「出世に近い人」のコミュニケーションの特徴3つ。“〇〇しない” が意外と大事だった

出世している人が意外とやらない3つのこと01

「同僚によく声をかけていたら、なぜか避けられるようになってしまった」
「よかれと思って上司へ意見を言ったものの、けげんな顔をされてしまった」
積極的にコミュニケーションをとれば評価や出世につながると思っていたのに、逆に職場での信頼を失ったように感じた経験はありませんか?

じつは意外にも、出世するためには「やらないほうがよいコミュニケーション」もあるようです。専門家の知見をふまえながらご説明しましょう。

【1】同僚と「親しくしすぎない」

「出世できる人は、まわりから慕われている。じゃあ自分も職場のみんなと仲よくならなければ!」と、用事もないのに同僚や後輩へやたらに話しかけていませんか? その近すぎる距離感は、むしろ逆効果。出世できる人は「パーソナルスペース」に配慮して、相手に近づきすぎないように心がけています。

メンタルトレーナーの木下空氏によると、パーソナルスペースとは「きわめて個人的な心の領域」のこと。人には、他人に入ってこられると嫌悪感や違和感をもつような自分だけの範囲があるものなのだそう。ここで気をつけるべきは、物理的な距離ではなく心理的な距離です。

適切な心理的距離を保つことがコミュニケーションの基本である、と木下氏。相手にとって心地よいちょうどいい距離感を保つと、相手を尊重することにつながり、だんだんと信頼関係を深められると言います。

逆に、たとえ自分に悪気がなかった場合でも、「パーソナルスペースの内側に他人が侵入してきた」と相手に感じさせるような行為をすると、恐怖や圧迫感、違和感を与えることにつながるそう。

たとえば、「仕事仲間と積極的に打ち解けることが、信頼を得る唯一のカギだ!」などと誤解するあまり、同僚の個人的な話をしつこく聞き出そうとしたり、必要以上に後輩との会話を求めたりする行為。相手のパーソナルスペースに侵入してしまうことになりかねず、知らず知らずのうちに嫌悪感を抱かせてしまう可能性があります。その相手とそこまで親しくない場合ならなおさら。これでは、信頼を得るどころではありません。

ペンシルバニア大学教育大学院シニアフェローで、米国政府機関のアドバイザーでもあるアニー・マッキー氏は、こう語ります。

同僚や上司と情報を共有するときは、誰かれ構わずしてはいけません。もし職場で上手くやっていきたいなら、同僚の気持ちを正確に読みとり理解する方法を学びましょう。そうすれば同僚の信頼度に合わせて情報をシェアし、バランスの良い関係を築くことができます。

(引用元:Business Insider Japan|職場の友人と距離を持つべき理由、動画テロップより引用)

仕事はチームで進めていくものである以上、同じ目標をもつ人と仲よくすることは大切です。しかしマッキー氏は、相手と親しくなりすぎないことも重要だと述べます。

「家庭事情や身体的な悩みなどの個人的な話題は、相手から共有されない限り避ける」といったように、仕事相手のパーソナルスペースを侵害しない適切な距離感を意識しましょう。その姿勢が、ゆくゆくは信頼や評価につながるはずです。

出世している人が意外とやらない3つのこと02

【2】苦手な上司とは「1対1で会話をしない」

たとえば、自分のミスでプロジェクトが滞ってしまったとき。ミスの原因や対策について、苦手な上司と腹を割って話すのは、必要とは言えハードルが高く感じることもあるでしょう。こんなとき、出世できる人は、上司とはできるだけ1対1で会話をしないようです。

ビジネスコミュニケーションについての著書があるコンサルタントの安達裕哉氏によると、苦手な上司と話す際は、互いが信頼できる第三者を仲介役として挟むとよいのだとか。

「ちゃんと話せばわかり合えるはず」と正攻法で話すことが得策とは限りません。上司が日頃からかわいがっていて、かつ自分も親しくなれそうな第三者にあいだに入ってもらうと、うまく話し合えるそう。そうすれば、苦手な上司とも向かい合いやすくなるほか、自分の印象が第三者のいい印象を通じて上司へ伝わるのです。

安達氏は、苦手な相手ばかりに焦点を当てるのではなく、その周辺の人にも目を向けることが、よい関係を保つためのひとつの手だと伝えています。

ぜひ無理のない範囲で「このあいだのミスのことで上司の〇〇さんに相談したいのですが、少し心配なので××さんも同席していただけませんか?」とお願いしてみましょう。苦手な上司との関係を崩さずにすみ、仲介してくれた人の顔も立てられるので、信頼を得て出世に一歩近づくことができるかもしれません。

出世している人が意外とやらない3つのこと03

【3】上司に嫌われていると「勝手に思い込まない」

仕事でミスをすると、「きっと上司に嫌われただろうから、出世はもう無理だな……」と希望を失うこともあるかもしれません。しかし、出世する人は、上司の顔色を気にしすぎることはないものです。

安達氏によれば、上司に嫌われているかもしれないという心配は「十中八九勘違い」だそう。というのも、仕事を多く抱える上司に、部下の失敗をひとつひとつ引きずっていられるほどの暇はないからです。

にもかかわらず「上司がそっけない。嫌われているから、評価してもらおうとしても無駄だ」と気に病み、いつまでもぎごちない態度をとり続けていると、上司からはむしろ不審に思われてしまうとのこと。このままだと関係は悪化する一方です。

こういった状態を解消する方法はシンプル。心配に思っていることについて、上司に素直に聞けばいいと、安達氏は伝えています。「先日のミスのことで、〇〇さんに不快な思いをさせてしまったのではないかと心配しているのですが……」などと聞いてみて、「いや、そんなことはないよ」という答えがあれば誤解を解けますし、上司の意外な本音を聞ける可能性も。

また、上司が不機嫌そうに見える理由は、体調不良や自分とは無関係な仕事の悩みなど、別の理由によると考えるのも一手とのことです。

チーム運営に詳しい心理学者のリアン・デイビー氏は、気まずいと感じる上司との関係をよくしたいなら、以下の方法を試すといいと述べます。

  • 話題は仕事関連のみとし、上司が仕事で何を重視しているかを会話から探る
  • 上司とは向かい合わず、横並びで会話をする
  • アイコンタクトのやり方を上司に合わせる(例:目を合わせることを避ける上司とは、無理に目を合わせない)

デイビー氏は、自分のことを嫌っていそうに見える上司が単に社交下手なだけかもしれないので、深刻に考えすぎるより、上司との前向きな関係構築に努めるほうがいいと言います。能力面でも人柄面でも信頼を得て、評価につなげていきましょう。

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コミュニケーション能力も使いよう。今回ご紹介した方法を、ぜひご自身の出世にお役立てください。

(参考)
木下空公式ブログ|プロが教える『人との距離感』で失敗しないための4つの方法
Business Insider Japan|職場の友人と距離を持つべき理由
Precious.jp|出世する人は絶対にやらない!「上司との関係に悩んだとき」のNG対応5選
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|自分は上司に嫌われていると感じたらどう対処すべきか

【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。

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