄な行動がきっと見つかるはずですよ。

悪習慣を別の習慣に置き換える

無駄な悪習慣がやめられないなら、他の習慣に置き換えよう

こうして無駄な行動を見つけ、「やらないぞ!」と決めたとしても、なかなかやめられない行動もあるかもしれません。例えば、仕事中のSNSチェック、昼休みにマンガを読むなど、楽しいけれど本当はやめるべき“悪習慣”ともいえるような行動です。

こうした悪習慣は、「if then planning」を利用して断ち切るとよいでしょう。「if then planning」とは「もし○○なら~する」というように行動の条件を決めるというもの。これを利用すると、悪習慣から他の良い習慣へ移行しやすくなるのです。

社会心理学者のハイディ・グラント・ハルバーソン著、『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』には、次のように書かれているそう。

心理学の見地によれば、脳は「XならY」という文章を記憶しやすく、無意識のうちにその式に従って行動することができるようになると著者は述べる。つまり、自分自身を実行に向かわせやすく、そして行動を習慣化させやすいのだ。

(引用元:Business Journal|「if-then」プランニングがあなたの目標達成を近づける――目標を達成するための9つの習慣)太字は編集部にて施した

例えば「移動時間にスマホゲームをしてしまう」ことをやめたいのなら、「移動時間になったら情報収集のアプリを開く」と決めておくとよいのです。さらに、情報収集のアプリを画面上の開きやすい場所に配置し、ゲームのアプリを開きにくい場所に配置することで、より悪習慣を断ち切りやすくなりますよ。その情報収集によって、自らの学びを強く意識した情報を得るようにすれば、知識レベルアップに貢献できるでしょう。

本を選ぶためにすること

「本当に読むべき本」を選ぶには

やらないことを決め、悪習慣を断ち切り、自由な時間を手にすることができたなら、その時間は良書を読み有意義に過ごしたいもの。しかしながら、ビジネス書は1年間に約6,000冊も刊行されています。1日1冊読んだとしても、1年間に読める冊数は、1年間の新刊冊数には遠く及びません。過去の本も含め、世の中に無数にあるビジネス書の中から、いったいどのように読むべき本を選べばよいのでしょうか?

資生堂名誉会長で財界きっての読書家として知られる福原義春さんは、良書に出合うには「書友」に頼るといいと言います。

良書を探してくれる「書友」を持つことがいいのではないだろうか。それぞれの世界で活躍している人から、その人が面白く読んだ本をちょっと聞き出すことに意味がある。 たとえば、流通業界なら誰、金融業界なら誰と心に決めて、「ところで、面白い本を読みましたか?」と聞く。もっと異業種の人なら、自分の関心の範囲を超えてそこから思いがけない本の世界が広がってくるはずだ。

(引用元:東洋経済ONLINE|経済界きっての読書家が教える「本の選び方」)太字は編集部にて施した

尊敬する上司や憧れの著名人が、実際に読み参考にしている本は、「彼ら自身を作った本」だと言えるでしょう。そうした本を読めば、彼らの行動や考えの原点が学べるはず。良書に出合える確率は高いと言えます。また、尊敬する人が読んでいる一冊だと考えるだけでも、読むモチベーションが上がりそうですね。

「書友」をつくる

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私たちに与えられた時間は有限であり、かつ万人に平等です。そのため、時間をどれだけ上手にやりくりできるかが、私たちの成功を左右します。みなさんの「やるべき行動の取捨選択」と「時間のコントロール」に、今回の記事がお役に立てると嬉しいです。

(参考)
日本経済新聞|「やらないこと」を決める 上手な時間管理のコツ
東洋経済オンライン|成果が出ない人に教えたい「仕事の断捨離」
Business Journal|「if-then」プランニングがあなたの目標達成を近づける――目標を達成するための9つの習慣
ITmediaエンタープライズ|任天堂は「やらないこと」で目標を達成した
THE21 ONLINE|まずはメールチェックの時間を決めよう
プレジデントオンライン|成功の秘訣「やらない」「断る」「捨てる」
東洋経済オンライン|経済界きっての読書家が教える「本の選び方」

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