「頭がいいのになぜか嫌われる人」の残念な言動。

頭がいい人ほどやりがちな嫌われ言動3選01

あなたは、人から「頭がいい」と言われることがあるでしょうか。または、自分で頭の回転が速いほうだと思いますか。

もし当てはまるなら要注意。ひょっとするとあなたは、相手を不快にさせるような「嫌われる話し方」をしてしまっている可能性があるのです

その「嫌われる話し方」とは、いったいどのようなものなのか。また反対に、話し相手にいい印象を持ってもらうには、どのようなポイントに気をつければいいのか。3つのパターンに分けてご紹介します。

頭がいい人がやりがちなNG言動

フリーアナウンサーで、話し方講師としても活躍する魚住りえ氏によると、頭がいい人の中には、つい自分の知識や見識をひけらかしたくなったり、無意識のうちに「上から目線」になってしまったりする人が多いのだそう。

もちろん「頭のよさ」そのものは、とてもすばらしい資質。でも、時にはそれが裏目に出てしまうこともあるのです。

頭がいい人がやりがちな会話のNG例として、魚住氏が紹介する3つのパターンを見ていきましょう

1. 話の先を読み、先回りして自分の意見を言ってしまう

まず1つめは、「相手の話を先取りしてしまう」というパターンです。

頭がいい人は、相手が何を言わんとしているのか読み取る能力に長けていることが多いもの。それゆえに、話の結論やオチが見えた時点で言いたいことが生まれ、相手の話を遮ってしまうことがあるのです。

たとえば、以下のようなものが、「相手の話を先取りしてしまう」パターンの会話例です。

相手:「先月から英語の勉強を始めたんだけど、リスニングが……」
あなた:「リスニング、難しいよね。僕も大学入試のとき苦労したなぁ

上の例では、相手はまだ「リスニングが……」までしか言っていません。「リスニングが楽しい」と言おうとしていたのかもしれないし、「リスニングが上達する本を買ったらすごく良くて」と続けたかった可能性もあるのです。もしそうだとしたら、相手は「本当は別のことを話したかったのになぁ……」と、話の腰を折られたことを不快に感じてしまうでしょう。

したがって、たとえ「先の展開はこうかな?」と途中で予想が立ったとしても、相手が一区切り話し終えるまではちゃんと待つようにしましょう。人の話は最後まで聞くというのは、会話のマナーとしても基本的なことです。

頭がいい人ほどやりがちな嫌われ言動3選02

2. 上から目線でアドバイスしてしまう

ついアドバイスをしたくなってしまうのも、頭がいい人ならではの失敗です。相手が望んでもいないのに自分のアドバイスを押しつけてしまうと、単に知識や知見をひけらかしたいだけの「上から目線」な人に思われかねません

会話例としては、以下のようなものがあります。2人が会社の同期という対等な関係だと思って読んでみてください。

相手:「英語のリスニングが思うように上達しないんだ」
あなた:「ああ、リスニングね。それなら同じ音源を何回も聴くといいよ。だんだん耳がなじんで、単語が聴き取れるようになってくるから

あなたは勝手に “教える側” に回り、相手に対して上から目線で話しています。仮に2人が英語塾の先生と生徒という関係であったり、相手のほうから「いい方法ないかな?」と訊いているのであれば、問題ないでしょう。しかし、同僚のような対等な関係性の場合には、「上から目線で鬱陶しいなぁ」と思われてしまう可能性が大いにあります

とはいえ、時には本当に親切心でアドバイスしてあげたいと思うこともあるでしょう。もし同僚や友達にアドバイスをするときは、自分が上に立つような態度にならないように気をつけ、あくまで相手のことを思って言っているんだと伝わるように十分配慮しましょう。

上に紹介したNG例と同じ内容の会話でも、たとえば以下のような言い回しで伝えれば、だいぶ印象は良くなるのではないでしょうか。

相手:「英語のリスニングが思うように上達しないんだ」
あなた:「わかるなぁ。僕も高校時代、すごく苦手だったよ。高校の先生から聞いた方法なんだけど、同じ音源を何回も聴くと、だんだん単語が聴き取れるようになってくるんだって

この改善例の会話では、まず「わかるなぁ」と言って話に共感し、相手の悩みに寄り添っています。この一言だけでも、きちんと相手の話を聞こうとしていることが伝わり、NG例と比べるとだいぶ印象が違いますよね。また、アドバイスの部分は「高校の先生から聞いた話なんだけど」と伝聞というクッションを挟むことで、「Bさんが教える側に立っている感じ」が和らぎ、上から目線に感じにくい言い方になっています。

