医師・弁護士・東大生はなぜ頭が良いのか? 「勉強エリート」たちのすごい勉強法。

エリートの勉強法01

なにごともすぐに結果が出ないからこそ、人は向上心を持って努力し続けることができるもの。とくに勉強においては、日頃からコツコツと努力を重ねた者だけが結果を出せると思われています。

しかし、なかには努力しているのに結果が出なくてうんざりしている」「どんなに時間をかけて勉強しても身についている実感がないと悩んで諦めかけている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、毎日忙しく過ごしているビジネスパーソンに向けて、効率的で成果がすぐに出るお手軽な勉強法を紹介します。

1. 医師・猪俣武範氏は優先順位を「トリアージ」で決める

医師として勤務しながらもゼロから英語を勉強してハーバード大に留学、同時にボストン大学でMBAを取得……という華麗なる経歴の持ち主である猪俣武範氏。著書『最強の勉強法』では、忙しいビジネスパーソンでも本業の仕事と勉強を両立できる効率的な方法を紹介しています。

猪俣氏は限られた時間の中でいかに効率よく勉強を進められるかは、優先順位を明確化することによって大きく変わるといいます。その方法は医師らしく「トリアージ」の手法を取り入れたもの。

まずは、いま現在自分がやらなければならない “タスク” を一覧にしましょう。

  • 5年後の独立に向けて取得するべき資格の資料を取り寄せる
  • 資格取得のためのテキストを1ヶ月30ページずつ進める
  • 教養をつけるために1週間に2冊本を読む
  • 集中して勉強できるワーキングスペースを見つけて契約する
  • 資格取得のための参考書を書店に買いに行く

このように、どんなに細かいことでも抜けのないように書き出すのがポイントです。たとえ「忘れるはずがない」と自信があったとしても、いったん意識から遠ざかってしまうと、つい後回しにしてしまいがち。期限が迫ってから慌てて取りかかることになると、ペースが崩れてほかのタスクにまで影響を及ぼしかねないので、できるだけ細かいリストを作成してください。

すべてのタスクを一覧化したら、いよいよ「トリアージ」を始めます。本来の意味と同様に、緊急性を重視した優先度をつけていきましょう。勉強に置きかえると、優先すべきは重要度の高い順期限の近い順であることがわかると思います。優先度の高さは臨機応変に変えなければなりませんが、たとえば次のように順番をつけてみましょう。

  1. 5年後の独立に向けて取得するべき資格の資料を取り寄せる
  2. 資格取得のための参考書を書店に買いに行く
  3. 集中して勉強できるワーキングスペースを見つけて契約する
  4. 参考書を1ヶ月30ページずつ進める
  5. 教養をつけるために1週間に2冊本を読む

もちろん、誰もが勉強を始める前にしっかりとした計画を立てているはずです。しかし、「○日までに○ページまで進める」といった計画に縛られてしまうと、自分にとって優先すべきことを見失ってしまうでしょう。

「トリアージ」を意識していないと、そのときの気分や得意・不得意で取りかかる順番を変えてしまい、「緊急性が高く重たいタスク」が先送りになりがちです。その危険を回避するためにも、ぜひ重要度の高いものから片づけるように意識しましょう。

エリートの勉強法02

2. 実業家・石井貴士氏は20分~1時間ごとに暗記を繰り返す

『1分間勉強法』シリーズを生み出した石井貴士氏は、たった3ヶ月で偏差値を30から70まで上げた経験の持ち主です。石井氏は、暗記法を根本から見直したことで確実な結果に結びついたといいます

有名なエビングハウスの忘却曲線によると、一度覚えたことも20分後には42%1時間後には56%忘れてしまうとのこと。そこで、記憶が50%程度残っている20分から1時間後にもう1回復習をするという方法がいいといいます。

その効果を裏づけする根拠は、元アナウンサーの経歴をもつ石井氏ならではです。

この方法がなぜ正しいと思ったかというと、テレビのCMが全く同じ原理でできていて、(中略)テレビって15分ごと位に1回CMが入りますよね。人間の短期記憶の限界が20秒なので、15秒とか20秒のCMを15分ごとに入れていくと、嫌でも覚えてしまうという仕組みなんです。

(引用元:出口汪オフィシャルウェブサイト|1分間勉強考 出口汪×石井貴士|第二部『1分間勉強法』の成功を論理的に考える

石井氏は20分から1時間後くらいにもう1回刺激を入れることを意識して、かつ記憶を定着させるためにも1日に3回はその方法を繰り返すと効果的だと述べています。1回に時間をかけるよりも、うまく間を空けて良いタイミングで繰り返すことで、記憶の定着に結びつくのですね。

