みなさんは、朝型の生活と夜型の生活、どちらが自分に合っていると思いますか?
ここ数年、注目を浴び続けている活動に「朝活」がありますよね。でも、夜型の人にとっては、朝活のために早朝に起きるのはかなりつらいはず。
じつは、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所部長の三島和夫氏によれば、朝・夜のどちらが得意かというのは、遺伝によって約50%は決まっているのだそう。そこで今回は、「朝活が合わない」と感じる人におすすめしたい「夜活」の方法についてお伝えします。
「夜型より朝型の方が優れている」は本当か?
「『朝型』は『夜型』よりも能力が高く優れている」と巷では言われがちですが、実際にそうだと断言できるのでしょうか。
英国で43万人を対象に行われた6年半の研究調査によれば、「夜型」の人は朝型の人より死亡リスクが10%も高く、その理由は自分の生活を無理に朝型に合わせているからなのだそう。
この状況を考慮すると、朝型の人の能力が高い傾向にあるのは、生活リズムが学校や職場のリズムに合っているからだと推測することができます。もちろん、朝型の人の中には、実際に処理能力が高い方もいらっしゃるでしょう。だからと言って、夜型の人は能力が低いとは、一概には言えないようです。
夜型のメリット
決して朝型ではなくとも、夜型でいることにもメリットがあります。
例えば、静かな時間を確保できるという点が挙げられるでしょう。朝はたくさんのメールや電話、SNSの投稿に煩わされることがあるかもしれません。しかし、夜はそれらも落ち着くため、朝に比べて集中できる時間を得られるのです。
また、夜型の人は創造力が高い傾向にあるというミラン大学の研究結果もあります。先ほど、朝型の人は夜型の人よりも優れているのかということについて考察しましたが、高い創造力を活かして仕事でアイデアを出す場合には、夜型の人はきっと活躍できるはずです。
夜の時間を有効活用してみた
これまで何度か朝活を試してきた夜型の筆者ですが、正直なところ、やはり朝よりも夜のほうが活動しやすいと感じていました。そこで、朝活から「夜活」へとシフトすることに決め、実際に試してみることにしました。
1. 勉強 日々の時間を関心のある分野の勉強に使いたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
夜活であれば、終業直後のほどよい緊張状態を維持しながら、集中して勉強することが可能です。また、寝る前の学習は記憶が脳に定着しやすいことがわかっており、夜は勉強するのにうってつけの時間であると言えるでしょう。
夜型の人は、朝にまだ頭が働いていないなかで勉強を始めたとしてもなかなか捗らないことが多いはず。筆者も、大学から帰宅し家事をすべて終えてから寝るまでの数時間で自分の勉強をするほうが、朝に早起きして勉強していたときよりも集中できたように感じられました。
2. 運動 夜中にウォーキングを行うのは危険が伴うためオススメしませんが、自宅での簡単な運動であれば、夜でも充分続けられます。例えば、ストレッチなどはいかがでしょうか。
寝る前のストレッチは、快眠を誘うのに役立ちます。例えば、仲野整體東京青山院長である仲野孝明氏は、デスクワークが多い人向けに胸や肩をほぐす「バルーンストレッチ」をすすめています。ステップは以下の通りです。
(1)座って背中をまっすぐ伸ばし、両腕を、指先を伸ばして下に向ける。 (2)手のひらを外に向けて両腕を広げ、息を吸いながら後ろに引く。 (3)肩甲骨を寄せて胸をできる限り開いたら、息を止めて3秒ほど同じ姿勢を保つ。 (4)息を吐きながら両腕をもとに戻す。
夜活をしているとせっかくの睡眠時間が無駄になってしまうのではないか、と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、筆者がこのストレッチを実践してみたところ、夜活のあとも疲れを残さずぐっすり眠ることができました。
*** 夜活では、読書などの趣味の時間に充ててみたり、お風呂にゆっくり浸かって1日を振り返ってみたりすることで、有意義な時間を過ごすことができるはずです。
これまで夜型だった人も、「朝型にならなければ……」と無理に朝活を続ける必要はありません。ぜひ自分に合った生活スタイルを当てはめてみてください。
(参考) AFPBB News|夜型人間、無理して朝型の生活をすることで死亡リスク上昇の可能性 DIAMOND online|「夜型人間」が無理して「朝活」するのは逆効果 PHP Online衆知|「夜活」しよう! ~自分が変わる「夜活」革命~ 日経Gooday|就寝前の実践でぐっすり眠れる! わずか5分の快眠ストレッチ Inc.|11 Scientifically Proven Reasons Why Night Owls Get More Done STUDY HACKER|夜型ってほんとにだめ? 朝型ばかりもてはやされるから、夜型人間のメリットをあげてみた。