「学習リストがこなせない人」に最適。勉強が確実に前進する学習管理術はこれだ!

学習リストがこなせない人に最適な「Doingリスト」01

「勉強のプランは整理したけれど、なぜか予定通りに進められない」
「勉強したいことが多すぎて、自分で決めた毎日のノルマを達成しきれない」

日々の勉強項目があまりに多く、結局完遂できずにモチベーションが下がってしまう人には、勉強リストをつくる際の “たったひとつの工夫” が助けとなるかもしれません。

この記事では、勉強リストを効率的にこなしていくためのコツを、筆者の実践例も交えてご紹介します。

タスクが多すぎる人におすすめ「Doingリスト」とは?

理学博士であり、『仕事と自分を変える 「リスト」の魔法』ほか多くの著書で仕事術について解説している堀正岳氏は、タスクが多すぎてこなせない人にDoingリストという方法をすすめています。

「Doingリスト」とは、たった1枚の紙を用意するだけでできるタスク管理法。紙は次のようにして使います。

  1. 1本の縦線を引いて、スペースを左右に分ける。
  2. 紙の左側に、やるべきタスクをメモ。書いたタスクを上から順に実行していく。
  3. 紙の右側には、左側のタスクをしている途中で割り込んできた、ほかのやりたい・やらなければならないタスクをメモ。このタスクにはすぐ取りかからない。

こうして作成したタスクリストは、ふたつのルールを守りながらこなしていきます。

  1. 順序を変えたり飛ばしたりせず、必ず上からひとつずつこなす
  2. 割り込みのタスクは、ひとまず右側にメモするだけにしておき、あとで左側のリストに追加してから実行する

これらは、左側のリストに書かれた「いまやっていること(Doing)」から目を逸らさないためのものです。

加えて、「たったひとつの作業」に全力を注ぐことも大切なポイントだと堀氏は言います。というのも、いろいろなタスクに手をつけると「どのタスクからやればいいのか」「あと何をやればいいのか」と頭が混乱してしまうから。

頭がパンクしている状態では、勉強になかなか集中できず効率が下がり、ストレスもたまってしまいます。堀氏いわく、複数のことを同時にやるのではなくひとつだけに取り組めば、効率は上がり、ストレスレベルは下がり、集中力は高まる、といいことづくしなのだそうですよ。

学習リストがこなせない人に最適な「Doingリスト」02

実際に「Doingリスト」で勉強してみた

では、「Doingリスト」の活用方法について、筆者が実際に試してみた例を紹介しながら説明します。

学習リストがこなせない人に最適な「Doingリスト」03

上の画像は、司法試験に向けた法律の勉強をテーマに筆者が作成した「Doingリスト」の例です。

ノートの1ページを縦線で左右に分け、まずは左側に、やるべき勉強項目を上から順にメモしていきました。

  • 民法の一問一答問題集を30ページ進める
  • 民事訴訟法の授業を復習する

左側の「Doingリスト」に挙げた項目へひとつずつ取り組むなか、新たにやりたいことが出てきたので、今度はそれらを右側にメモしました。具体的には次のとおりです。

  • 民法の『取得時効』について復習したい
  • 民法の『消滅時効』について復習したい

右側にメモした追加の勉強は、左側に挙げていたひとつひとつの勉強がすべて終わってから、左側の「Doingリスト」へ移動。そして、また上から順にタスクをこなしていきます。

学習リストがこなせない人に最適な「Doingリスト」04

万が一、どうしても時間が足りず当日中に左側のリストが終わらなかった場合は、リストの左側に未完の項目を残したまま、次の日も勉強を進めます。

今回の例では、もともと左側のリスト最後にメモしていた「憲法の一問一答を30ページ進める」というタスクに加え、途中で追加した4つを含む計5つのタスクが残ってしまいました。そのため翌日は、左側にタスクが5つある状態からまた勉強を開始。前日と同様、上から順にタスクをこなしていきました。

学習リストがこなせない人に最適な「Doingリスト」05

「Doingリスト」をやってみた所感&提案

実際に「Doingリスト」で勉強してみたところ、ふたつのメリットを得られました。

ひとつめは、やらなければいけない勉強を取りこぼさず網羅してこなせたという点です。勉強中に「この範囲はよく覚えられていないな」「ここの分野は苦手だな」と感じたとき、リストの右側に復習したい内容としてメモを残したことで、自分の弱点を放置しないですみました。筆者の例であれば、民法の一問一答問題集へ取り組んでいる際に「取得時効」の分野の記憶が曖昧であることに気づいたので、「民法の『取得時効』について復習したい」と右側にメモを残し、弱点克服の時間を確実に設けることができました。

そしてふたつめは、勉強に対する漠然とした不安が減っていったという点です。「Doingリスト」を実践する以前は、やるべきことを頭でぼんやり考えているだけのことが多かったので、常に漠然とした不安を抱えており、勉強に対するストレスが多かったように思います。ですが「Doingリスト」を活用してみると、学習すべき項目を可視化しながら管理できたので、不安感が払拭されました。さらに、勉強を終えて横線でタスクを消すときに「頑張った」という充実感が得られ、おのずとモチベーションアップにつながりました。

堀氏によると、タスクを管理する目的は「すべてのタスクを完了させる」ためではなく、「この調子では間に合わないな」「今日はこれだけ進めればよさそうだ」というように作業全体を見通せるようにしておくため。無駄にマルチタスクをしたり余計な不安を感じたりして作業効率を下げることなく、高い集中力と勉強効率を維持するために、タスクを管理するわけです。今回の実践を通し、まさにそのメリットを実感できました。

また、実践において注意すべきだと感じた点もあります。それは、タスクを記入する順番です。今回はやるべき勉強をただ思いついた順番でリストの左側に書き込んでいたため、「この勉強はあと回しにして、こっちを先にやりたい」と思うこともしばしば。

そこで、みなさんが実践する際には、「緊急度」と「やりたい度」を基準にして順番を決め、リストの左側に記入するのがおすすめです。公立諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀氏は、タスクは以下の順で実行するとやる気が持続して達成しやすくなると伝えています。

  1. 緊急度が高くて、やりたい度も高いもの
  2. 緊急度は低いが、やりたい度が高いもの
  3. 緊急度は高いが、やりたい度が低いもの
  4. 緊急度が低くて、やりたい度も低いもの

左側のタスクは、ただ単に思いついた順にリストアップするのではなく、この優先順位を基準にして記入するようにしましょう。そうすれば、より効率的に勉強できるはず。これから実践する方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

***
やりたい勉強が多すぎて困っているのなら、「Doingリスト」で学習項目を管理し、確実に勉強を前進させましょう。

(参考)
SCIENCE SHIFT|紙一枚で、あなたの集中力を劇的に向上させるタスク管理の方法
SUNNY|今日やると決めたTODOをこなせない!を解決する方法
プレジデントオンライン|仕事が増えて苦しい時は"脳内を吐き出す"

【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。

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