職場で気を使いすぎて疲れている人のために「10のしないこと」を考えてみました。

「職場で気を遣いすぎて」疲れている人のための10のしないこと01

「気の使いすぎで、かえって職場の人と打ち解けることができない」
「周囲の目を気にして自分の意見をはっきり言えず、気疲れする」

こうした職場の人間関係に気を使いすぎて疲れているビジネスパーソン向けに「10のしないことをリストアップしました。「するべき」と厳しいルールを課すものではないので心理的負担が少なく、実践しやすいことでしょう。では、さっそく紹介します。

【1】自分を卑下する言葉を言わない

臨床数約8万の心理カウンセラー・大嶋信頼氏は、口にした言葉は現実化しやすいので、自分を卑下する言葉は使わないほうがよいと述べます。たとえば、「わかりにくい説明で申し訳ありませんが」といった言葉が口癖になっていると、自分が周囲から理解してもらえない環境を本当につくってしまうのだそうです。

これまで相手に気を使って言ってきた、自分を卑下する前置き言葉を思いきってやめてみましょう。じつは言う必要がなかったことに気づいて、心が軽くなるそうですよ。

【2】相手の心理を先読みしすぎない

「わからないところを上司に質問したいけれど、なんか忙しそう。それに面倒くさがられそうだから、いまは言わないほうがいいか」

大嶋氏は、このように気を使って相手の心理を先読みしすぎる必要はないと述べます。なぜなら、脳が常に緊張状態に置かれ、将来を予測する役割をもつ前頭連合野が正常に機能しなくなる恐れがあるからです。

そうなると適切な思考ができなくなり、本当に配慮すべきときに頭が真っ白になったり、不要なことを言ってしまったりする可能性があるとのこと。肝心なときに脳が働くように、過度な心理の先読みはなくしましょう。

【3】場を盛り上げようと頑張らない

空気を読むにはかなり高度な情報処理能力が必要なので、気を使いすぎて疲れるのも無理はない――。大阪市立大学大学院医学研究科・疲労医学特任教授の梶本修身氏はそう説きます。

意外にもビジネスシーンでは、空気を読まないほうがプラスに働く場合があるのだそう。これは、相手の心理を読むだけに限りません。ムードメーカーとして、気を使って職場で盛り上げ役を引き受けることも同様です。

たとえば、新しい取引先へ挨拶に行った場合。雰囲気をよくしようと完璧な営業トークをする人は、「うまく丸め込まれそう」とかえって警戒される恐れがあるのだそう。一方、たどたどしくても一生懸命話す人のほうが、相手に好意を抱いてもらいやすいとのこと。「初対面だから緊張しているんだろう、でも熱意は伝わってくる」と気持ちを汲み取ってもらえるのです。ですので、気を使って疲れるほど盛り上げようとする必要はありませんよ。

【4】マイナスの評価を恐れない

「チームみんなで決めた企画だから、いまさら予算が足りないとは言いづらい」「上司の提案にはひとつ懸念点があるけれど、立場上なかなか反論しづらい」など、ビジネスシーンにおいては、言いにくくても意見をしなければならない場面があります。ビジネスパーソンに禅の教えを説く禅僧の枡野俊明氏によれば、そうした場面で自分のマイナス評価を恐れ、口を閉ざす必要はないそう。

職場にいると、どんなときでもいい顔はできませんよね。他人からの評価のように、自分の力で変えようがないものは、執着せず放っておくのがよいと同氏は述べます。禅語でこれを放下着(ほうげじゃく)と表すそう。相手に気を使わずとも、あなたの意見を理解して信頼してくれる人はいるはずですよ。

【5】自分の弱さを隠さない

脳には共感の役割をつかさどるミラーニューロンという神経細胞があるので、お互いの弱い部分を共有できれば、共感が生まれて良好な人間関係が築ける――。だからこそ、自分の弱さを隠す必要はないと、前出の梶本氏は言います。

たとえば「重要な仕事を任されたものの自信がなく、アドバイスがほしい。でもそんなことを言ったら周囲を困らせるのではないか」と気を使って何も言えずにいる人は、その不安な気持ちを思いきって素直に打ち明けてしまいましょう。同じ経験をしたことがある上司や同僚は親身になってくれるはず。不安なのは自分だけじゃないと安心感を得られて、気を使いすぎることによる疲弊を防ぐことができますよ。

「職場で気を遣いすぎて」疲れている人のための10のしないこと02

【6】自分より他人を優先しない

「本当は体調が悪いのに、頼まれたら断れず残業してしまう」

産業・心理カウンセラーの植西聰氏は、気を使って自分より他人を優先させる人は自己肯定感が低く、自分で自分の気持ちがわからなくなっている可能性があると述べます。

そんな状況に思い当たる人は、短くていいので日記を毎日書くとよいそう。日記には、その日の気持ちを必ず書きましょう。慣れてきたら「本当はこうしたかった」という反省も書き加えてください。そうすることで自分の気持ちがわかるようになり、他人優先の考え方が改善されるとのこと。

