【外出自粛】「家での勉強」を捗らせる3つの工夫。まずは “部屋着” から着替えて

自宅で効率良く勉強する方法01

「スマートフォンやテレビの誘惑に負けて、家だとなかなか勉強できない......」
「集中しようとしても、休み気分でついついダラけてしまう......」
こういった悩みを抱える学生や社会人の方は多いのではないでしょうか?

カフェなどに行き、気分をリラックスさせた状態で勉強してみるのもひとつの手でしょう。しかし今回は、どうすれば自宅で効率よく勉強できるようになるのかに焦点を置いて、すぐにでも実践できる簡単な改善策を3つお教えします。

1. 家で勉強するときは「着替える」

試験前などで勉強をするとき、「今日はきっと外に出ないだろう」という理由から部屋着のまま勉強を始めてしまうと、効率よく勉強が進まないことがあります。その理由は、服はその人の思考に影響を及ぼす可能性があるから。

18、19世紀のヨーロッパにその覇権を握ったナポレオン=ボナパルトは、人の思考と服装の関係についてこう述べたと云われています。

「人は制服通りの人間になる」

(引用元:政近準子 (2013),『一流の男の勝てる服 二流の男の負ける服』, かんき出版.)

服装が人の思考を支配していることを説いた彼の言葉は、現代にも通じるものがあります。コロンビア・ビジネス・スクールで、経営論やリーダーシップ論を研究しているアダム・ガリンスキー氏は、2012年に "enclothed cognition" と呼ばれる理論を提唱しました。この理論は、服装によって着用者の思考に起こりうる心理学的影響を指し示しています。

ガリンスキー氏の実験では、被験者は事前に「医者の」白衣と「芸術家の」白衣を着ることを告げられ、それぞれの白衣を着たうえで注意力と慎重さを測定しました。その結果、「医者の」白衣を着たときのほうが、これらの数値が高かったのだそう。

医者と言えば、注意力や慎重さがおおいに求められる職業ですよね。つまり、被験者の「自分は医者の白衣を着ている」という認識が、実際の注意力や慎重さにも影響を及ぼしたのです。

勉強をする際も、部屋着のままだと、部屋着に「リラックスできる服装」という認識がある限り、途中で寝てしまうなど勉強に身が入らなくなる恐れがあります。集中力を高めたいのならば、部屋着から着替えたほうがよいでしょう。

着替えるのは勉強時の意識を変えるためなので、スーツなどフォーマルな服を着る必要はありません。普段誰かと外で会うときに着ているような「自宅モードから脱出できる服」を選び、気持ちを切り替えたうえで勉強を始めましょう。

自宅で効率良く勉強する方法02

2. 学習環境を整える

みなさんは、勉強しやすい環境を家の中でつくることができているでしょうか。ポイントを2つ紹介しましょう。

【条件1】机の位置

まずは、机をどこに設置するかについて見ていきましょう。

多くの人が、机を壁にくっつけて勉強しているのではないでしょうか。しかし、この設置方法は、「閉塞感・圧迫感を生み出してしまう」というデメリットを持ち合わせています。

整理整頓術などのカテゴリーでのベストセラー作家カレン・キングストン氏によれば、「壁のように人に立ちはだかる印象を与えるものは、人間の思考を押しつぶしてしまう」のだそう。反対に、壁ではなく入り口や窓に自分が向いていると、多幸感を与えるオキシトシンというホルモンが分泌されるとのこと。

勉強時には机を、入り口や窓など開けた方向へ向けるようにしてみましょう。そうすれば、きっと気持ちよく勉強に取り組むことができるはずです。

【条件2】姿勢

姿勢と勉強の相関性は、日本では1900年代中葉から提唱されてはいましたが、実際のところ科学的なものではありませんでした。それが2005年以降、アメリカのフロリダ州立大学の研究によって科学的な裏づけが成されてきました。

