「身体を鍛えることに興味はあるけれど、大変そうで長続きしそうもない……」
「トレーニングなんて、自分には関係ない……」
こう思っているビジネスパーソンの方はいませんか?

あるいは、まさにいまジム通いや筋トレをしているものの、
「効果がイマイチ出ていないような気がする……」
「身体がなかなか大きくならない……」
と悩んでいる方もいるかもしれませんね。

StudyHacker特別企画。今回は、原宿にあるパーソナルジムVODEZAのオーナーを務める北島達也(きたじま・たつや)さんにインタビュー取材を行ないました。20代で単身渡米し、ボディビルディングの本場カリフォルニアにて数々のトップビルダーから指導を受けたという北島さん。そこで培った知識や経験をもとに「“科学的な” ワークアウトの理論」を構築し、現在はフィットネストレーナーとして、数々の一流経営者やトップアスリートたちにワークアウトの指導を行なっています。

最短で最大の効果を出す超効率的なワークアウトのメソッドが、ここにあります

良い身体をしているだけで、“本能的に” 魅力を感じてもらえる

——本日はよろしくお願いいたします。まずはじめに、私たちビジネスパーソンはなぜワークアウトをするべきなのでしょうか? 身体を鍛えることで得られる効果やメリットを教えてください。

北島さん:
私たちは、草食動物よりも、ライオンやトラやチーターなどの肉食動物にかっこよさを感じますよね。このように、人間が本能的に「この人には魅力がある」「この人は優れている」と思うのは、“狩りの能力が高い身体” なんです。

人間の歴史を考えてみると、その大部分が狩猟の時代でした。そして狩りを成功させるためには当然、身体能力が高くなくてはいけませんよね。速く走れて、すばやく動けて、力がある。このように、筋肉質でメリハリのある “狩りに優れた身体” を獲得する方向に、人間は進化してきたんです。だから本能的に、そういう身体に魅力や能力を感じるんですね。

逆に言えば、ワークアウトをして良い身体が手に入れば、それだけで魅力や能力を感じてもらえるということです。面接や商談などの場で「この人は使えるんじゃないか」「この人と組んだらうまくいくんじゃないか」と相手に思ってもらえる。いまの仕事・将来のビジネスにおいて、大きなアドバンテージを得られることは間違いないでしょう。

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「神の7秒間」が筋肉を成長させる

——“身体を鍛える” というと「毎日続けなければいけない」「1日何時間もトレーニングしなければいけない」といったイメージが非常に強いため、「なんだか大変そう」と思ってしまうのですが……。私たちがワークアウトに対して抱いている誤解や、ワークアウトにあたっての注意点などありましたら教えていただけますか?

北島さん:
身体を大きくするためには毎日の地道な鍛錬が必要だ——特に日本ではこういう考え方がはびこっているようですが、これは大いなる誤解です。

メリハリのある身体をつくるためには、速筋と呼ばれる筋肉を無酸素運動によって鍛えます。でも、この筋肉が最大筋力を発揮できる時間って、ほんのわずかなんです。つまり、無酸素運動を行なうと排気ガスのように乳酸が出てくるのですが、この乳酸が出る直前のほんの7秒間しか、筋肉は本気を出せません。そして、筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンは、回復するのに3日もかかってしまう。これらを踏まえると、じつは3日に1回のたった7秒間しか、筋肉が最大筋力を発揮して成長するチャンスはないんです。これを私は「神の7秒間」と呼んでいます。

さらに言えば、3日に1回だと怪我をするリスクが高まるため、1週間に1回程度の頻度がより望ましいでしょう。地道に毎日行なうのではなく、“1週間に7秒しかないチャンスをいかにつかめるか” という部分に、すべてがかかっているのです。

また、街のスポーツクラブなどでは、全身いっぺんに鍛えようとしますよね。あれも失敗のもとです。なぜならば、全身いっぺんに鍛えても筋肉は大きくならないから。ワークアウトが無駄な努力で終わってしまいます。

