「ミスはしてるのに評価が落ちない人」は、なぜ評価を落とさないでいられるのか? 4つの答え

ミスはしてるのに評価が落ちない人のイメージ。仕事に打ち込む様子

NPO失敗学会副会長の飯野謙次氏によると、私たち人間は「絶対に失敗しない」ことなどありえないそうです。どんなに注意していても、何かしらの失敗は起きてしまうのだとか。

しかし、世のなかには同じようなミスをしていても、評価が落ちない人と、評価が落ちてしまう人がいます。ビジネス界の実力者や専門家に学び、その差はどこで生まれるのか、明らかにしていきましょう。

1. まず失敗を認め、痛い思いをする

リーダーシップ開発を行なう「ヘンリー・リーダーシップ・グループ」創業者のDede Henley氏によると、たとえ失敗しても、それを認めることができれば、のちに力を取り戻し、生産的に働けるようになるそうです。それは自分の失敗と向き合うこと、必要に応じて周囲にも、包み隠さず失敗について語ることを意味します。

また、冒頭で紹介した飯野氏は、失敗で “痛い思い” をすることは大事だと述べます。「こんな思いはもうイヤだ。二度と同じ失敗を繰り返さないためには、どうしたらいいだろう?」と真剣に考えるようになるからです。

ならばその “痛い思い” は、自分の失敗を認めない限り、正しく実感することは難しいはず。失敗で評価を落としてしまう人は、自分の失敗から目を背けているのかもしれません。逆に失敗しても評価を落とさない人は、まず失敗を認め、痛い思いをして、同じ失敗を繰り返さないための方法を、必死に考え出しているはずです。

2. 精神論を排除して仕組みを考える

前出のHenley氏は、ミスをした自分を責めたり、他人を責めたりしても、怒りと後悔で動揺するだけだと述べます。そうした行動は、失敗を客観的に見直し、そこから学ぶことを難しくしてしまうのだとか。

前出の飯野氏も、失敗は、失敗しない仕組みができていなかったから起こると考え、「自分が悪い」と思わないようアドバイスしています。そのほうがより冷静に失敗を分析でき、失敗したくても失敗できないような仕組み(成功する仕組み)を考えられるからです。ちなみに、失敗しない仕組みづくりに精神論は不要とのこと。ひとつ例を挙げましょう。

たとえばAさんが仕事で必要なデータを削除してしまったとします。Aさんが自分自身を責めて落ち込んでも、「これからは絶対にミスしない!」と心に決めても、二度と同じ失敗を繰り返さない可能性は低いままです。

しかし、自分ではなく仕組みに目を向けることができれば、簡単にファイルを削除できないようにする、ファイルの自動バックアップを行なうといった、より確実な再発防止策を講じられるはず。

つまり、ミスはしてるのに評価が落ちない人は、失敗を認め痛い思いをしたあとでも、自分を責めることなく、精神論にも頼らず、失敗しようがない仕組みを考え、実行しているわけです。経験を積むほど、人一倍進化していくのは間違いありません。

「失敗したのは自分だが、原因は仕組みにある」と考えると冷静に考えているビジネスパーソン

3. 他者の失敗からも学ぼうとする

さらに飯野氏は、日頃から自分だけではなく、他人の失敗からも学ぼうとすることが大事であると述べています。

誰かの失敗を見聞きしたとき、自分ならどうするか、どんなリスク管理ができるかなど、他人の失敗を自分事として考えるクセをつけておくといいそうです。そうして失敗の事例を自分のなかに蓄積していける人が、失敗しない人になっていくとのこと。

また、公認心理師・臨床心理士の石上友梨氏は、失敗から立ち直った人の体験を見聞きすることで、立ち直る際のヒントが得られると伝えています。こうすればいい、という方向性を真実の物語で示されるからでしょうか、「やればできる」というイメージをもちやすくなるそうです。

つまり、失敗しても評価を落とさない人は、自分の失敗体験も、誰かの失敗体験もいっさいムダにせずに学び、あらゆる事例を蓄え続けているので、失敗しない仕組みをつくるのも、失敗した際に立ち直るのも、どんどん上手になっているわけです。

事例をどんどんストックして、失敗しない人になりつつあるビジネスパーソン

逆に、失敗で評価を落としてしまう人は、失敗した人を横目に見ながら「あー自分じゃなくてよかったー」などと、胸をなでおろしているだけなのかもしれません……。

4. 失敗をコミュニケーションのネタにする

ベストセラー『人は話し方が9割』(すばる舎)の著者で、人財育成JAPAN代表取締役の永松茂久氏によると、楽しくコミュニケーションをとりたいとき、“失敗ネタ” は大いに役立つそうです。恥ずかしい過去をさらけ出して、笑いに変える人物に人々は共感し、大きな安心感を覚えるのだとか。

誰にでも失敗があるとすれば、誰にでも “失敗ネタ” のストックが大なり小なりあるということ。もちろんミスはしてるのに評価が落ちない人は、そのなかから他者も自分も傷つけない、軽く笑い飛ばせるような失敗談を選んで披露しているわけです(たとえば「できないのに、できると言ってしまい、困ったことになった」「展示会用サンプルの色を間違え、ギリギリのタイミングで届いたときに血の気が引いた」など)。

それに、過去の恥ずかしい失敗談を人に話すと、話していないときよりも気持ちが軽くなりませんか? 人に好感をもたれて、なおかつ気持ちも軽くなるのは望ましいことですよね。

しかし、失敗で評価を落としてしまう人は、自分の失敗を認めることさえできていないので、失敗をさらけ出すことができません。うーん、なんとも “もったいない” ことです。

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失敗は誰にでもあることで、誰にでも失敗後にできることがあります。つまり、誰もが「ミスはしてるのに評価が落ちない人」になれるはずなのです。

(参考)
ヨガジャーナルオンライン|失敗や挫折、困難から「立ち直る力」を鍛える方法とは【臨床心理士が解説】
STUDY HACKER|「失敗しても評価が高い人」が失敗したときにしている大切なこと
飯野謙次著(2019),『ミスしても評価が高い人は、何をしているのか?』,日経BP.
Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)|失敗の捉え方を変える3つの方法
東洋経済オンライン|「失敗談」を恥ずかしげもなく話す人が魅力的な訳

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