優柔不断な自分を変えるための「10のしないこと」。“デスクの片づけ” が第一歩!?

優柔不断な自分を変えるための「10のしないこと」01

「頼まれごとを引き受けるか迷っていたら、ズルズルと任されてしまった」
「新しいプロジェクトに誘われたけれど、参加する決心ができない」

このように、優柔不断は仕事に悪い影響を及ぼすことがあります。みなさんのなかには、優柔不断なせいでチャンスを逃した経験がある人もいるかもしれませんね。

そこで、優柔不断な自分を少しずつ変えるための「10のしないこと」を紹介します。

優柔不断=心の弱さではない

「優柔不断は性格の問題、心の弱さのせいだ」と考える人もいることでしょう。しかし、脳科学者の中野信子氏は、コロンビア大学ビジネススクールの教授シーナ・アイエンガー氏が行なったある実験を理由に、それを否定します。

実験は、スーパーの試食コーナーで行なわれました。試食コーナーに24種類のジャムを並べたとき、人はたくさん集まったものの、購買率はたった3%。しかし、ジャムの種類を6種類に減らすと、購買率は10倍の30%にまで跳ね上がったのです。

これをふまえて中野氏は、人間は、多くの選択肢から物事を決定することを嫌うと指摘します。私たちは「自由に決めたい」と言いながらも、じつは決めるのが苦手なのだそう。

とはいえ、決断が速い人がたくさんいることも事実です。彼らは、多くの選択肢を前にして迷ってしまうことを減らすために、余計なことを「しない」と心がけているのかもしれません。そこで提案するのが、今回の「しないことリスト」なのです。

優柔不断な自分を少しずつ変えるための「10のしないこと」

優柔不断な自分を変えるための「10のしないこと」02

1.「もう少し考えてから」と決断を先送りしない

人間には心理的傾向として、決断せずに選択肢を残しておきたい「オプション選好性」があり、これが私たちを優柔不断にさせている……。『先にしくじる 絶対に失敗できない仕事で成果を出す最強の仕事術』の著者・山崎裕二氏はそう述べます。

一方で、結論を先送りにする時間が延びれば延びるほど、損害(たとえば金銭的コスト)のリスクが高くなると山崎氏は警告します。なぜなら、先送りで悪い結果が起こったとき、リカバリーが難しくなるからです。

決断の先送りは誰もがやってしまいがちですが、その危険性を自覚するだけでも決断までのスピードを上げることができるでしょう。

2. あれもこれもと欲張らない

選択肢が多いと、あれもこれもと欲張り、優柔不断になる。実践経営コンサルタントの柳生雄寛氏はそう述べます。このことは、先に紹介したジャムの実験でも実証されていましたね。

柳生氏いわく、これは仕事でも同様。能力が高い人ほどできることが多いため、こうした罠に陥りやすいとのこと。「語学力を活かせる仕事につきたいが、企画力やコミュニケーション能力も発揮したい。収入や業績、勤務地、昇格制度も妥協したくない」などと考えてしまうのです。

一方で、決断できる人には「捨てる力」があると柳生氏は言います。選択肢をひとつに絞れば、それだけ早く行動を起こし、成果を挙げられるのです。

優柔不断な自分を変えるための「10のしないこと」03

「一度決めたら変えてはいけない」と自分を追い込まなくていい

3. 失敗したときのことを考えない

「失敗したらどうしよう」優柔不断な人の多くは、何かを決めるときに先行して悪いイメージを抱きがちです。一方で、すぐに決められる人は、考えても仕方のないことは考えない傾向があると、先述の柳生氏は言います。まだ失敗したわけじゃないのに、失敗したときのことを考えても仕方がない……というわけです。

失敗したときのことを考えるより、どうすればうまくいくかを考えようと、柳生氏はアドバイスを送ります。たとえば仕事を引き受けるか迷うときなどには、こう考えることでずっと前向きな決断ができそうですね。

4.「一度決めたらやり通すべき」と思い込まない

「一度決めたことを変えてはいけない」と考えていませんか? ずばり「その必要はない」と柳生氏は言います。

状況や環境が変化し、決めたことを貫くのが困難であれば、そのつど見直して軌道修正すればいいのです。ひとたび着手した仕事も、当初の予定通りに最後まで遂行しないといけないわけではないということ。自分を苦しめる思い込みを捨てれば、少し心が軽くなるはずです。

5. “決めた” だけで満足しない

ビジネス書著者の俣野成敏氏は「決定と決断は別物である」と言います。つまり、決める(=決定)だけで満足するのではなく、決めたことを行動に移す「決断」こそが大切なのです。同様の考えをもつ柳生氏は、「決めたことを行動に移すことによって、積極的な人間になれる」と言います。

「資格をとろう」と決めたものの、テキストは開かれずそのまま……。このように、あなたは決めただけで満足していませんか? 決めたことを実行せず、積極性を培っていないことが、あなたを優柔不断にさせているのかもしれません。

