「仕事が速い人」はこれをしている。コンサルタントらに学ぶ、効率アップのための3つの方法。

仕事をしているビジネスパーソン

「もっと仕事の生産性を高めたい」「より効率的に働きたい」と望み、巷にあふれるビジネススキルを試しているが、いまひとつ仕事が速くなった気がしない……。そんなお悩みを抱えていませんか? 効果が感じられないのは、あなたに合った方法に出会っていないからかもしれません。

そんな方のために、「仕事が速い」と言われる人たちが大切にしている意外な習慣を、筆者の実践例と感想も交えつつご紹介します。「こんなやり方もあったんだ!」と気づいたら、ぜひお試しを。仕事をスムーズに進めるきっかけをつかめるはずです。

【ライタープロフィール】
上川万葉
法学部を卒業後、大学院でヨーロッパ近現代史を研究。ドイツ語・チェコ語の学習経験がある。司書と学芸員の資格をもち、大学図書館で10年以上勤務した。特にリサーチや書籍紹介を得意としており、勉強法や働き方にまつわる記事を多く執筆している

1. 「余白を残して大まかにメモをとること」を大事にしている

仕事のできる人が、手書きのメモを活用していることはよく知られています。仕事のスキルアップに興味をおもちの方なら、すでに実践しているかもしれませんね。それでももし「メモをとっているのに仕事が速くなった気がしない……」とお悩みなら、メモの取り方を少し見直してみては?

仕事が速い人のメモの取り方には共通点があります。それは、ひらめいたアイデアを書くための余白を残して、大まかに見やすくメモをとっていること。

大手コンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニー勤務を経て、現在エグゼクティブコーチとして活躍する大嶋祥誉氏は、優秀な人が余白を残してメモをとる理由を「余白によって思考を深めることができるから」だと説明しています。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|仕事が速い人は「手で書いている」。マッキンゼー流・仕事のスピードアップ習慣)余白を残したメモ書きは、特にアイデアを得たいときに効果的なのだとか。

たしかに、スキマなくメモを書き込んでしまうと、あとからふといい案が浮かんでも、書き加えることができませんよね。スペースが残されていればすぐに書き留められるので、一瞬のひらめきをムダにせずに済むというわけです。

そこで筆者も、余白を残したメモを使ったアイデア出しを実践してみました。テーマは筆者自身の悩みである「在宅ワークのパフォーマンスを上げるアイデア」です。下記のポイントをふまえてメモを書き進めます。

  • キーワードを書く
  • キーワードどうしのあいだに余白を残す
  • メモを眺めてひらめいたことを書き加える

(参考:同上)

最初に、思いついたキーワードを十分な余白を残しつつ書き出します。

思いついたキーワードを十分な余白を残しつつ書き出した様子

続いて、各キーワードを眺めて思いついた「悩み」と「解決法」を、余白に書き込みます。

各キーワードを眺めて思いついた「悩み」と「解決法」を、余白に書き込んだ様子

最後に、アンダーラインやさらに気付いた点を追加してできあがり。

アンダーラインやさらに気付いた点を追加した様子

初めは余白をとりすぎたかと心配になりましたが、書きたいことが浮かぶたびにちょこちょこメモしていくと、ほどよい具合に埋まりました。やってみて最も効果を実感したのは、ふたつめの「効率的なタイムマネジメントを行なう」の項目です。

仕事では集中力が切れるタイミングがいつ訪れるかわからないため、疲れを感じたらすぐ休む。いいアイデアが浮かばないときにはダラダラ考えず、時間を区切って少し体を動かしてみる……など。新しいアイデアを生むことができましたよ。

もしも文字をびっしり書くクセがあるなら、余白を意識しながらメモをとるよう改善してみては? 書きながら思考が深まり、新鮮なインスピレーションが湧いてくるかもしれません。

2. 「自分なりのルーティン」を大事にしている

仕事が速い人には、自分なりのルーティンをもっているという特徴があります。たとえば、朝の日課、タスクの優先順位、集中力を高める方法、スキマ時間の使い方など……。自分で決めたルーティンをもつことで、いちいち考えずともすぐに行動できるため、仕事がはかどるというわけです。

『その仕事1秒で終わります! 神速パソコン仕事術見るだけノート』の著者であり、多くの企業でアドバイザーを務める岡田充弘氏は、仕事を楽にするために自分なりの「スタイルやパターン」をもつことをすすめています。たとえば以下のポイントを参考に、仕事のルーティンづくりをしてみてはいかがでしょう。

