パソコン仕事で常日頃から目の疲れが激しい筆者は、緑色の紙の「目に優しいノート(メモ帳サイズ)」を購入してみました。目が疲れたときにパソコンから離れ、ちょっとした思考の整理をするためです。すると、そのノートは、想像以上の嬉しい驚きを与えてくれたのです。詳しく説明しましょう。
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STUDY HACKER 編集部
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「目に優しいノート」とは
今回筆者が手に入れたのは、株式会社中村印刷所の「目に優しいノート B7判 無地 100頁 水平開き(ナカプリバイン)」(Amazon、ヨドバシ.com)です。
文庫本より小さいサイズなので、パソコン仕事をしている横に置いても邪魔になりません。 もちろんバッグのポケットや、胸のポケットにも入るので、持ち運びにも便利です。
もともとは「視覚過敏の方の声を反映して」つくられたとのこと。「光の反射を和らげる、目に負担をかけないグリーンの用紙」を使っているそうです。だから、長時間の使用でも目が疲れにくいのだとか。
(参考およびカギカッコ内引用元:中村印刷所の水平開きノート一覧(昭美印刷株式会社運営)|目に優しいノート B7判 無地 100頁 水平開き)
「目に優しいノート」のかなり意外な特徴
じつは筆者、「目に優しいノート」と聞いて少しくすんだような色を想像していたのですが、これがまったく違いました。ノートを開いてみてビックリ、意外と鮮やかな明るい緑色だったのです。
「本当にこれで目が疲れないの?」と半信半疑になりましたが――なぜか、このノートを開いて少しのあいだ見ていると、なんとなくスッキリするような、瑞々しいような感覚が生まれてきました。
そこで、家族にも前情報なしで見開いたノートを見せ、どう感じるか答えてもらったところ――
「うーん、なんか、ちょっと色が濃いね」
「書きにくそう」
と、まずは辛口な意見が飛び出しました。ところが、その数秒後、
「なんか、きれいだね」
「たくさん文字を書いてもストレスなさそう」
と、今度は矢継ぎ早にほめだしたのです。しかも、このプロセスは筆者とほぼ同じでした。わずか2例ですが、もしかしたら、これがこのノートの実力かもしれません。
「目に優しいノート」は水平に開く
また、この「目に優しいノート」には中村印刷所の特許技術である水平開き製本が取り入れられているので、見開きにすると、このとおり真っ平ら。
ですから、中央部が盛り上がっているせいで「書けない、書きにくい」などと感じるストレスがありません。見開きにすればペライチ状態になるので、B7サイズのノートでもB6サイズとして無理なく使えます。
こうして簡単に、見開きを切り離すこともできるんですよ。これは本当に便利ですね。
ちなみに、商品名の一部になっている「ナカプリバイン」という言葉は、ナカムラ・プリンティング・バインダーの略で、水平開きができるノートのことです。
「緑色」は昔から人に優しい色だった
そして、「緑色が人に優しいのは間違いない!」と言いきれる、理由および根拠もお伝えしておきましょう。
全国黒板工業連盟 専務理事の北村勝也氏は、黒板の主流が黒から「緑」になったのは、戦後のベビーブームで大勢の子どもたちが、学校の教室いっぱいに(60人近く)入るようになっていたことが、原因ではないかと語っています。
つまり、それだけ入ると教室は満杯になるので、
前の席の生徒は教卓にくっつくくらい、前に出ないといけません。窓からの光が黒板で反射すると、最前列の端に座る生徒は黒板が光って見え、文字が読めなくなってしまいます。黒よりも緑のほうが光の反射を抑えられるので、緑の黒板が普及していったのではないかと考えられます。
(参考および引用元:ビジネスジャーナル|黒板が「緑色」の謎!源は帝国陸軍にあった?)
とのこと。
また、東京農業大学造園学科が1988年に発表した研究によると、パソコン作業を一定時間行なったあと「植物の緑」を見ると、明らかに視覚疲労が緩和、回復されるとわかったのだとか。
(参考:近藤三雄,鳥山貴司(1988),「室内等の緑によるVDT作業がもたらす視覚疲労の回復効果に関する実験的研究」,社団法人日本造園学会,造園雑誌,52巻,5号,pp.139-144.)
そして、国土交通省が2004年の真夏日に、東京都心で緑量と心理的効果の関係を調べたところ、
緑視率が高い場所ほど、その場所について「安らぎのある」「さわやかな」「潤いのある」と感じる人の割合が高い
と明らかになったそうです(※一般的に緑視率は、“人の視界に入る緑の割合” を指す)。
(参考および引用元:国土交通省|都市の緑量と心理的効果の相関関係の社会実験調査について)
いずれも紙の色についての情報ではありませんが、「緑色の優しさ」の理解には役立つのではないでしょうか。
「目に優しいメモサイズのノート」を使ってみた
では、実際に「目に優しいメモサイズのノート」を使用してみましょう。 せっかくなので、見開いてB6サイズとして使用します。パソコン仕事をたくさんこなして、十分に目が疲れたタイミングを見計らって行ないました。
(※ノートの内容は、筆者による「目に優しいノート B7判 無地 100頁 水平開き(ナカプリバイン)」についての考察)
紙を手で触った感じはとても滑らかでしたが、逆にボールペンで書いたときには摩擦を感じました。ツルツル書けてしまうより、このように引っ掛かり(摩擦)があるほうが、落ち着いてじっくり書けるので、書き間違いも少なくなりそうです。
なお、中村印刷所の中村輝雄社長によると、このノートは以下写真のようにして使えば、どのページを 開いて置いても、完全に真っ平らになるとのことです。
(画像の引用元:STUDY HACKER|【ノートのプロに聞いた】見開きいっぱいに思考が広がる「脳スッキリノート」社会人におすすめの活用術)
実際にやってみたら、間違いなくどこを開いても水平でした!
ただ、筆圧が強かったせいか、書き終えたあとは少しだけ紙が反り返り気味に……。まあでも、最初のページだからそうなりやすかったのかもしれないし、気になるほどではありません。
そして肝心の目に対する優しさについては――
この小さなノートに書き始めてから、終わるまで、その直前にパソコン仕事で目がショボショボしていたことを、すっかり忘れていましたよ。つまり、それが「目に優しいノート」が、本当に目に優しい証拠です。長時間の使用でも目が疲れにくいなら、集中力の持続も期待できそうですね。
適度な摩擦があって書きやすく、持ち運びに便利なサイズで、見開きでも使いやすい。簡単に切り離すこともできるので、目の疲れ関係なく仕事でかなり重宝するはずです。よろしければ、一度お試しくださいね。
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筆者もこれからは、「目に優しいメモ帳サイズのノート」を仕事でどんどん使おうと思います!
近藤三雄,鳥山貴司(1988),「室内等の緑によるVDT作業がもたらす視覚疲労の回復効果に関する実験的研究」,社団法人日本造園学会,造園雑誌,52巻,5号,pp.139-144.
中村印刷所の水平開きノート一覧(昭美印刷株式会社運営)|目に優しいノート B7判 無地 100頁 水平開き
国土交通省|都市の緑量と心理的効果の相関関係の社会実験調査について
ビジネスジャーナル|黒板が「緑色」の謎!源は帝国陸軍にあった?