成長したいビジネスパーソンが「記憶の習慣化」に取り組むべき、深い理由。

畔柳圭佑さん「ビジネスパーソンが記憶の習慣化に取り組むべき理由」01

「自分を成長させたい」と考えるビジネスパーソンにとって重要なものとなると、「習慣」もそのひとつでしょう。勉強や読書といった習慣を身につけているかどうかで、その後の成長は大きく左右されます。

記憶定着アプリ「モノグサ」最高技術責任者である畔柳圭佑(くろやなぎ・けいすけ)さんは、「記憶の習慣化」こそが成長に欠かせないものだと語ります。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

成長に欠かせない「記憶の習慣化」

ビジネスパーソンとして成長していきたいと思えば、「記憶を習慣化する」ことが重要だと私は考えます。

「記憶の習慣化」とは、狭く言えば、「新しく記憶した内容を忘れないようにメンテナンスしていくことを、定期的なプロセスとして普段の生活のなかに取り入れた状態」を指します。

せっかく覚えたことも、定期的に思い出すというメンテナンスを怠れば、いずれ忘れてしまうことは言うまでもありませんよね。だからこそ、「記憶の習慣化」が重要なのです。

また、そこから少し広げて言うと、「新しい情報と出会ったときに、それが自分にとって必要なものかどうかを自分なりの基準に基づいて判断し、記憶すべきことを記憶し、そうでないことはスルーできる状態にしておくこと」も、「記憶の習慣化」です。

これができていないと、新しい情報と出会ったときに、自分のキャパシティーを超えてすべて覚えようとしてしまう、あるいは逆にきちんと記憶すべきことを見逃してしまうことになります。

もちろんキャパシティーを超えてあらゆる情報を記憶することなどできませんし、一方で記憶すべきことを見逃してしまえば、自分の能力を高めたり増やしたりして成長することができません。ビジネスパーソンにとっての「記憶の習慣化」の重要性は、ここにあります。

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「言語化できる記憶」と「言語化できない記憶」とは?

また、「記憶の習慣化」という観点から言うと、「『言語化できる記憶』と『言語化できない記憶』のあいだを行き来する」ことも、ぜひ習慣にしてほしいことです。

「言語化できる記憶」とは、「リンゴは果物だ」「源頼朝は鎌倉幕府を開いた」といった、まさに言葉にできる記憶のこと。一般的に言われる、「知識」と言ってもいいかもしれません。

一方、「言語化できない記憶」は、たとえば動作に関する記憶もそのひとつです。ジャンケンをしてパーを出したとします。そのとき、「どうすればパーを出せるの?」と問われても、なかなか答えようがありません。また自動車の運転のときも、「カーブがこの角度のときは、ハンドルを何度切って……」と言葉にして意識しているわけではありませんよね。運転に慣れた人なら、ほとんど無意識のように状況に合わせて自然に自動車を操縦しています。

ここが重要なポイントです。みなさんは、日本語を話すときに「次はこの単語を使ってこう話そう」とは考えていないはず。つまり、「言語化できない記憶」に基づいて話しています。でも、英語が苦手な人が英語を話そうというときには、まさに「次はこの単語を使ってこう話そう」と考えます。「言語化できる記憶」に基づいて話しているわけです。

でも、それだけではいつまでたっても英語を使いこなせるようにはなりません。大切なのは、「言語化できる記憶」から始めて徐々に「言語化できない記憶」をつくり上げ、なんらかの動作や行動を自然に行なえる状態にしていくことです。

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自分の専門領域においてさらなる成長を目指す

そして、いまお伝えしたような「言語化できる記憶→言語化できない記憶」という方向とは逆に、「言語化できない記憶→言語化できる記憶」という方向への変換も、成長のためには重要なもの。だからこそ、先に「『言語化できる記憶』と『言語化できない記憶』のあいだを行き来する」と表現したわけです。

野球のバッティングを例に挙げましょう。野球経験がない人にバットを振ってもらったあと、どんなふうにバットを振ったのかを説明してもらうとします。おそらく、ほとんどの人がまともに言葉で説明することができないでしょう。野球経験がないのですから当然のことです。

でも、プロ野球選手だったらどうでしょうか。たとえば「最短距離で上から叩く」「重心を軸足に残して体を回転させるイメージ」「フォロースルーを大きく」などと、プロ野球選手なら自分のバッティングフォームを細かく言葉にすることができるはずです。

そのため、自分のウィークポイントをしっかりと認識することもできます。そうして、常に改善を重ねて自分を成長させることができるのです。これこそが、「『言語化できる記憶』と『言語化できない記憶』のあいだを行き来する」ことでもたらされる大きなメリットです。

このことは、プロ野球選手ではないビジネスパーソンにとっても大切だと思います。みなさんにはそれぞれに専門とする領域があり、いつの間にか「言語化できない記憶」に基づいて行なえることも増えているでしょう。そのときに一度立ち止まり、「言語化できない記憶→言語化できる記憶」の方向への変換を試みてください。きっと、これまで気づいていなかった改善すべき点が見つかり、その後の成長へとつながるはずです。

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記憶はスキル

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  • 作者:畔柳圭佑
  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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【プロフィール】
畔柳圭佑(くろやなぎ・けいすけ)
1988年3月26日生まれ、愛知県出身。モノグサ株式会社代表取締役CTO。東京大学理学部情報科学科卒。東京大学大学院情報理工学系研究科にてコンピュータ科学を専攻。分岐予測・メモリスケジューリングを研究。修士(情報理工学)。修了後は、グーグル株式会社(現・グーグル合同会社)に入社。Android、Chrome OSチームにて、Text Frameworkの高速化およびLaptop対応、ソフトウエアキーボードの履歴・Email情報を用いた入力の高精度化、およびそれを実現する高速省メモリ動的トライの開発、ジェスチャー入力の開発に従事。2016年、モノグサ株式会社を竹内孝太朗(CEO)と共同創業。CTOとして記憶のプラットフォーム「Monoxer」の研究開発に従事。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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