  1. 取り掛かる仕事の順番を決める
    (例)
    スケジュールの確認→優先順位の高いドキュメントを作成→ミーティングの準備作業……
  2. 時間帯によって仕事内容を決める
    (例)
    午前:重要な報告書や文書の作成・営業のアポイントを取る
    午後:雑務処理・外出
  3. 曜日や月度によって取り組む仕事や課題を決める
    (例)
    月:メール処理・負担の少ない仕事
    火~水:重要な仕事・会議
    木:事務作業・デスク周りの整理
    金:翌週の準備・仕事の依頼

(カギカッコ内引用元:PRESIDENT WOMAN|チャットが届くたびに対応する人は仕事ができない…"仕事が速い人"が1日3回しか確認しない理由

やることはいつも同じなのに出社するたび仕事の段取りを考えるのは、悩む時間がムダですよね。担当している業務内容や一週間のコンディションに合わせてルーティンを決めてしまえば、あとは実行するのみです。

また自律神経研究の専門家、小林弘幸氏によれば、自律神経の調査で「木曜日に一番数値が悪くなる」ため、「肉体的にも精神的にもコンディションが落ちてくる」そう。(カギカッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|自律神経の名医が勧める「帰宅と着替えの間」の習慣、簡単だけど心も体も整う

一週間のうちもっとも疲れて集中できない木曜日に、わざわざ思考力を要する重いタスクを入れれば、ミスが発生しやすくなるでしょう。そんな日には、前述の例のように労力の少ない単純作業や雑務を割り当てるとストレスが軽減できるのではないでしょうか。「要領が悪くて仕事がなかなか終わらない……」とお悩みなら、自分がスムーズに働けるようなルーティンを考えてみるのもおすすめですよ。

「ROUTINE」と書かれたブロック

3. 「睡眠」を大事にしている

「仕事を進めるために、睡眠時間を削って頑張ろう!」こう考える方も少なくないのではないでしょうか。しかし睡眠不足に陥れば、仕事のパフォーマンスが下がり、健康を損なう……などデメリットばかりです。

現に仕事が速い人ほど睡眠時間を大切にしているもの。『入社1年目から差がついていた!ー行動が早い人の仕事と生活の習慣 』の著者で戦略的PRコンサルタントの野呂エイシロウ氏は、睡眠を重視する理由を次のように述べています。

睡眠が重要であるのは、疲労解消はもちろんですが、頭のなかの情報を整理してくれる働きがあるからです。だからこそ、しっかりと眠るとすっきりとした頭で朝からフルスロットルで働ける。

(引用元:マイナビニュース|仕事が早くて「生産性を上げられる人」の習慣 /放送作家、戦略的PRコンサルタント・野呂エイシロウ

野呂氏いわく、「長期にわたって生産性を高めて成果を挙げ続けるには、つねにベストコンディションを保つ必要」があるそう。ゆえに、「睡眠時間を先に確保してスケジュールを立てる習慣」を身につけることが、「ビジネスにおける大切な戦略」になるのだとか。(カギカッコ内引用元:同上)

野呂氏のような仕事の速い人は、「高い生産性を維持するためにはしっかり寝ることが欠かせない」と実感しているため、十分な睡眠時間を確実にとれるようなスケジュールを組んでいるわけです。では、睡眠時間を先に確保してウィークデーのスケジュールを立てるとどうなるでしょうか。以下の条件を想定して実際に組んでみました。

【条件】

睡眠時間:8時間
勤務時間:8時間
通勤時間:1時間
残業時間:1時間

  • 午後11:00~午前7:00→ 就寝
  • 午前7:00~午前8:00→ 起床・朝食・朝の身支度
  • 午前8:00→ 家を出る
  • 午前9:00→ 出勤
  • 午後0:00~午後1:00→ 昼食
  • 午後7:00→ 退勤
  • 午後8:00~午後9:30→ 帰宅・入浴・夕食
  • 午後9:30~午後11:00→ プライベートな時間

睡眠時間を確保してからスケジュールを立ててみて改めて気づいたのは、1日のうち活動可能な時間には限りがあること。だからこそ、その時間内になにができるか真剣に考えるようになりました。

「仕事が終わらなければ睡眠時間を削ればいい」と思いながら、疲れた体にムチ打ってダラダラと働くのと、十分な睡眠で元気を回復し集中力を発揮して働くのでは、仕事のスピードがグッと変わるはず。「睡眠時間を減らして頑張っているのに、一向に仕事が速くならない……」なら、試す価値のある方法ですよ。

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余白を残しながらメモをとり、自分なりのルーティンをもち、十分な睡眠時間を確保する……こうした意外なことの積み重ねで、あなたも仕事の速い人に近づけるはずです。

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