たった3回 “合計17分”! 記憶が1ヶ月も続く「最高の復習タイミング」があった。

一夜漬けはなぜダメ01

「直前に覚えないと忘れてしまうから」
「前日までやる気が起きなかった」
このような理由で、一夜漬けをしてはいませんか?

翌日のテストではかろうじて点数が取れるかもしれません。しかし一夜漬けでは、記憶を長期的に定着させるのは難しいですよ。

せっかく時間を割いて学ぶのですから、身になる勉強方法で効率よく学びませんか。今回は、多忙な学生や社会人のために、効果的な記憶方法をご紹介します。

一夜漬けはなぜ厳禁なのか

UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の教授であるアンドリュー・ファリーニ氏によると、試験や宿題のために夜遅くまで勉強することは、学習において逆効果だそう。 

No one is suggesting that students shouldn't study(中略)But an adequate amount of sleep is also critical for academic success. These results are consistent with emerging research suggesting that sleep deprivation impedes learning.

勉強するなと言っているわけではありません。(中略)ただ、十分な睡眠は学力の向上には欠かせません。睡眠不足は学習を妨げるという研究結果が、それを証明しています。

(引用元:UCLA Newsroom | Cramming for a test? Don't do it, say UCLA researchers | http://newsroom.ucla.edu/releases/cramming-for-a-test-don-t-do-it-237733 ※和訳は筆者が補った)

どんなに勉強に励んでも、睡眠時間を削ってしまっては、かえってマイナスになるようです。忙しい人が勉強時間を捻出しようとすると、どうしても睡眠時間にしわ寄せが行ってしまいますが……頭の片隅に置いておきたい注意点ですね。

それでは、記憶を効率よく長期的に定着させるには、どうしたらいいのでしょうか。

一夜漬けはなぜダメ02

反復学習より「インターリーブ学習」

多くの人が、記憶を定着させるためには、同じことを何度も繰り返し学習する「反復学習」が大切だと思っているのではないでしょうか。反復学習は大事ですが、もっと効果的な記憶方法があります。関連する複数の科目を同時に学習する「インターリーブ学習法」です。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のロバート・ビョーク博士らは、学生を対象に、複数の画家の作風を記憶させる実験を行ないました。実験の結果、作風をひとりずつ順番に学習していった学生よりも、複数の画家の作風をランダムに学習した学生のほうが、よい成績を残したそうです。

ビョーク博士いわく、「ある情報をほかの事柄と関連づけて習得すると、はるかに大きな学習効果がある」のだそう。覚えなければならない複数の事柄を、関連づけして記憶することで、学習効果が高まるのです。

たとえば、試験前に科目を総復習する際、「経営学と経済学」「英文学史と米文学史」のように、関連性のある2科目を同時に勉強するのがおすすめです。2つぶんの勉強道具を並べ、タイマーなどで時間を区切って交互に学習しましょう。インターリーブ学習法によって、知識が効率よく頭に入っていきますよ。

一夜漬けはなぜダメ03

忘却曲線に沿った17分間の復習

「忘却曲線」を制する者はテストを制する、と言っても過言ではありません。記憶が失われるタイミングに合わせて復習をすることで、長期的に記憶を維持できます。

ウォータールー大学の研究によると、1時間分の講義の記憶を保つには、

  • 講義から24時間以内の10分間
  • 講義から1週間以内の5分間
  • 講義から1ヶ月以内の2〜4分間

のたった3回、合計17〜19分間復習するだけでよいそう。最初に勉強したときとほぼ変わらない記憶を、1ヶ月以上保てるとのことです。

人は1日の間に膨大な感覚情報を得ますが、得た情報のすべてが重要というわけではありません。脳は、どれを記憶し、どれを忘れるかを判断する必要があります。記憶を取捨選択する基準として、思い出した回数が多い事柄を記憶する仕組みなのです。

したがって、講義のあと忘却曲線に合わせて短時間・複数回復習するほうが、テスト前にまとめて詰め込むよりも、しっかり記憶として定着するということ。たった17分間復習するだけで、テスト前に詰め込まなければならない量は大幅に減り、記憶はより定着するので、非常に合理的ですよ。

一夜漬けはなぜダメ04

勉強前の運動はメリットだらけ

医学研究者であり精神科医のアンダース・ハンセン氏は、著書『一流の頭脳』において、記憶力に関し動かずに覚えるよりも、動きながら(もしくは動いてから)覚えたほうが定着率ははるかに高いと述べています。

ある実験では、単語テストをする際、運動しながら(もしくはしてから)暗記したほうが、何もしないで暗記した人に比べ、覚えられた単語が20%増えたそう。記憶をより定着させるためには、危険のない場所で歩きながら、もしくは軽い運動をしてから勉強するのがおすすめです。

また、脳科学者の澤口俊之氏によると、勉強へのやる気を出す最も簡単な方法が有酸素運動なのだそう。毎日の10分から20分の早歩きが効果的だといいます。勉強の前に軽くウォーキングをする習慣をつくると、やる気が出るうえに記憶の定着率も向上して、一石二鳥ですね。

さらにハンセン氏によると、運動は脳の加齢を遅らせてくれるのだとか。身体を動かすと「BDNF」という物質が分泌され、脳細胞が死んだり傷ついたりすることを防げるそうです。物覚えが悪くならないよう、定期的に運動することが賢明といえるでしょう。

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忙しい人にとってこそ、貴重な時間を上手に使って、効率よく記憶を定着させることに価値があるのではないでしょうか。自分に合う勉強法を探してみてくださいね。

(参考)
UCLA Newsroom|Cramming for a test? Don't do it, say UCLA researchers
The Atlantic|Using Pattern Recognition to Enhance Memory and Creativity
University of Waterloo|Curve of Forgetting
SCIENTIFIC AMERICAN|Why Do I Think Better after I Exercise?
American Psychological Association|Exercise fuels the brain's stress buffers
BrainFacts.org|Diet & Lifestyle
George Armitage Miller (1956), The Magical Number Seven, Plus or Minus Two: Some Limits on Our Capacity for Processing Information, America, Psychological Review
アンダース・ハンセン(2018),『一流の頭脳』, サンマーク出版.
STUDY HACKER|繰り返し書いて覚えるよりも効果的!? 「インターリーブ学習法」のすごい効果
STUDY HACKER|勉強には「変化」をつけよう。大きな学習効果を生み出す “インターリーブ勉強法”
STUDY HACKER|“たった17分間の工夫” で記憶を1ヶ月キープできる魔法のテクニック。
STUDY HACKER|「勉強が得意な人」にとっては “当たり前すぎる” 常識。なぜ彼らは絶対に一夜漬けをしないのか? 

【ライタープロフィール】
Yuko
大学卒業後、外資系企業に就職。現在は会社を辞め、ライター・翻訳家として活動中。趣味は散歩、ヨガ、カフェ巡り。

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