「あの人がいるだけで職場の雰囲気がよくなる」と評される人が自然とやっていること

山﨑武也さん「あの人がいるだけで職場の雰囲気がよくなると評される人がやっていること01

みなさんのまわりには、なぜかあの人がいるだけでチームの雰囲気がよくなると思われる人はいませんか? 複数の人がチームをつくって仕事を進める社会人にとっては、ビジネススキル以上に重要なことかもしれません。では、そんな人たちはいったいどんな振る舞いをしているのでしょうか。ビジネスコンサルタントとして長く活躍を続ける山﨑武也(やまさき・たけや)さんに、お話を聞きました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/河合秀直

「気持ちよく仕事を引き受けてもらえる人」がもつ「人間性」

「あの人がいるだけでチームの雰囲気がよくなる」と思われる人は、人間性を必ずもち合わせています。

たとえば、上司が部下に指示をするような場面で、「気持ちよく仕事を引き受けてもらえる人」と「『この人の頼みは聞きたくない……』と思われてしまう人」にも、人間性に違いがあります。ここでは、「上司」の人間性について考えてみましょう。

そもそも、前者のような人は、「指示」という意識をもっていません。指示とは、「こうせよ」と指図することです。もちろん、上司と部下の関係であるなら、上司から指示をするのは悪いことではないのかもしれません。

ただやはり、「気持ちよく仕事を引き受けてもらえる人」の場合には、たとえ上司と部下の関係性においても「指示をする」のではなく、「仕事をお願いする」意識をもっているのです。もちろん、お願いするとはいっても、ただぺこぺこと卑屈な態度でお願いすることではありません。

「気持ちよく仕事を引き受けてもらえる人」は、優れた人間性をもち合わせているがゆえに、部下や同僚の仕事の状況にもしっかり目を配っています。そのため、いま多くの仕事を抱えている部下や同僚がいるとして、その人にどうしても任せなければならない仕事がある場合には、自然と「ちょっと悪いんだけど」といった言葉を添えてお願いする姿勢になるのです。

これはもはや自明でしょう。いつでも高圧的な言動で指示をしてくる人と、「ちょっと悪いんだけど」とお願いをしてくる人——どちらの仕事なら気持ちよく引き受けられるかは、考えるまでもありません。

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リモートワークが広まったいまは、注意が必要

「上司」を例に考えてきましたが、もちろんここまで述べてきたことはどんな立場の人間にも該当します。上司の立場でなくとも、同僚どうしで協力し合うときには、同僚に対して仕事をお願いする場面もあるでしょう。

そう考えると、普段から周囲とのコミュニケーションをしっかりとっておくことが何より肝要になります。周囲の人たちが置かれている状況を知るには、コミュニケーションが欠かせません。

ですから、コロナ禍の影響でリモートワークになった人の場合には、より注意が必要かもしれませんね。オンライン会議ツールなどを使えば顔を見ながらコミュニケーションをとれるとはいえ、やはり対面の場合と比べると、そのコミュニケーションは薄いものになりがちです。

あるいは、ほとんどのコミュニケーションが、チャットツールやメールだけという人もいるかもしれません。みなさんにも一度や二度は経験があると思いますが、会話とは違って、文字だけによるコミュニケーションでは、真意が伝わらずに齟齬が生じることがよく起こります。それでは、コミュニケーションを通じてお互いの信頼関係を築くのも難しくなります。

リモートワークをしている人にも、多くの場合は出勤日があるはずです。その少ないチャンスを逃さず、上司や部下、同僚などと積極的にコミュニケーションをとる重要性が、いまは増している時代なのだと思います。

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ミスが起きたときは、人を責めずに「ミスが起きた」事実を責める

もうひとつ、あるシチュエーションを例に考えてみましょう。ここでもまずは「上司」の例で考えてみます。今度は、チームの誰かがなんらかのミスをした場面で、「メンバーを責めずに問題の対処にあたれる人」「メンバーを責めてしまう人」の違いです。それもやはり、人間性に違いがあることになります。

なぜなら、前者はまず自分を振り返るからです。誰かのミスによってトラブルが起きた場合にも、まずは「自分の言い方が悪かったのではないか?」「自分から伝達した内容に抜けがあったのではないか?」と考えます。もしそれで「自分にもミスを招いた原因がある」と思えば、ミスを起こしたメンバーを責めるようなことはなく、それどころか謝罪をするでしょう。

そして大切なのは、ミスをした人ではなくミスそのもの、あるいはミスが起きた要因にフォーカスをあてることです。どれだけミスをした人を責めても、ミスが起きたことは事実であり、そのままでは状況は一向に改善されないからです。人を責めずにミスが起きた事実を責めるわけです。

組織で進める業務におけるミスは、多くの場合、その要因は誰かひとりだけにある、ということはほとんどありません。もちろん、ミスをした本人にもある程度の要因はありますが、先の例のように仕事を頼んだ側に問題がある、あるいは組織の情報伝達の仕組み自体に問題があることも考えられます。

それらの要因をしっかり見つけ出して問題を解消しないかぎりは、また同じようなミスからトラブルを招くことにもなるでしょう。「メンバーを責めずに問題の対処にあたれる人」は、優れた人間性を備えているだけでなく、このことも強く認識している人なのだと思います。

そして、当然ながらこれも「上司」という立場にいない人間にもあてはまることです。チームの誰かがミスを犯したことで余計な仕事が増えてしまえば、そのメンバーを責めたくなるのもわかります。でも、そのミスの原因は、本当にミスを犯した本人だけにあるでしょうか? そして、そのメンバーを責めたところで状況は改善されるでしょうか? そういう視点をもつことができれば、「メンバーを責めてしまう人」にはならないはずです。

山﨑武也さん「あの人がいるだけで職場の雰囲気がよくなると評される人がやっていること04

【山﨑武也さん ほかのインタビュー記事はこちら】
上司から「育てたい」と思われる部下の特徴。部下から「ついて行きたい」と思われる上司の特徴
「一流になりたい」と思うのなら「普通の人」を目指すほうがいい、深い理由

【プロフィール】
山﨑武也(やまさき・たけや)
1935年2月8日生まれ、広島県出身。ビジネスコンサルタント。1959年に東京大学法学部卒業後、商社の財務部門に所属し、1961〜1967年までニューヨーク勤務。そのあいだ、ニューヨーク・スクール・オブ・インテリア・デザインでインテリア・デザイン、ファッション工科大学でファッション、ニューヨーク大学でマーケティング等をそれぞれ学ぶ。1970年に独立。ビジネスコンサルタントとして国際関連業務に幅広く携わるかたわら、茶道など文化面でも活動を続ける。著書には、ベストセラーとなった『一流の条件』(日本能率協会)をはじめ、仕事術、仕事にまつわる人間関係に関するものが多い。ほかに、『なぜか感じのいい人が気をつけていること』『一流の人の心の磨き方』『好かれる人のちょっとした気の使い方』『気くばりがうまい人のものの言い方』『さりげなく「感じのいい」人』(いずれも三笠書房)、『老後になって後悔しないために、知っておくべき88のこと』(日本実業出版社)などの著書がある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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