筋肉が大きくなると、血液の量も多く必要になります。すると心臓には負担がかかってしまう。これはすなわち生命が危機にさらされることになりますから、筋肉をこれ以上発達させている場合ではありませんよね。結果として筋肉の発達にブレーキがかかってしまい、ワークアウトの効果が充分に表れなくなってしまうのです。

そしてもうひとつ、日本人が特に気をつけなければいけないことがあります。それは重心です。

日本人は農耕民族のルーツを持っています。そのため、長時間の農作業に耐えられるよう、かかとにどっしりと体重をかける “かかと重心” が普通になりました。現在、日本人のおよそ8割がかかと重心だと言われています。膝が曲がっていて、骨盤が起き上がっていて、猫背気味の立ち方ですね。

一方で欧米人はというと、9割以上が “つま先重心” なんですね。欧米人のルーツは狩猟民族。獲物を狩りにすぐに走りだせるように、つま先に重心を置く “Ready” の状態が基本となったのでした。そして冒頭でも述べたように、私たちがワークアウトで目指すのは、こちらの “狩猟に適した身体” です。

人間の身体は、転ばないように “ジャイロシステム” と呼ばれる機能を備えており、重心の位置に応じてバランスをとっています。だからじつは、かかと重心のままワークアウトを行なってしまうと、つま先重心の人とは一見同じ動きをしているように見えたとしても、本来鍛えたいところとは別の筋肉が鍛えられてしまうことになるのです。結果として、狩猟には向かない不細工な体型ができあがってしまいます。

“つま先重心” の正しい体重バランスでワークアウトをすることが求められるのです。

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脳と筋肉をコネクトさせて「神の7秒」をつかめ!

——実際にワークアウトに取り組むとしたら、まず何をすればよいのでしょう?

北島さん:
先ほど申し上げたように、全身いっぺんに鍛えようとするのは非効率です。最短で最大の効果を出すためにも、まずは1か所に絞りましょう。実際、私のパーソナルジムにご入会いただいた場合も、最初に1か所か2か所だけ選んでもらい、1週間に1回1部位だけを鍛えています。

——その “最初の1か所” は、どのように選ぶのがよいのでしょうか?

北島さん:
自分が一番変えたいところ、一番憧れているところを選びましょう。

要はモチベーションの問題ですよね。そこに筋肉がついて少しでも変わったら、自信になって身体にもプライドが持てるようになります。そうすると、ワークアウトが自分にとっての楽しい趣味になるわけです。モチベーションが高まりますから、ワークアウトも継続できる。「じゃあ、ほかのところも鍛えてみよう」となるわけです。

——本当に自分の好きなところでいいんですね。たとえば私の場合でしたら、大胸筋を大きくしたいという憧れがありますが……。具体的にどのようなワークアウトをすればよいのでしょうか?

北島さん:
これは大胸筋に限った話ではないのですが、手順として最初にまず行なうのは、脳と筋肉をコネクトさせること。これからどの筋肉を鍛えるのかを、脳に認識させてあげるのです。具体的には、鍛えたい筋肉を手で触りながら、動かしたり固めたりしてみて、その筋肉がどのように動いているのかを確認しましょう。大胸筋であれば、胸の表層部にある筋肉が縮めばいいわけです。

たとえば皆さん、手の指は難なく動かせますが、足の指はうまく動かせないですよね。じつは私たち、足の指を動かせる機能は持っているんです。ただ、普段あまり使わないから動かせないというだけ。1週間も訓練していれば、だんだんと動くようになっていくんです。

それと同じで、要は使ってあげるということですね。そうすれば、脳と筋肉をつなぐ神経もだんだんと発達していきます。この「脳と筋肉のコネクト作業」が、ワークアウトの効果を圧倒的に高めてくれるんです。実際に腕立て伏せに取り組む際も、脇を開いて手をハの字に置いた状態で、最初の1セット目は大胸筋がぎゅっと縮まることを意識しながら、ゆっくり腕立て伏せを行なうようにしましょう。

