「朝に私たちがするべきこと」 “朝活の第一人者” 池田千恵さん 特別インタビュー【第2回】

ベストセラー『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)や『朝活手帳』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者であり “朝活の第一人者” としてご活躍されている池田千恵さんをお迎えしての、StudyHacker特別インタビュー。

前回の第1回「“朝” から生まれた成功の数々」では、池田さんのキャリアに迫りながら、池田さんが「朝」に注目するようになったきっかけを探りました。第2回目の今回は、朝時間の良さやおすすめの過ごし方についてお話を伺います。

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朝活手帳 2018

池田千恵

ディスカヴァー・トゥエンティワン (2017)

朝時間の良さとは?

——朝時間を使うことにはどのような良さがあるのでしょうか。詳しく教えていただけませんか?

池田さん: 余裕ができるというのが一番大きいですね。たとえば待ち合わせの時間までぎりぎりで走っているようなときに信号が赤になると、それだけで頭に来ますよね。余裕がないと、やっぱりいらいらしてしまうものなんです。でも早起きをしていれば、たいていは余裕ができますよね。いろいろなことにいらいらしなくなるというメリットがあります。

また、前向きになれるのもポイントです。朝日を見て頑張ろうと思えたり、上司に怒られた内容を振り返って「もっともだ」と思考を転換できたり。これは科学的にも証明されていて、朝は心身の安定や安らぎに寄与するセロトニンが分泌される時間帯でもあるんです。

段取り力が上がるという良さもありますね。たとえば朝9時の出社までは勉強しようと決めたら、早起きをしなければなりません。早起きをするためには早く寝ないといけない。22時に寝るのだとしたら、21時にはお風呂に入らないといけない。こういうふうに、逆算して物事を考えられるようになりますよ。

——ちなみに池田さんご自身は、現在はどのような朝時間の過ごし方をされているのですか?

池田さん: 以前は朝4時に起きて9時まではまるまる自分の時間だったのですが、今は小さな子どもがいるので少し変わりましたね。朝4時起床はそのままなのですが、じつは私の息子も4時に起きるんですよ。いわゆるヨジラーです(笑)。

——お子様も4時に起きるってすごいですね(笑)。

池田さん: お腹の中で、そういう体内時計が身についたのでしょうか(笑)。とっても早起きです。

なので朝4時から7時半までは子どものための時間ですね。子どもと一緒に遊んで、朝ごはんを作って、保育園に預けて。そして7時半から始業の9時までの1時間半が、自分だけの時間になっています。今は1時間半しかありませんが、それでも充実していますよ。

朝は「勉強」や「頭の整理」がおすすめ

——池田さんがおすすめする朝時間の過ごし方を教えてください。

池田さん: まずは勉強ですね。ただ、暗記のように単調なものだと、早起きに慣れていない人は寝てしまうと思います。私が受験で失敗していたときも、朝に世界史の教科書を読んだりすると絶対に寝ていましたから。なので手を動かす勉強がおすすめです。

私がワインの勉強をしていたときは、朝は暗記ではなく、単語帳を作ったり、ワインの産地の地図を描いて虫食いノートを作ったりしていました。そういうものは眠くならないので良かったですね。インプットではなく、自分の脳をアウトプットするイメージです。

また仕事に関してですが、毎週月曜日の朝に、頭の中でもやもやしている “したいこと” 整理するということをおすすめしています。これは『朝活手帳』にもあるのですが、「連絡したい人」「将来やりたいこと」「今後進めたいプロジェクト」といったものを、月曜日の朝に全部吐き出してしまうんです。

こういうものが頭の中にずっとあると「忘れちゃいけない」と思ってしまうので、頭のメモリーが無駄に消費されて知的生産が邪魔されてしまうんですね。それをあらかじめ整理しておくと、とても楽になりますよ。私も毎週書いていて、1週間の間にこれらを全部クリアにしようという気持ちで過ごしています。

——実際に池田さんの手帳を拝見すると、文字が色分けされていますね。これには何か意味があるのですか?

池田さん: これはスティーブン・R・コビー氏の著書『7つの習慣』に出てくる「時間管理のマトリックス」からヒントを得て色づけと名前を考え、『朝活手帳』にも載せているのですが、

・緊急ではないけれども重要なことは種まきの赤 ・緊急で重要なことは食いぶちの緑 ・緊急だけれども重要でないことは日課の青 ・緊急でも重要でもないことは思いつきの黒

と判断したうえで色分けをしています。黒をなるべく減らして赤を増やすことを意識しながら仕事を進めると、自分が考える時間もどんどん増えていくんです。もちろん「黒で書いたけれども、本当はすごく大事な緑の用事だった」なんていうふうに判断を間違えてしまう場合もあるのですが、色分けされていることで振り返りができるので反省しやすいというメリットもありますよ。

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アイデアがどんどん湧き出る「モーニングページ」

——ほかにおすすめの朝時間の過ごし方があれば教えてください。

池田さん: 『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(サンマーク出版)という本に載っている「モーニングページ」もおすすめです。これは、頭の中に出てくるいろいろな言葉を、毎朝3ページだけノートに書き出すというものです。

試してみたら、すごく良かった。とっても良いアイデアが浮かんだりとか、自分が思ってもいないようなことも書けたりとか、あとで見返すと今後の道筋やすごいヒントがあったりとか。自分はイタコにでもなったのではないかと思えるくらい(笑)。始めてまだ3ヶ月ぐらいですが、やり始めたら習慣になってしまいました。

3ページって聞くと最初は多いかなと思うかもしれませんが、「今日は書くことないな~」とかでもいいんですよ。「書くことが思い浮かばないな~、どうしよう。でも無理やり書かないといけないから無理やり書こう」とか、そういうのでいいんです。とにかく思いついたことを書く。「今日やらないといけないことは……」とか。そうすると自分の考えもまとまっていきますよ。

*** 毎日を普通に過ごしていると、自分自身と向き合える時間は意外と少ないもの。勉強はもちろん、頭の整理や思考のアウトプットなどに「朝時間」を使うことで、その日その週の生活がもっと充実しそうですね。

次の第3回「時間は、命と同じくらい大切なもの」は最終回。朝活を始めるにあたっての早起きのコツや、池田さんの今後の展望についてお話を伺います。

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