「敵を味方に変えてしまう人」の口癖4つ。意見が対立しても “こう” 言うだけで空気が変わる

敵を味方に変えるフレーズ01

「部下から話しかけにくい上司だと思われていそう。でも本当は、部下との距離を縮めたい……」
「同僚に頼み事をすると嫌そうにされる。もしかして嫌われてる……?」

こう悩む人にぜひ使ってほしい、4つの言葉をご紹介します。どうやら、敵を味方に変えてしまうような魅力をもつ人たちは、言葉選びがちょっと違うよう。あなたもいい口癖を身につければ、いまよりずっと心地よく働けるはずですよ。

1.「そうなんだ」

話し合いのなかで自分と同僚の意見が食い違った――そんなとき、「なんで? それは違うんじゃない?」とつい否定してしまう人は要注意。「そうなんだ」とまず共感を示せば、建設的な話し合いができますよ。

話し方や伝え方に関する名著を100冊精読して共通点を抽出し、それを書籍『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』に著した藤吉豊氏いわく、相手を否定することは、嫌われる会話の代表的特徴のひとつ。

自分の意見を一方的に押しつければ、相手に不快感を与えるだけ。それゆえ、相手の考えが自分とは違っても、いったん受け止めることが大切だと藤吉氏は言います。「そうなんだ」はその格好のフレーズです。

実際に「そうなんだ」を口癖にしているのが、寺田倉庫株式会社で大改革を実行した “伝説の経営者” 中野善壽氏(現在はACAO SPA & RESORT株式会社代表取締役会長・CEO)。

中野氏いわく、心地のよい人間関係を築くためには、無駄なプライドを捨てて素直になることが大切。その姿勢は、自分と異なる感性を「そうなんだ」と受け入れるだけでもてると言います。

敵を味方に変えるフレーズ02

たとえば、「今回はA案で進めます」と述べる部下に対し、あなたは「B案のほうがよいのでは……」と思ったとします。このとき、「A案のどこがいいの? 絶対B案がいいと思うけど」と率直に否定するのは、部下を敵に回すだけのNG対応。

望ましい対応の例はこちらです。

  • 「そうなんだ、たしかにその考えもあるな」とまずは共感する
  • そのうえで、「ただ、B案ならA案よりもスピーディーに進められそうだけど、どう思う?」と、相手に問うかたちで自分の意見を言う

意見を述べるときは “断定しない” のが、相手を不快にさせないコツだと藤吉氏。

自分と異なる意見に直面したら、ひと呼吸おいて「そうなんだ」と言う。それだけで、前向きな議論ができるはずですよ。

2.「相談したいことがあるんだけど……」

ミスの多い後輩を注意しなければならない――そんな場面で、「ちょっと言いたいことがあるんだけど」と不満気に話しかけて、相手を萎縮させていませんか? 「相談したいことがあるんだけど」と言えば、穏やかに話を切り出すことができますよ。

コミュニケーション講座などを手がける、NPO法人アサーティブジャパン代表理事の森田汐生氏によれば、「言いたいことがある」というフレーズには “相手を正そう” というニュアンスがこもるそう。そのため、相手を身構えさせてしまうとのこと。

ですが、「相談したいことがある」であれば、「自分とあなたは対等だ」というメッセージを伝えることができます。相手はあなたの話に耳を傾けてくれやすくなり、信頼関係を保つことも可能。

敵を味方に変えるフレーズ03

たとえば、同じ計算ミスを繰り返す後輩を指導するとき、「ちょっと言いたいんだけどさ、いつもあなたは計算ミスをするよね?」と指摘するのは論外です。森田氏いわく、「いつも」のあとには批判が続くことが多いため、「いつも」と言うだけで相手を萎縮させるそう。さらに「あなた」は “決めつけ” のニュアンスが強いのでNG。こんな指導では、後輩にとってあなたは、一方的に注意ばかりする “嫌な存在” になってしまいます。

