「なぜか一緒に働きたくなる人」の特徴。不況でも仕事を失わない人には “このスキル” がある

野呂エイシロウさん「なぜか一緒に働きたくなる人の特徴」01

誰とも関わらずに完結できる仕事など、この世界にはほとんど存在しません。本業にせよ副業にせよ、スムーズに仕事を進めて成果を挙げるために絶対に欠かせないものがコミュニケーション能力です。

では、どうすればその肝心なコミュケーション能力を高めることができるのでしょうか。会話術などコミュケーションに関する著書も多く、『副業は、自己PRがすべて。』(プレジデント社)を上梓した戦略的PRコンサルタント・野呂エイシロウ(のろ・えいしろう)さんにポイントを挙げてもらいました。

構成/岩川悟・清家茂樹 写真/塚原孝顕

副業の成否は「自己PR」で決まる

これは僕の経験談ですが、2008年のリーマンショックによる世界同時不況の際、僕と同業の多くの広報PRパーソンが仕事を失いました。日本を含む世界中の株価が暴落し、企業の資産も目減りしたことで、不要不急の支出を控えたのです。こういったとき、先端研究やコンサルタントへの投資が真っ先に削られてしまいます。でも僕は、ほとんどの企業に切られることがありませんでした。

不思議に思って理由を顧客先の経営者たちに聞いてみると、「野呂くんは話をしていておもしろいから」「みんなモチベーションが上がるから」。そんな理由でした。

単純な好意もあるのでしょうけれど、「チームの雰囲気をよくする気遣い」がメンバーの能力や主体性を引き出し、結果につながる現実的な効果が僕にあったということだととらえています。それが、ただ戦略立案をするだけのコンサルタントとの差別化になったのです。

あなたの信頼性や価値を、WEBできちんとソツなく表現すること。
あなたが価値ある存在であることを、コミュニケーションで表現すること。

この自己PRができるかできないかで、同じ能力をもっていても、その評価は大きく変わります。副業の収入でいえば、それが「月5万円」にも「月100万円」にも変わります。

野呂エイシロウさん「なぜか一緒に働きたくなる人の特徴」02

 

「会話が楽しい人」はビジネスでも最強だ!

しかし、仕事において「会話していて楽しい」だけの人は、正直あまり戦力になりません。それよりも、「まじめで仕事が正確」「処理速度がとにかく速い」「深い考察力と幅広い知識をもっている」など、より実務的な能力のほうが仕事の遂行には重要です。

でも、それだけだともの足りません。あくまで自己完結した能力に過ぎず、他人との関係性を高めたり、周囲のモチベーションをも引き出したりするようなスキルではないからです。

仕事はひとりでは完結できない以上、「実務能力」+「コミュニケーション能力」が合わさることが大切です。たとえば、あなたに深い知識があっても、それを相手に届ける能力がなければ何も伝わらないし、いくら仕事ができても「話しているとうんざりする」ようでは誰も一緒に仕事をしたいと思ってくれません。

僕は、あまたあるコミュニケーションスキルのなかでも、実務能力に「会話の楽しさ」が加わることが最強だと思っています。

あなたが「楽しい会話ができる人」だと、打ち合わせではどんどん会話が弾んで雰囲気が和み、みんなが能力を発揮しやすい環境を生み出します。また、商談や提案では、お互いの理解も深まり、あなたの印象がよくなるので意見やアイデアも前向きに聞いてもらうことができるでしょう。

あなたを「好き」になってくれるので、あれこれ面会の口実を考えなくても顧客は気軽に会ってくれますし、価格交渉などのナイーブなことも「全然いいよ、はっきり言ってもらって」「つまりこういうこと?」と相手が理解しようと努めてくれます。さらに、リスキーな意見を言っても怒られなくなります。言葉にすると簡単に見えますが、「怒らせない」ってすごいスキルです。後ろ盾のない個人事業主にとって、最強の防具だと思うのです。

「会話の楽しさ」は相手の好意に直結するため、コミュニケーション全般を下支えしてくれる魅力的なスキルとなります。ただし、それだけだと薄っぺらいので、確かな実務能力の信頼がともなうことで真価を発揮します。

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「会話の楽しさ」は相手が決めること

では、どうすればそんな会話術を身につけられるでしょうか。話をするのが苦手な人ほど、「楽しい会話」をするためには「楽しいことを話さなければならない」と思い込んでいる節があります。でも、「楽しい」って誰が決めるのでしょう? そうです、あなたとの会話が楽しいかどうかを決めるのは「相手」にほかなりません。

たとえば話し相手が、「自分の話を聞いてほしい」と思っているのなら、あなたがどんなに「楽しい話」をしても満足してもらえません。あなたはただ相づちを打ったり、興味がありそうに共感したりしていればいいし、質問を投げかけて相手により多く話してもらえばいい。そうすると相手は「この人と話すのは楽しいな!」と思ってくれるのです。