頭がいい人ほどやりがちな嫌われ言動3選03

3. わざわざカタカナ語や難解な言葉を使う

わざわざカタカナ語や難解な言葉を使いたがる人も嫌われてしまいます。たとえば、以下の会話をご覧ください。

相手:「この案だと、予算は少しオーバーしちゃいそうだ」
あなた:「確かに、バジェット面は考え直してみる必要があるね

「バジェット」とは、英語で「予算」を意味します。この会話の場合、Aさんが一度「予算」という言葉を使っているのに、それをわざわざBさんが「バジェット」とマイナーな言い回しに置き換えています。文脈上「予算」で十分意味は通じているのですから、これは明らかに不必要な言い換えです。「知っている言葉を使いたいだけの、イヤミな人」とつらえられてしまっても仕方ありません。

もちろん、話をするうえで必要不可欠なカタカナ語や専門用語であれば、何ら問題はありません。一例として「ルーティン」という言葉は、ほかに代わりとできる適当な言葉がないですよね。あえて換言しようとすると「日常業務」「決まった作業」など、かえって不自然かつ伝わりにくい表現になってしまいます。

新しい言葉を覚えるとつい使いたくなってしまうものですが、その前にいったん立ち止まり、「その言葉を使うことで嫌味な感じが出ないか?」「ほかのもっと簡単な言い回しがないか?」と考えてみましょう。 

参考までに、gooランキングが2014年に調査した「日本語で言ってくれれば意味がわかるのに…と思うカタカナ語ランキング」トップ5をご紹介します。

日本語で言ってくれれば意味がわかるのに…と思うカタカナ語ランキング

1位:アジェンダ(計画)
2位:オーソライズ(公認)
3位:オルタナティブ(代替案)
4位:エビデンス(証拠)
5位:バジェット(予算)

こういった、日本語でも十分替えの効くカタカナ語や難解な言葉はなるべく使わず、誰に対しても伝わりやすい表現を心がけましょう。

頭がいい人ほどやりがちな嫌われ言動3選04

「聞き上手」になるための3つの基本テクニック

話を聞くのが下手で嫌われる人とは反対に、相手に好意を持ってもらえるような「聞き上手」な人になるためには、どうすればいいのでしょうか。心理カウンセラーのレス・ギブリン氏は、以下の3つの方法を紹介しています。

1. 相手が話し終わるまで、きちんと見続ける

まず「相手の目を見ること」は会話の基本です。しかし、相手の話が長くなると、疲れてきたり、なんだか気まずくなったりして目を逸らしてしまう人も多いのではないでしょうか。

なるべくなら、会話中は常に相手の目を見続けることを心がけてみてください。ギブリン氏によると、目をきちんと見ることで相手に敬意を伝えることができますし、また表情などの非言語メッセージも逃さずキャッチできるので、相手が言っていることをより深く理解できるようになるのだそうです。

2. 相手のほうに身を乗り出す

また、相手のほうに少し身を乗り出すようにしながら話を聞くことで、ボディランゲージでも「しっかり聞いていますよ」という態度を示しましょう。ニュース番組などでも、インタビュー取材の際、アナウンサーが相手のほうに身を傾けながら文字通り “傾聴” している場面がよく見られます。

最初は少しオーバーな姿勢のように感じるかもしれませんが、相手からすれば、それだけ熱心に話を聞き取ろうとしてくれているのだということが明確にわかります。あなたに対して抱く信頼感も大きくなるはずです。

3. 質問をする

意外と盲点なのが「積極的に質問する」ことの重要性です。

ギブリン氏は、「質問は相手への “賛辞” の一種である」と言います。そもそも、相手に何かを質問したくなるのはどんなときでしょうか。それは当然、相手の話に興味が掻き立てられたときですよね。裏を返せば、相手に質問をするということは「私はあなたの話に興味を持ちましたよ」「あなたの話はおもしろいですよ」と、間接的に相手を褒め称えていることにもなるのです。

したがって、積極的に質問をすることは、単に話を広げるだけでなく、話相手の気分を盛り上げ、良好な関係性を築いていくことにも役立つと言えます。

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頭がいい人ほど陥りがちな、3つの「嫌われる話し方」をご紹介しました。頭の回転が速い人や優秀な人ほど、つい慢心が生まれやすいもの。相手を気遣う心を忘れず、他者の話を積極的に聞き入れる姿勢を持ちましょう。

(参考)
東洋経済オンライン|「優秀なのに嫌われる人」の話し方、5大共通点
gooランキング|日本語で言ってくれれば意味がわかるのに…と思うカタカナ語ランキング 1位から10位
ダイヤモンド・オンライン|大富豪が語った「話す」より「聴く」ほうが大切な理由

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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