いつも職場の雰囲気をよくしてくれる “あの人” がしている3つのこと。慕われる人は○○の数が違う

笑顔でハイタッチをしている男女のビジネスパーソン

あなたの職場に、いるだけで雰囲気を和ませてくれる人はいませんか? それとは反対に、なぜかいつも空気をギスギスさせる人がいる……そんな職場もあるかもしれません。

そこでこの記事では、職場の雰囲気をよくする人と悪くする人の言動の違いを3つご紹介します。ぜひ、チームをいいムードにするコツを押さえて、周囲から慕われる人を目指しませんか?

1.「人に仕事を頼むときの態度」が違う

いるだけで職場の雰囲気を和ませる人と、なぜかギスギスさせてしまう人は、誰かに仕事を頼むときの態度が違うようです。

みなさんは、Aさんに頼まれた仕事なら手伝いたいと思うけれど、Bさんに同じ仕事を振られたら「面倒だなあ」「できればやりたくない」と感じてしまう……といったことはありませんか? そんなAさんとBさんの違いはどこにあるのか、考えてみましょう。

ビジネスコンサルタントの山﨑武也氏が、こう説明しています。

「気持ちよく仕事を引き受けてもらえる人」の場合には、たとえ上司と部下の関係性においても「指示をする」のではなく、「仕事をお願いする」意識をもっているのです。

その反対に、「『この人の頼みは聞きたくない……』と思われてしまう人」は「高圧的な言動で指示」を出しているものなのだとか。

(上記引用枠内、カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|「あの人がいるだけで職場の雰囲気がよくなる」と評される人が自然とやっていること ※太字は筆者にて施した)

山﨑氏がSTUDY HACKERのインタビューで語った内容をふまえると、両者の言動には、たとえばこんな違いがあると言えます。

  • 気持ちよく仕事を引き受けてもらえる人:
    「ちょっと悪いんだけど、資料の作成をお願いできる?」
    「忙しいところ急にすみません、ミーティングへの参加をお願いします」

  • この人の仕事は引き受けたくないと思われてしまう人:
    (なんの前触れもなく)「資料を作成してください」
    (相手の事情はなんら気にせず)「いまからミーティングに参加して」

大切なのは、相手の状況もちゃんと考慮したうえで仕事を “お願い” すること。そして、この姿勢は、上司と部下という関係に限らず、同僚どうしの関係性においても重要なものです。

上から目線で、相手の都合も考えず急に仕事を振る人。かたや、相手を思いやり、仕事を頼むときはお願いする姿勢を忘れない人――どちらが職場の雰囲気を和ませるかは、明らかですね。

誰かに仕事をやってもらいたいとき、「この人の頼みは聞きたくないんだよな」と相手に思わせてしまわないために、頼むときの態度にはぜひ気を配りたいものです。

職場でPCを見ながら笑顔で話す同僚

2.「コミュニケーションの楽しみ方」が違う

職場の雰囲気を和ませる人とそうでない人とでは、仕事上のコミュニケーションに対する意識にも違いがあるよう。チームをいい雰囲気にする人は、ユーモアを取り入れているのです。

社会学者の瀬沼文彰氏によると、「ユーモアには、心理的安全性を高めるというメリット」があるのだそう。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「雑談も冗談も御法度」日本の職場の超深刻な欠点

心理的安全性とは、「組織のなかで誰に対しても、自分の考えや気持ちを安心して発言できる状態」のことです。(ビジネス・ブレークスルー大学教授 斉藤徹氏の解説。カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|強いチームの必須条件「心理的安全性」を築けるリーダーの7つの特徴。最重要は “この2つ”

つまり、職場でユーモアのあるコミュニケーションが行なわれると、人は「ここでなら自分の意見を遠慮せず言える」と思えるわけです。

たとえば、転職や異動で職場が変わると、最初はとても緊張してしまうものですよね。そんなとき、くだらない冗談を言う上司や同僚がいて、笑い合える雰囲気の職場であれば、緊張がちょっとほぐれると思いませんか? 逆に、まじめなことしか言わない職場だったら、いつまでも緊張状態が続き、なかなかチームに馴染めないかもしれません。

ほかの例も考えてみましょう。“ちょっと突飛だけれど、検討する価値のあるアイデア” を思いついたとき、上司も同僚もまじめな発言ばかりの職場である場合、「こんなアイデアを話したら、チームのみんなから否定されるかも……」と、せっかくのアイデアを共有できないかもしれません。しかし、ユーモアが受け入れられる雰囲気の職場であれば、「どんな意見も聞いてもらえるから大丈夫。話してみよう!」と思えるのではないでしょうか。

「本当にいいアイデアへと発展」させていくには「まずは、どんなにくだらないアイデアでも受け入れてもらえる余裕と、遊び心のある環境が必要」と瀬沼氏が言うように、ちょっとしたユーモアを笑い合える環境は大切なのです。(カギカッコ内引用元:同上)