「聞き上手はモテる」とよく言いますが、多かれ少なかれ、人は「自分の話を聞いてくれる人」を好む傾向にあります。自分に関心をもって、共感してくれる人を好きになるからです。ですから、「楽しい会話」のためには、まず「相手により多く話させること」を覚えておきましょう。実際、0:10で聞き役を求めるエゴの強い人はまずいませんから、3:7で会話をするためには、あなたもきちんと話をする必要があります。

そこで相手が楽しいと感じるのは「関心のある話題」です。それは当然ですよね? ラーメン通に一目置かれるような造詣の深いラーメントークも、興味のない人には苦痛なだけです。相手の話を引き出すにも、興味のない話題を振るのではうまくいきません。「○○さんは、どんなラーメンが好きなんですか?」と振られても、ラーメンにあまり興味がない相手は困ってしまいます。

だから、相手の興味をキャッチして会話をすることが大切なのです。幅広い話題に対応できるよう広くアンテナを張り、知識をもっていることが「聞き上手」「振り上手」になるための近道です。もつべき知識は「浅く広く」でかまいません。深い話は「それってどうしてなんですか?」と純粋に聞いて、相手に語ってもらえばいいのです。

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「結論の先出し」で関心を引く会話術

加えて、結論を先に出すことを意識しましょう。このことは、近頃はビジネスの世界でもスタンダードになっています。

プレゼンを例に挙げてみても、さまざまなファクターを30分もかけて説明し、最後に「だから当社はAを提案します」と結論づけても、その結論に至るまでのプロセスを理解してもらうことなど難しいと思います。それよりも、「Aにすべきです」と結論を先に伝え、その理由をあとから積み上げていったほうが確実に納得してもらえるでしょう。

じつは、テレビの世界も似たところがあります。バラエティ番組やワイドショーのコメンテーターは、まず「これは、私は反対ですね」と結論を先に述べて視聴者をコメントに引きつけてから、「だってこうじゃないですか」と理由を説明することが常道です。

また、マツコ・デラックスさんのコメントに「斬れ味がある」と感じるのも、マツコさんが結論の先出しを意識しているからです。「バカね」「だからあんたはダメなのよ!」「わかるわぁ〜」「すごい好き」と短くインパクトのある言葉で賛否をズバッと示すことで、ユニークな持論をきちんと視聴者と共感できるように、話の流れを順序立てているのです。

もしマツコさんが、「これってこうじゃない?」→「でも、人ってこうなのよ」→「だからあなたはダメなのよ」と結論をあと出しにしていたら、リズムが悪く、おもしろみが薄れてしまいます。ともすれば説教くさく、陰険にも映ってしまうかもしれません。

みなさんの会話でも、結論の先出しをすると、自分の発言に注目を集められ、リズムよく、わかりやすく展開することができて効果的です。「何を言いたいのかわからない話」ほどつまらないものはありません。そんな話し方をしているようでは、「で、結局なんなの?」と結論を急かされて空気は悪くなるだけです。いいアイデアや意見があっても、最後まで聞いてもらえなければ「意見がない」のと同じことなのです。

また、空気が停滞した会議では、結論をズバッと示すことが場に刺激を与え、リズムや空気感を生み出すことにもつながります。「あなたがいると会議が盛り上がるよ」と言ってもらえたら、確かな貢献として評価されたということです。

野呂エイシロウさん「なぜか一緒に働きたくなる人の特徴」05

※今コラムは、野呂エイシロウ 著『副業は、自己PRがすべて。』(プレジデント社)をアレンジしたものです。

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【プロフィール】
野呂エイシロウ(のろ・えいしろう)
1967年、愛知県に生まれる。愛知工業大学在籍中に、学生起業家として活躍後、雑誌編集者に。『天才・たけしの元気出るテレビ』で放送作家としての活動を開始し、『ザ!鉄腕!DASH!!』『特命リサーチ200X』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!! SUPER』といった数々の人気番組を手がける。30歳のとき、大手広告代理店に誘われたのがきっかけで戦略的PRコンサルタントへ転身。TV番組をヒットさせるノウハウを企業PRに生かすなど独自の手腕を発揮。これまでに、大手広告代理店をはじめ、150社以上と契約。自動車会社、家電メーカー、飲食チェーン店、飲料メーカー、学習塾、金融など、分野は多岐に渡る。『考えなくてもうまくいく人の習慣』(ワニブックス)、『入社1年目から差がついていた! 行動が早い人の仕事と生活の習慣』(すばる舎)、『心をつかむ話し方 無敵の法則』『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』(アスコム)、『プレスリリースはラブレター テレビを完全攻略する戦略的PR術』(万来舎)、『副業は、自己PRがすべて。 「稼ぐ人」が実践する成功戦略』(プレジデント社)など、著書多数。

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