「孤独を愛する人」が強い8つの理由。“ひとり好き” は無理に友だちを作らなくていい。

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「孤独」という言葉には、ネガティブなイメージがつきまといます。新しい環境に足を踏み入れる際は孤独に陥らないよう、「溶け込まなければ」「友達をつくらなければ」とプレッシャーを感じる人が多いのではないでしょうか。

あまり社交的ではない人にとって、「孤独になってはいけない」という思い込みは大きな負担となるはず。加えて、新しい環境で仕事や勉強の成果も出そうとすると、多大なストレスを抱えてしまうでしょう。

「孤独」を過剰に恐れるのは、もうやめませんか? 孤独は孤独でも「自律的な孤独」なら、むしろ大きなメリットを生むそうですよ。本記事では孤独の種類および孤独のメリットを説明します。

「有害な孤独」とは

「孤独感」は、さまざまな問題を引き起こします。2003年に「愛知県知多半島の65歳以上の要介護認定を受けていない在宅高齢者」を対象として行われた調査によると、人との交流がない人は、交流がある人よりも死亡率が高く、認知症率も高かったそう。

また、2004年に東京学芸大学の2~4年生1,002人を分析した研究では、孤独感が強い人はソーシャルスキル(他者との協調を保つ能力)が低いとわかりました。友人が多い人ほどポジティブであり、将来に良いイメージを持つ傾向がある一方、友人が少ない人ほど後ろ向きになる可能性も示唆されています。

ただし、死亡率が高くなったりネガティブな性格になったりといった悪影響を及ぼす「孤独感」は、不安や恐怖心からひとりを選択する「有害な孤独」です。反対に、もう一方の孤独――つまり、健康的なひとりの時間を積極的に求めた結果としての「孤独」は、多くのメリットをもたらすそうですよ。

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「役立つ健康的な孤独」とは

ロチェスター大学・カールトン大学・ヘント大学の研究者らは、共同で2つの調査を行ない、孤独な状況が決して悪くないことを示しました。心理学や行動科学を扱う学術雑誌『Motivation and Emotion』に、2019年3月1日付で発表されています。

ただし、“悪くない孤独”とは、先述した「有害な孤独」ではなく、「役立つ健康的な孤独」を指しています。研究者いわく、孤独の違いのカギは “積極的な動機

積極的な動機の有無が孤独の種類を左右するのには、「自己決定理論」が関係しています。自己決定理論とは、自分自身で決めたという感覚が大きい(自己決定性が高い)ほど、勉強や仕事のパフォーマンスが高まり、心身の健康によい影響を及ぼす、という理論です。

つまり、「本当は1人になりたくない」のに1人でいる状態が「有害な孤独」、「ぜひ1人で過ごしたい」と思って1人でいる状態が「役立つ健康的な孤独」なのです。研究によると、「役立つ健康的な孤独」のメリットは以下のとおり。

  • 社会的なプレッシャーから離れられる
  • 自分の価値観や興味を再認識できる
  • 自主性や選択力が高まる
  • 心理的に健康になる

かつての研究では、他者との交流が多い人のほうが、より孤独な時間を有意義に過ごす傾向があると考えられていました。しかし今回の調査で、交流が少ない人のほうが、積極的・自律的に孤独な時間を持って自尊心を高め他者との親近感を増すことによって、孤独感を減少させるとわかったそうです。

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孤独の肯定や、選択的な孤独は強み?

「孤独」のポジティブな一面を明らかにした研究はほかにもあります。2009年に『久留米大学心理学研究』上で発表された研究によると、孤独を肯定的に評価した大学生は、自尊感情が高く抑うつ傾向が低くアイデンティティの確立度が高かったそうです。ひとりで何かに打ち込むことによってスキルアップできる可能性も示唆されました。臨床心理士の兵働弘一氏および精神保健福祉士の川島達史氏も、「自ら孤独を選択している」という感覚があれば、むしろ強みになると述べています。

また、1966年に発表されたイヴァン・D・スタイナー氏による研究では、孤独であるほうが「独創的になれる」と発表されました。集団で考えるよりも個人で考えるほうが、アイデアの総数独創的なアイデアの数も多かったそうです。 集団内では、自分のアイデアがメンバーに受け入れられるか不安になり、せっかく思いついたアイデアを引っ込めてしまうからだと考えられています。

新しい視点考え方を得ようとする場合、孤独であることは強みになる、というわけですね。

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孤独の楽しみ方

孤独には多くのメリットがあります。孤独を嘆くよりは楽しんだほうが得策といえるでしょう。

大学1年生が社交的な活動に時間をかけすぎて、自分だけの時間を過ごさないでいると、適応不良になる可能性がある、と示した研究もあります。ふだん1人で過ごすことがほとんどなく、仲間とつるんでばかりだな……という人は、「孤独に過ごす時間」を意識して作ってみてはいかがでしょうか。

たとえば、誰とも約束せず、好きな映画を好きなときに1人で観にいく。気になっていたカフェに1人で行き、店の雰囲気や料理の味を堪能する。カフェや自宅でのんびり読書をするもよし、人気のスイーツを一口ずつ味わいながら、ついでに「マインドフル・イーティング(食べる瞑想)」をやるのもよしです。孤独であれば、一緒にいる人を気にすることなく、目の前のことに集中して楽しめますよ。

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『今を楽しむ~ひとりを自由に生きる59の秘訣』の著者である矢作直樹医師によると、孤独を愛することができれば、次の感覚を得られるそうです。

  • 寂しいと感じない
  • 日々の瞬間、瞬間が楽しい
  • 生きているだけで幸せ
  • 困らない、怖くない
  • 自分の立ち位置が気にならない

孤独を愛することで、自尊感情が育まれ、自己決定への意欲と自信を高めるのだとか。孤独であることは、けして寂しいことではなく、自分を大事にすることなのですね。

***
ひとりに慣れている人は自信をもって、ひとりに慣れていない人は時々意識的に、「役立つ健康的な孤独」を楽しんでみてください。

(参考)
University of Rochester|Why do new college students need alone time?
SpringerLink|Embracing me-time: Motivation for solitude during transition to college
ダイレクトコミュニケーション|孤独感の原因・対処法-臨床心理士が解説①
溝上慎一の教育論|(用語集)内発的動機づけ・自己決定理論
久留米大学機関リポジトリ|青年の孤独に対する捉え方-孤独感, 自己意識, 精神的健康, 自我同一性との関連
J-STAGE|健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間の AGES コホートより
東京学芸大学リポジトリ|成人用ソーシャルスキル自己評定尺度の構成
ダイヤモンド・オンライン |孤独を愛せるようになると得られる5つのすごい感覚
Ivan Steiner (1966), Models for inferring relationships between group size and potential group productivity, Behavioral Science, Vol. 11(4), pp.273-283.

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