さらに、スタンフォード大学教授のジェニファー・アーカー氏らは、こんな調査結果を紹介しています。

調査によれば、多少なりともユーモアのセンスがあるリーダーは、冗談を言わないリーダーに比べて27%多く、部下のモチベーションを高め、尊敬を得ていた。部下のエンゲージメントは15%高く、創造性に関わる課題を解決するチームの数は倍以上だった。

(カギカッコ内引用元:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|職場のユーモアは従業員のパフォーマンス向上に不可欠だ

この結果からは、仕事にユーモアを取り入れるリーダーのほうが、そうでないリーダーに比べて、部下からの信頼が厚いことがわかります。ユーモアはただ人を笑わせるだけではなく、部下を安心させ信頼感を抱かせるという重要な役割をもっていると言えるでしょう。

PCを見ながら仕事の話をしている男女

3.「ありがとうございます」の数が違う

職場の雰囲気を和ませる人とギスギスさせる人とでは、「ありがとうございます」と言う回数が違うようです。感謝を伝えることを大事にするのが、チームの雰囲気をよくする人の特徴なのです。

ビジネス作家の臼井由妃氏いわく、「特にビジネスの場での人間関係では、『感謝をきちんと伝える』のは、大切」。その理由について「感謝されるとうれしいですしもっと役に立ちたいと思うもの」だと述べています。(カギカッコ内引用元:NIKKEIリスキリング|感謝の気持ちを伝える「究極のテクニック」とは?

また職場の人間関係に関する専門家であるエイミー・ギャロ氏も、

あなたが同僚に感謝の思いを伝えると、同僚は自分の価値を認められたと感じ、進んで助けてくれるようになる。

と説明。

(同氏がハーバード・ビジネス・スクール教授 フランチェスカ・ジーノ氏らの研究に言及しまとめたもの。引用元:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|同僚に感謝の気持ちを伝えることは、自分にも相手にも有益である

「ありがとう」と伝えれば、相手は嬉しくなり、もっといい仕事をしようという前向きな気持ちにもなれるわけです。“感謝をする人” がいるだけで、チームの雰囲気はよくなると言って間違いないはず。

ならば積極的に「ありがとう」を伝えていきたいですよね。では、具体的に、どのように感謝を伝えればよいのでしょうか。

前出の臼井氏がすすめる方法を、“職場でミスをして同僚に助けてもらった” というケースに当てはめながらご紹介します。(以下参考「前出のNIKKEIリスキリング」記事。例は筆者が作成)

【すぐに伝える】
なにかをしてもらったら、すぐに感謝を伝える。コツは「笑顔で相手の目を見ながら、明るい声で、語尾まではっきりと」。

(例)

  • 助けてもらった直後に「ありがとうございました!」
  • 助けてもらった直後に「~~のフォローをしていただいて、とても助かりました」

【何度も伝える】
多少しつこいくらいでいいので繰り返し伝える。

(例)

  • 「今日は~~の対処をしていただきありがとうございました。本当に助かりました。ありがとうございました!」
  • 助けてもらった直後に「ありがとうございます」。そして別れ際にもう一度、「今日の~~のときは、〇〇さんのおかげで本当に助かりました。ありがとうございました」。

また、上記の例にも示したように「具体的な事柄を示す」こともポイントだそうですよ。

「ありがとう」と言われて、嫌な気持ちになる人はいないはず。よくしてもらった相手にあふれるほどの感謝を伝えていれば、あなたの職場は自然といい雰囲気になることでしょう。

***
職場の雰囲気を和ませる人がしている言動は、すぐに実行できるものばかり。「もしかしたら、自分は職場の空気を悪くしていたかも……」と気づいたなら、記事で紹介した3つのことをぜひ取り入れてみてくださいね。いいムードをつくり出せる人を目指しましょう。

(参考)
STUDY HACKER|「あの人がいるだけで職場の雰囲気がよくなる」と評される人が自然とやっていること
東洋経済オンライン|「雑談も冗談も御法度」日本の職場の超深刻な欠点
STUDY HACKER|強いチームの必須条件「心理的安全性」を築けるリーダーの7つの特徴。最重要は “この2つ”
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|職場のユーモアは従業員のパフォーマンス向上に不可欠だ
東洋経済オンライン|「尊敬できない上司」にありがちな10の悪習
NIKKEIリスキリング|感謝の気持ちを伝える「究極のテクニック」とは?
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|同僚に感謝の気持ちを伝えることは、自分にも相手にも有益である

【ライタープロフィール】
西ひとみ
大学では教員養成課程に在籍。大学院では英語教育を専門に学んだ。小学校教員免許、中学・高校教員免許(英語)を取得済。高校教師、小中学生向け塾講師としての指導経験がある。よりよいコミュニケーション法や最新脳科学への関心が高く、日々情報収集に努めている。

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