「怒り」を味方にできると超絶に強い。“怒りのパワー” どこに向けていく?

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長きにわたった戦国戦乱の世に終止符を打ち、長期平和の礎を築いた徳川家康公の遺訓には、「いかりは敵とおもへ(怒りは敵と思え)」といった一文があります。

でも、怒りは健全なものでもあるそうですよ。怒りを無理に抑圧する日々をお送り、いまひとつ調子が出ない方に、怒りの真相と活用法を紹介します。

「怒り」とは?

米ウィスコンシン=グリーンベイ大学心理学部の責任者であるライアン・マーティン博士は、『TED』のスピーチで「怒り」についてこう説明しています。 

【怒りとは――】

  • 自分に起こったことを、どう解釈するか
  • 自分の置かれた状況の中で、どう受け取るか

たとえば、15時に後輩から書類を受け取り、16時の打ち合わせに出席するはずが、うまく伝達されておらず書類を受け取れなかった場合。

「なんで書類を持ってこないんだ!」と怒りを覚えても、「まあ、いいか、必ずしも今日必要な書類じゃないし」「うまく伝わっていなかったなら仕方がない」と思えばそう腹も立ちません。

しかし、そのときあなたに空腹感疲労感心配事などがあった場合、怒りのきっかけとなった物事の刺激がより強くなってしまうそうです。

そこでつい苛立ちを覚えてしまいがちですが……、

たとえば「打ち合わせで修正する箇所が出てきたから、むしろ今日はあの書類がなくて良かったな」「下手に見せていたら、余計に仕事が増えたかも」などとと解釈した場合、怒りはどこかへいってしまいます。

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「怒り」のステップとは?

つまり、何かが起こったとき、

  • 【一次評価】:これは良いことか悪いことか? 公平か不公平か?
  • 【二次評価】:この出来事は今の自分にとって、 どの程度ひどいのか?

と段階を踏んで物事に評価を下していきますが、評価によっては怒りがわき上がったり、収まったりするわけです。

しかし、前項の例でいうと、いったん怒りが収まりかけたにもかかわらず……、

「もし、今日の打ち合わせであの書類が必要だったとしたら、いったいどうしてくれるんだ。こっちが上司に注意を受けてしまうじゃないか。

『伝わっていなかった』なんていっているが、本当は忘れていたのをごまかしたんじゃないの? もしかして、私をバカにしているんじゃないだろうか?」

などと受け止めてしまったら、後輩への怒りが爆発してしまいます。

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マーティン博士によれば、こうした思考の流れを 破局的思考というそうです。物事を、悪いほうへ、悪いほうへと解釈し、ついには怒りを慢性化してしまうのだとか。

「怒り」は強い味方だった?

しかし、ライアン・マーティン博士は『TED』のスピーチで、「怒りは健全な力であり、力強い味方だ」と明言しています。

冒頭で述べたとおり、多くの場合は怒りを「敵」や「悪」や「問題」だと考えますが、マーティン博士によれば怒りを感じるのはいいことであり、必要なことなのだそう。

米テンプル大学フォックスビジネススクールのディアンナ・ゲッデス(Deanna Geddes)教授も、「怒りは健全な感情だ」と、『Business Insider』に語ったそうです。

両者がそう述べる理由は、怒りに次の作用があるから。

  • 不当な物事の存在を知らせてくれる
  • もう忍耐の限界だと伝えてくれる
  • 不当な物事に立ち向かう原動力になる
  • 交感神経が働き、対応するための力がわく
  • 何かが気分を害していると教えてくれる
  • 行動を後押ししてくれる

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ただし、「怒り」が味方になるのは、“いい方向” へと活用した場合に限ります。

「怒り」の正しい活用法

ライアン・マーティン博士は、怒りがこみ上げた際、決して抑え込もうとしないようアドバイスしています。怒りが教えてくれたことに、意識を向けてみるといいのだそう。そして、怒りをもとに行動を起こせばいいそうです。

ただし、「健全な怒り」と、「攻撃性・敵意・暴力」が、共存することはいっさいありません。

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攻撃・敵意・暴力は絶対ダメ!

怒りのパワーは、前向きで生産的な何かに向けることでのみ、活かされるとのこと。

たとえば、

  • 怒りの原動力で一気に単純なタスクを終わらせる
  • 怒りの原動力でアートや音楽、文学などの創作に打ち込む
  • 怒りの原動力でスポーツに打ち込む
  • 怒りの原動力で同じ考えを持つ仲間を募る

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といったことなどです。

ゲッデス教授は「怒りの原因について考えることも有益」だといいます。客観的になれて、「よし、やってやろうじゃないか!」と、行動力を高めてくれるからではないでしょうか。冷静さを取り戻す助けにもなるでしょう!

***
ちなみに筆者の経験では、怒りを覚えているときにひたすら家事をすると、想像以上に速く片づきます。ぜひ、怒りと仲良くして、有効活用してくださいね。

(参考)
TED Talk|ライアン・マーティン: 人はなぜ怒るのか そして怒りはなぜ健全なのか 
BUSINESS INSIDER JAPAN|なかったことにしないで! 職場でイラッとしたら…… 怒りを上手にコントロールする6つの方法  
久能山東照宮|久能山東照宮について|御遺訓

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