6.「自分はこうありたい」というビジョンを曖昧にしない

「自分なりのルール」をもつ人は、迷いがないから優柔不断にならないと、営業コンサルタントの菊原智明氏は述べます。その根幹にあるのは、「どういう自分でありたいか」という明確なビジョンです。

たとえば、グルメメディアで企画をする仕事の場合。「取材したい店を見つけたら、すぐに電話交渉をする」というルールをもつ人なら、新鮮な情報を誰よりも早く届けることを何より大切にしていることでしょう。これがビジョンです。一方で、そうしたビジョンをもたない優柔不断な人は、「いったん、オフィスにもち帰って考えよう」と、せっかく穴場を見つけられた幸運を逃してしまうかもしれません。

自分にはどういったこだわりや理想があるかを掘り下げて、明確なビジョンをもちましょう。決断力は格段に上がるはずです。

優柔不断な自分を変えるための「10のしないこと」04

「嫌なものは嫌!」自分の本音や直感を大切にしよう

7. 直感をないがしろにしない

「直感で決める」と言うと、軽はずみに決めるような悪い印象をもつ人もいるでしょう。しかし、脳科学者の恩蔵絢子氏は「直感をバカにしてはいけない」と言います。なぜなら、論理や証拠は脳にある膨大な情報のほんの一部に過ぎないから。実際には、脳は無意識な感情の部分で、直感的に物事を決めているのだそう。それを理性で抑え込もうとするから、優柔不断になるのです。

たとえば、「次の企画はどちらの案でいくか?」を考えているとき。もし直感が働いたなら、それに素直に従ってみるといいでしょう。

8. 自分の悪い感情を否定しない

恩蔵氏によると、アメリカである鉄道建築技術者が大事故に遭い、感情について重要な役割を担う脳の前頭眼窩皮質を損傷したとき、IQに問題はなかったものの、日常の些細な意思決定ができなくなったそうです。

このことから、決定には感情が大きく関わっていると考えられるとのこと。それゆえ、「いい感情も悪い感情も見つめ、自分をバカにしてはいけない」と恩蔵氏は説きます。

たとえば、気が進まない仕事を頼まれたとき、いい人でいようとするために自分の気持ちを無視して了承しまうことはありませんか? 思い当たる人は、自分が我慢していることは何か、向き合ってみるとよいそうです。

「これだけは我慢したくない」ということを選択肢から外せば、物事を決めやすくなります。ありのままの感情を大切にするのも、優柔不断な自分を変えるには必要なのです。

9. 決断を人に任せない

脳科学者の加藤俊徳氏は、神経細胞の集まりと、その神経細胞群と関連している機能の総称を脳番地とし、「思考や判断に関係する思考系脳番地が未熟な人は、優柔不断になりやすい」と述べます。彼らに共通するのは、決断を人任せにしてしまう点です。

「どっちでもいいよ」「お任せします」というように、家族や上司などに決めてもらうことが多いあなた。思考系脳番地は大人になっても伸びていくそうなので、人に任せず自分で決める機会を少しでも増やし、「決められる脳」へと成長させましょう

10. 部屋やデスクを散らかさない

整理整頓で「いる・いらない」を決めるのにも、決断力が問われます。そのため、思考系脳番地が未熟で優柔不断な人は「片づけが苦手」だと、加藤氏は言います。

あなたの部屋やデスクは散らかっていませんか? 優柔不断な自分を少しずつ変える生活習慣として、整理整頓を心がけてみましょう。よい脳トレになるかもしれません。

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余計な選択肢や考えをなくすことができれば、優柔不断な自分を変えられる可能性があります。そのために、ぜひ今回の「しないことリスト」を活用してみてくださいね。

(参考)
saitaPULS|ここぞというときに限って優柔不断になる人って実は…【脳科学者に聞いた!vol.04】
日経ビジネス電子版|「決められない」優柔不断が一発で治る?
東洋経済オンライン|「なかなか決められない人」と決断できる人の差
ダ・ヴィンチニュース|優柔不断な人でも確実にスピードが上がる!? 「決断力」を引き寄せる方法
リクナビNEXTジャーナル|大事なことを「決められない」あなたへ。ドラッカーからのアドバイスとは?
ダイヤモンド・オンライン|優柔不断な人でもビジネスで一流になれる「決断力」の磨き方
東洋経済オンライン|脳科学者が語る「直感をバカにしてはいけない」
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【ライタープロフィール】
かのえ かな
大学では西洋史を専攻。社会人の資格勉強に関心があり、自身も一般用医薬品に関わる登録販売者試験に合格した。教養を高めるための学び直しにも意欲があり、ビジネス書、歴史書など毎月20冊以上読む。豊富な執筆経験を通じて得た読書法の知識を原動力に、多読習慣を続けている。

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