「仕事ができる人」になる唯一の方法。いくら苦手でも “数字” に向き合いやすくなるコツ

安藤広大さん「 “数字” に向き合いやすくなるコツ」01

「仕事ができる人」とはどういう人でしょうか。その問いに、「上司と部下のあいだで『数字』によるズレのない評価を得られる人」と答えるのは、「識学」という組織運営理論をベースに経営・組織コンサルティングや研修を行なっている安藤広大(あんどう・こうだい)さん

その言葉の真意、そしてそんな「仕事ができる人」になるために踏み出す第一歩について解説してくれました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/疋田千里

数字を用いた評価基準を上司にきっちり確認する

「仕事ができる人」とひとことで言っても、人によってさまざまな解釈があります。ただ、営利集団である会社に所属しているかぎりは、「会社の利益に貢献できる人」、もしくは「会社の成長に貢献できる人」こそが「仕事ができる人」となるでしょう。

では、会社の利益や成長に貢献できたかどうかを評価するのは誰でしょう? 経営者以外のすべての従業員にとっては、それぞれの上司です。上司から評価されない人は、「仕事ができる人」とは言われません。

だからこそ、「仕事ができる人」になりたいのであれば、「上司と部下のあいだで認識のズレのない評価を得られる人」になる必要があります。評価基準について上司とすり合わせができていないまま、「きっとこうすれば評価されるだろう」と部下が勝手に考えて行動したところで、その行動を上司は評価しないことも十分にありえるからです。

では、評価基準についてのすり合わせをどのように行なえばいいのでしょうか。上司と部下のあいだで認識のズレが生まれてしまっては、すり合わせの意味はありません。そこで、「数字」が重要となるのです。なぜなら、互いのあいだで齟齬なく事実を認識できるものこそが、数字だからです。つまり、「仕事ができる人」をより厳密に定義づけると、「上司と部下のあいだで『数字』によるズレのない評価を得られる人となります。

みなさんが部下の立場にあるのなら、数字を使った評価基準を上司にしっかり確認しておかなければなりません。営業職なら、「積極的に営業をすれば評価される」ではなく、「1か月の営業訪問件数が○件以上ならば評価される」といった具合に、具体的な数字を使った評価基準を、上司にきっちり確認しておくことが大切です。

安藤広大さん「 “数字” に向き合いやすくなるコツ」02

 

数字は、自身の「成長」にも重要な働きをもつ

ただ、「数字を使う」と聞いた途端、みなさんのなかにも「昔から数学が苦手だった」「数字が悪いと叱られる」とネガティブにとらえる人もいることでしょう。

でも、数字はそんなたいそうなものでも特別なものでもありません。数字とは、先の評価基準についての話でもわかるように、上司など他者とのあいだで齟齬なく事実を認識するための、ただのツールです。もっと簡単に言うと、「互いの誤解をなくしてくれるもの」となるでしょうか。

「リンゴをたくさん食べた」と聞いたら、その人は何個のリンゴを食べたと想像しますか? 2個の人もいれば、5個、10個の人もいるかもしれません。つまりそこには、誤解が発生するのです。でも、「リンゴを2個食べた」となると、その数字は絶対的に2個です。数字を使えば、他者とのあいだに誤解は発生しません。

そのように、誰が見ても明らかな客観的事実を表してくれる便利なものが数字であり、「数字を使う」とは、数字がもつ便利な部分をしっかり利用していくことに過ぎません。

また、若い社会人のみなさんなら、自分の「成長」にも数字は重要な働きをもつと聞けば、数字に対するネガティブな印象が薄れるかもしれませんね。

成長とは、できなかったことができるようになることです。そうなるには、目標に対して現時点でできないことをきちんと認識する必要があります。でも、たとえば資格勉強をしている人が模試を受けていなければ、現時点でできないことを認識することは難しくなります。

一方、模試を受けて合格ラインまで20点足りないと認識できれば、その20点を埋めるためにやるべきことが見えてきます。そうして見えたやるべきことをしっかりこなせば、本番の試験で合格する可能性も高まり、成長できることにもなります。そのように考えれば、数字に対するネガティブな印象はなくなり、むしろ数字に向き合うことが楽しくなってくるのではないでしょうか。

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「行動量」を数字で表して目標として設定する

では、日々の仕事のなかで数字に向き合うための第一歩について解説しましょう。先に触れた、「数字を使った評価基準を上司にしっかり確認しておく」ことのほか、『行動量』を数字で表すことも同じように重要です。

私は、仕事をするうえで最も大切なものが、「どれだけ動いたか」という行動量だと考えています。受注率100%のAさん、受注率が50%のBさんというふたりの営業職がいるとします。この数字だけを見ると、Aさんのほうが優秀に思えます。

でも、Aさんが1か月に2件しか営業をしないのに対して、Bさんは10件の営業をこなすとしたらどうでしょう? それぞれの受注件数はAさんが2件でBさんは5件。AさんとBさんの評価は逆転します。Bさんの評価を上げたものこそ、多くの営業をこなしたという行動量です。

そのように、みなさんの仕事における行動量を数字で表し、自らの目標として設定してみましょう。「これまで上司に対して1か月に1件しか企画提案をしていなかったが、今月は5件の提案をしよう」といった具合です。このことを習慣づけられれば、数字に向き合うことに慣れてくるばかりか、行動量を高く維持できて自分の評価を高めることにもつながるでしょう。

安藤広大さん「 “数字” に向き合いやすくなるコツ」04

【安藤広大さん ほかのインタビュー記事はこちら】
ベテランほど陥りがちな “罠” に要注意。大切なのは「PDCA」を正しく回すことだった
「仕事は数字がすべてじゃない」と考える人こそ “数字に向き合う” ほうがいい、これだけの理由

【プロフィール】
安藤広大(あんどう・こうだい)
1979年生まれ、大阪府出身。株式会社識学代表取締役社長。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出会い、衝撃を受け、2013年に独立。識学講師として多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年あまりで上場を果たし、これまでの7年間で約2700社に識学メソッドが導入されている。主な著書に『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社)などがある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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