望ましいのは次のような切り出し方です。

  • 「相談したいことがあるんだけど」と対等な目線で話し始める。
  • 自分を主語にして、「計算ミスに気づいたんだ」と自分が見た事実を伝える。

自分の立場が相手より上であっても、言葉と態度の両方で相手を尊重することが大切なのです。

敵を味方に変えるフレーズ04

3.「伸びしろを埋めよう」

目標を達成できない部下を指導し、やる気を出させたい――こういうとき、部下の成長を促すつもりで「どうすればいいか自分で考えて」と言うことはありませんか。当てはまるなら、あなたはもしかするとリーダーの役割を果たせていないかも……。部下のチームに対する貢献が足りない部分を「伸びしろ」と表現し、「伸びしろを埋めるにはどうすればいいか、一緒に考えよう」と提案してみましょう

これは、立教大学経営学部教授の中原淳氏がすすめるフレーズです。「自分で考えて」と上司が言っただけでは、部下は結局何を考えればいいかわかりません。いずれ、上司に対して心を閉ざすことにもなりかねないそう。

そこで中原氏がすすめる、望ましい部下指導の3ステップがこちら。「顧客訪問回数の目標を達成できそうにない部下」を指導するケースで考えてみます。

  1. 事実を整理する
    (例:客先訪問の回数が少ない。目標X件に対し、現状Y件)

  2. 「部下が貢献できている部分」と「貢献が足りない部分」を部下に伝え、問いを投げかける
    (例:「顧客対応が丁寧なのはすばらしい。でも訪問回数が目標に届いていないように見えるんだけど、どう思う?」)

  3. 「伸びしろ=貢献不足の部分」を埋めるための対策を提案する
    (例:「訪問回数が伸びしろだよね。伸びしろを埋めるには、スケジュールの立て方を工夫してはどうだろう。具体的には……」)

「うまくいっていないところ」を「伸びしろ」とポジティブに言い換え、「一緒に考える」スタンスをとるだけで、部下や後輩のやる気をより引き出しやすくなりますよ。

敵を味方に変えるフレーズ05

4.「一緒に」からの「おかげさま」

同僚に仕事を頼みたいとき――「これ、やってもらえますか?」とお願いするたび、いつも嫌そうな態度をされて困っていませんか。そんな人は、「一緒に」と「おかげさま」をセットで使ってみましょう

「やってほしい」とストレートに頼むことが、なぜよくないのでしょう。『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』著者で、社会人の悩み解決法を豊富に知るサラタメ氏によると、この頼み方では相手に「自分だけやらされている」という印象を抱かせるおそれがあるそう。

依頼を快く引き受けてもらうコツは、以下の2点だとのこと。

  • 「一緒にやりましょう」という言葉で仲間意識を抱かせて、仕事を分担していることを認識してもらう。
  • 依頼を受けてくれた相手に、「おかげさまでうまくいきました」感謝を伝える。

たとえば、同僚のAさんにセミナー運営への協力を頼みたいときであれば、こんな伝え方が考えられますね。

――司会は私がやりますので、参加者の誘導をAさんにお願いしたいんです。セミナーの運営を一緒にやってもらえませんか?――

そして、セミナーが終了したらこう伝えます。

――おかげさまでセミナーが成功しました。Aさんが適切な誘導をしてくれたおかげです。ありがとうございます――

このようなコミュニケーションをとれば、その後の協力関係も築きやすくなると、サラタメ氏は言います。頼みたいことがあったらスムーズに頼める、そんな気持ちよく協力し合える仲間を増やしましょう!

***
いつもの会話にひとこと加えたり、ほんの少し言い換えたりするだけで、相手に与える印象は大きく異なります。ぜひ、あなたもご紹介した言葉を職場でのコミュニケーションに取り入れてくださいね。

(参考)
東洋経済オンライン|嫌われる人の「イラっとする会話」よくある4大NG
ダイヤモンド・オンライン|理想的な孤独を保つ2つの言葉は「ありがとう」と?
株式会社日立ソリューションズ|取引先や上司・部下と上手に会話する!アサーティブ・トレーニング CHAPTER 5 LESSON2 何度言ってもミスを繰り返す部下への注意の仕方は?PART2
日経ビジネス電子版|立教大・中原淳教授 リーダーが身に付けるべき口癖&ダメな口癖
ダイヤモンド・オンライン|お願いベタな人が陥る罠!魔法のコトバは「相手の頭」にある

【ライタープロフィール】
こばやしまほ
大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。

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