次にするべきは神経を興奮させること。興奮してアドレナリンを出さないと、限界を超えられないからです。ここではとにかくハイスピードで筋肉を収縮させることを目的に、高速で腕立て伏せを行ないます。これが2セット目ですね。

そして3セット目は、コネクトもできているし興奮もしているから、あとはもう正しいフォームで全力を出すだけ。これを1週間に1回、2か月程度続ければ、筋肉は大きくなりますよ。

このときに気をつけなければいけないのは、腕立て伏せを速くしようとは思わないこと。あくまで “筋肉を縮める” ことに意識を向けなければいけません。筋肉が速く縮むから、結果として腕立て伏せが速くできるんです。大胸筋をぎゅっと縮めることに意識を集中するようにしましょう。

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プロテインやサプリメントも効果的

——良い身体を手にいれるために、ワークアウトと並行して「食事」で注意するべき点はありますか?

北島さん:
筋肉の材料であるタンパク質やアミノ酸を摂取することが重要です。肉などの “タンパク質のかたまり” を食べると、私たちの体内ではいったんアミノ酸に分解されたのち、筋肉として再度タンパク質となります。これをタンパク質の再合成と言うのですが、ワークアウトによって筋肉が損傷し再合成が必要になったときに、肝心のタンパク質やアミノ酸などの材料がなかったら、新しい筋肉をつくることはできないわけです。さらに言えば、人間の身体は、3時間~5時間に1回タンパク質が入ってこないと、筋肉の量を少なくしてほかの機能にまわそうとする「カタボリック」という現象が起きてしまいます。

したがって理想としては、3時間~5時間に1回、肉や卵を食べたいところですね。ただ、それは時間的にも経済的にも厳しい部分があると思いますので、普段のバランスのよい食事に加えて、プロテインやアミノ酸・ビタミンのサプリメント等で補っていくのがよいでしょう。

何がなんでもプロテインやサプリメントを摂らなければいけないというわけではありません。でも、身体を本格的に大きくしたいと思ったら、将来的には絶対に必要になってくるものだと言えるでしょう。

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【プロフィール】
北島達也(きたじま・たつや)
フィットネストレーナー。本場のボディビルカルチャーに憧れ、20代前半で単身渡米。ハリウッド俳優が集結する有名ジムで数々のトップビルダーから指導を受け、独自に体得した知識と経験を統合。“本場のボディビルディング”と“科学的なワークアウト”を自身で実践しながら理論を構築し、カリフォルニアのボディビルコンテストにて日本人初のチャンピオンに輝く。帰国後、完全個別指導のパーソナルトレーニングジム“VODEZA”をオープン。これまで、有名経営者や芸能人、歌手、プロアスリートなど1万人以上を指導してきた。
著書に『ハリウッド式 THE WORKOUT -分単位で自分史上最高の身体をつくる 脳と身体のコネクトメソッド-』(ワニブックス)などがある。

***
インタビュー終了後、北島さん直々のご指導のもと、筆者も実際に大胸筋ワークアウトにチャレンジさせていただきました。

「脳と筋肉のコネクト作業(第1セット)→加速度的な筋肉の収縮(第2セット)→全力(第3セット)」の流れで10回×3セットの腕立て伏せをしたに過ぎませんでしたが、ワークアウト直後に、これまでに経験したことのないような大胸筋の張りを実感。特別な器具を使わない自重トレーニングでこれほどまでの効果が出ることに、身をもって驚かされました

人間が本能的に魅力を感じる “狩りの能力が高い身体” が手に入れば、ビジネスの世界でも圧倒的に有利になれること間違いありません。

北島さんのパーソナルジムVODEZAでは、『理想のスタイル』を実現するために個別パーソナルセミナーも実施しています。科学的に効率よく身体を鍛えることに興味がある方は、ぜひ申し込んでみてはいかがでしょうか。

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ハリウッド式 THE WORKOUT – 分単位で自分史上最高の身体をつくる 脳と身体のコネクトメソッド –

北島達也

ワニブックス (2017)