この研究によれば、よい姿勢を取り続けることは自伝的記憶(自身の経験した出来事に関する記憶)を向上させることにつながるとのこと。姿勢と記憶力がよい相関関係にあることがわかったのです。つまり、家でもよい姿勢で勉強を行なうことで、以前勉強した内容を「思い出す力」を活発化させられることが期待できます。

さらに、コーネル大学人間工学科教授のアラン・ヘッジ氏は、人間の姿勢はデスクの上のどこに手を置くかで決まると述べています。そして、人が作業しやすい理想的な姿勢は、90°より少し背もたれに寄りかかった100〜110°程度なのだとか。これはちょうど、運転時にハンドルを握り、アクセルを踏んでいる状態に似た姿勢です。この姿勢を保つことで、足部を伸ばしやすくなるために血流が良くなり、長時間の集中が可能になるそう。

よい姿勢を保ち続けるだけでも、みなさんの勉強は捗るのです。

自宅で効率良く勉強する方法03

3. 時間を区切る

試験勉強の際に集中力がなかなか続かず、結局ダラダラと教科書やノートを眺めただけで時間が過ぎてしまったという体験をしたことはありませんか。そこで有効な解決策が、ポモドーロ・テクニックです。これは、今から30年以上も前に、当時イタリアで大学生だったフランチェスコ・シリロという人物が開発しました。

当時、間近に迫った試験のために本を3冊も読まなくてはいけなかったシリロ氏は、焦りからか、どうしても集中力が切れてしまいました。そこで、偶然目に入ったトマト(イタリア語で「ポモドーロ」)の形のキッチンタイマーを使い、時間を区切り、短い時間で達成できる目標を決めた勉強法を行なったところ、勉強効率が格段に向上したのだとか。具体的には、「30分を1セットとして、25分を全力で勉強に費やし、残りの5分を休憩に充てた」とのこと。

自宅で効率良く勉強する方法04

マサチューセッツ工科大学のロバート・C・ミラー氏らは、この30分1セットのポモドーロ・テクニックを取り入れたコンピュータープログラミングに関するペアワークの実験調査を行ないました。この実験は、ひとりの生徒が作業を行なっている間、もうひとりの生徒が助言を行ない、それを再度異なる生徒と繰り返していくというものでした。

すると、短い時間スパンで作業を行なったことで、長時間同じ作業をしたときの疲労感をあまり感じることなく集中力が続いたという結果が得られ、能率が上がることが示唆されました。

ポモドーロ・テクニックを実践する際の時間の区切り方は、人それぞれです。まずは30分1セットで行なってみて、どれだけ自分の集中力が続くかを知ることから始めましょう。

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誘惑の多い家での勉強ですが、環境や姿勢、時間の使い方に工夫を加えることで、勉強効率アップの手助けになり得ます。家での勉強が捗らずに困っている方、ご紹介した勉強法をぜひ試してみてはいかがでしょうか?

(参考)
政近準子 (2013),『一流の男の勝てる服 二流の男の負ける服』, かんき出版.
Adam D. Galinsky, Hajo Adam (2012), "Enclothed Cognition", Journal of Experimental Social Psychology, Vol. 48, Issue 4, pp.918-925.
Katinka Dijkstra, Barbara Kaup (2005), "Mechanisms of Autobiographical Memory Retrieval in Younger and Older Adults", Memory & Cognition, Vol. 33, No. 5, pp.811-820.
Business Insider Australia|You've been sitting at your desk all wrong
メンタリストDaiGo (2016), 『自分を操る超集中力』, かんき出版.
Francesco Cirillo (2006), The Pomodoro Technique (The Pomodoro), FC Garage GmbH.
Robert C. Miller, Haoqi Zhang, etc. (2014), "Pair Research: Matching People for Collaboration, Learning, and Productivity", Proceedings of the 17th ACM Conference on Computer Supported Cooperative Work & Social Computing.

【ライタープロフィール】
YG
都内大学に在籍中。専攻は国際日本学と言語学。デザイン研究や社会学等にも興味あり。趣味は文筆、読書、語学。好きな作家は安部公房。好きな芸人はラーメンズ。

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