エリートの勉強法03

3. 弁護士・佐藤大和氏は先に答えを読む

とにかく効率重視で確実に結果を出したい方におすすめなのが、弁護士の佐藤大和氏が編み出した勉強法です。

ある手法を取り入れたことで、偏差値30から難関の司法試験に一発で合格できた佐藤氏。それは先に答えを見る→問題を見る→参考書を読むという、普通とは逆の流れで勉強する『カンニング勉強法』です。

小さいころから「まじめにコツコツやってこそ学んだことが身につく」と教えられてきた私たちにとって、この勉強法は一見邪道であるかのように感じられます。しかし佐藤氏は、先に答えがわかっていることで、その答えを導き出すための解説を読んだ瞬間に「この方法で答えを出せばいいのか」と、スムーズな理解につながるといいます。

問題を理解してから答えを導き出そうとすると、時間ばかりがかかってしまい効率的ではありません。一方、この『カンニング勉強法』であれば、覚えなければならないことが大量にあったとしても、問題を理解する時間を省くことができます。この方法は最短で最強の結果を出せる勉強法として非常に効果的だといえるでしょう。

さらに、メンタルコーチの三浦将氏によると、「答えを先に読む学習法は、メンタル面のハードルが下がるので習慣化しやすい」とのこと。たしかに、答えがわからないまま問題文を読むのに比べて、あらかじめ答えがわかっている問題の解説を読むことは、安心感が段違いです。勉強に向き合う気持ちの余裕にもつながる『カンニング勉強法』、一度試してみると、サクサクと問題をクリアしていく気持ち良さを感じられるはずです。

エリートの勉強法04

4. 現役東大生ライター・西岡壱誠氏は白い紙にアウトプットする

『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』の著者・西岡壱誠氏は、高校時代の成績が学年最下位であったものの、2浪の末に東大合格を果たした人物です。

最下位といっても、西岡氏は高校時代に勉強をサボっていたわけではありません。むしろ1日10時間も勉強していたのに、2年間まったく成績が上がらなかったといいます。そこで、イチから勉強法を見直し、ある方法を取り入れたことでぐんぐん成績が伸びていき、ついに偏差値70を叩き出したそうです。

その方法とは、1日の終わりに「今日勉強したことを真っ白い紙に再現できるか」を確認する『アウトプット勉強術です。

今日習ったこと、勉強したことを、何も見ないで再現できるかを自分で試すのです。(中略)こうやって再現できるかどうかをチェックすれば、自分が覚えきれていなかった事項を客観的に理解できるようになります。さらに「白い紙に再現しなきゃならない」と考えていれば、勉強しているときも「再現できるように」勉強する習慣がつく。「真っ白い紙に再現する」というアウトプットのお陰で、インプットの質も上がるのです。

(引用元:東洋経済ONLINE|元偏差値35の東大生が教える「残念な勉強法」

偏差値95で京大に首席合格を果たした粂原圭太郎氏も、アウトプットの重要性を説いています。粂原氏によると「アウトプットはインプットしたらなるべく早くすることが大切」とのこと。それは、インプットした直後の知識は、いろいろなかたちに変えやすい状態にあるからです。

インプットしてすぐに紙に書き出したり、誰かに話したりするなど、なんらかのかたちでアウトプットすることで、頭に入ったばかりの知識が整理できるといいます。そしてアウトプットを習慣づけると、インプットするときに「どうやってまとめようか」と意識するようになるので、より集中して勉強に取り組むことにもつながるのです。

精神科医の樺沢紫苑氏は、「よほど頭がいい人は別として、本を『読む』、講義を『聞く』というインプットだけでは、その内容を記憶できない」と述べます。しっかりと記憶するためには、「書く」「話す」などのアウトプットが重要であることは間違いありません。

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「頭が良い」といわれる人の勉強法は、決して特別なものでも難しいものでもなく、誰にでも挑戦できるものばかりです。これまでの勉強法ではいまいち効果を感じられない人こそ、ぜひ試してみてください。

(参考)
猪俣武範(2016),『ハーバード×MBA×医師 目標を次々に達成する人の最強の勉強法』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.
出口汪オフィシャルウェブサイト|1分間勉強考 出口汪×石井貴士|第二部『1分間勉強法』の成功を論理的に考える
佐藤大和(2016),『ずるい勉強法ーーーエリートを出し抜くたった1つの方法』, ダイヤモンド社.
ダイヤモンド・オンライン|問題は絶対に解かない。最初は答えだけを見ていく
J-CAST|掟破りの勉強法で実力アップ! 問題集はまず「答えチェック」から(23)
東洋経済ONLINE|元偏差値35の東大生が教える「残念な勉強法」
Study Hacker|京大首席合格者が読書後に実践する「A4用紙アウトプット術」が思考整理に効く。
Study Hacker|記憶効率を上げる黄金比は「3:7」だ。勉強に脳科学を取り入れるべし。

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