また自分の気持ちに素直に振る舞えば自己肯定感が高まり、自己肯定感が高まれば他人に気を使いすぎずにすむというように、よいサイクルが生まれるそうですよ。

【7】「人に迷惑をかけてはいけない」と考えない

植西氏によれば、日本人は「相手へ迷惑をかけること」に罪悪感を抱きやすいそう。気を使いすぎる人ならなおさらのことでしょう。

しかし、仕事に支障がない程度の少しくらいの迷惑はかけてもいいと同氏は説きます。たとえば「業務をたくさん抱えすぎているので、後輩に少し手伝ってもらう」「書類に不備があったのを同僚に修正してもらう」といった、普段からお互いさまでフォローし合っていることは許容範囲内だと言えます。

自分の迷惑も、他人の迷惑も許せる心のゆとりをもてば、自分が気を使いすぎる機会を減らせるだけでなく、周囲にも優しく接することができますよ。

【8】嫌なことを無理に続けない

気を使う嫌なことを無理に続けると、なぜこんなことをやらねばならないのかと相手を恨み、自分を責めることになるだろう――。そう説くのは、ベストセラー『エッセンシャル思考』著者で、アップルやグーグルなどのコンサルティングも行なうグレッグ・マキューン氏です。

もう嫌だと感じるほどに気を使うことをきっぱりと辞めるコツは、判断を関係性から切り離すこと。たとえば、昼休みは勉強時間に充てたいが、職場の人とランチに行くのが当たり前になっていてモヤモヤしている場合。相手が上司でも同僚でも同じように「資格試験が終わるまで勉強に専念させてください」と言ってしまったほうが、双方にとって思いやりがあると同氏は述べます。

またビジネス作家として60冊以上の著書をもつ臼井由妃氏いわく、「いつもお誘いいただき、ありがとうございます」といった相手の立場を尊重する真摯な態度を忘れなければ、嫌われることはないそうですよ。

【9】SNSでつながりっぱなしにしない

周囲に気を使いすぎる人は、人間関係の疲れをとるため、週1日でもいいからSNSを開かず、できればスマートフォンの電源をオフにして「ひとりきりの時間」をもったほうがいい。そう述べるのは、精神科医の名越康文氏です。

ひとりの時間が充実すると、他人軸に偏らず適切なコミュニケーションがとれるようになるので、人間関係で疲弊する場面は減るそう。ひとり時間に慣れない人は、カフェや公園、図書館といった落ち着く場所に出かけるところから始めるといいそうですよ。

【10】たまっているストレスを放置しない

「最近上司の表情が暗いのは、自分の行動に問題があるのではないか?」
「取引先のメール返信が遅いのは、何か不快にさせたからではないか?」

疲れきった心で物事を見ると、余計に悪く見えてしまう――。そう述べるのは、精神科医の西脇俊二氏です。これは、過度な気遣いによってストレスがたまっているときも例外ではありません。

西脇氏は、まずは心を修復して、正常に物事が見える状態にするべきだと述べています。心の修復には、一定の無理のない身体運動を続けるのが効果的とのこと。ガーデニングや掃除、ウォーキングといった軽めの運動、楽器の演奏など、自分が楽しめるもの、気持ちが楽になるものであればOKです。

休日や仕事終わりに楽しく体を動かして、心のメンテナンスをしてくださいね。

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「職場で気を使いすぎて」疲れている人のための10のしないことをまとめると、次のようになります。

「職場で気を遣いすぎて」疲れている人のための10のしないこと03

できることから、さっそく実践してみましょう!

(参考)
大嶋信頼 (2018), 『「気にしすぎてうまくいかない」がなくなる本』, あさ出版.
梶本修身 (2017), 『すべての疲労は脳が原因 3 仕事編』, 集英社.
枡野俊明 (2021), 『仕事も人間関係もうまくいく放っておく力 もっと「ドライ」でいい、99の理由』, 三笠書房.
植西聰(2019), 『自己肯定感を育てるたった1つの習慣』, 青春出版社.
プレジデントオンライン|「やりたくない仕事」を気持ちよく断る8つのレパートリー 仕事ができる人ほど断りがうまい
NIKKEI STYLE|角が立たない上手な断り方で自分の時間を確保
タウンワークマガジン|人に合わせることに気を使い過ぎて疲れています
西脇俊二 (2018), 『自分の「人間関係がうまくいかない」を治した精神科医の方法』, ワニブックス.

【ライタープロフィール】
かのえ かな
大学では西洋史を専攻。社会人の資格勉強に関心があり、自身も一般用医薬品に関わる登録販売者試験に合格した。教養を高めるための学び直しにも意欲があり、ビジネス書、歴史書など毎月20冊以上読む。豊富な執筆経験を通じて得た読書法の知識を原動力に、多読習慣を続けている。

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