言い訳の前にまず動く! 「2分ルール × 5秒ルール」で迷わず行動できる人になれる。

行動量を上げる方法01

夜寝る前に1日を振り返ったとき、「今日も会社に行っただけで終わってしまったなぁ」とやるせない気持ちになることはありませんか。「帰宅後に本も読みたかったし、あの人に電話もしたかった。部屋の片付けもしたかったのに……できなかった」そんな経験は、皆さん一度や二度ではないでしょう。仕事に加えて何か別の行動をするのは大変なことですよね。

そんな皆さんの行動量が確実に上がる、日常生活でできる4つのルールをご紹介します。

【行動量アップルール1】2分ルール

「書類を整理しようと思っていたのにできなかった」「○○さんへの連絡が、今日もできずに後回しになってしまった」といったように、細かいことがやりきれずに積み重なりがちな人は、2分ルールと呼ばれる方法を実践してみましょう。

これは、生産性向上コンサルタントのデビッド・アレン氏が、著書『ストレスフリーの仕事術』で提唱しているもの。その内容はいたってシンプルで、もし2分以内に終わるタスクならば、今すぐ片付けちゃいなさいというものです。

2分以内に片付けることのできるタスクとしては、たとえばメールの返信、手元にある資料の整理、必要な電話、たまった郵便物のチェックなどが挙げられますね。いつかはやらなければいけないものの、重要度はさほど高くなく、簡単にできるはずなのについつい後回しにしてしまいがちなタスクがこれに当てはまります。

こうしたタスクのひとつひとつは簡単に済ませられるものでも、積み重なってしまうと、一気に片付けるのには相当な行動力が必要になります。そうなると余計腰が重くなり、ますます後回しになってしまうといった悪循環にもなりかねませんよね。

行動量を少しでも上げたい人は、やるべきことが発生したとき、それが2分以内で終わらせることのできるものであれば、その場でサッとこなしてしまいましょう。たった2分なら、ごくわずかなスキマ時間にだって確保できるはずですよ。

行動量を上げる方法02

【行動量アップルール2】5秒ルール

新しく始めたいことがあっても、すぐに「でも……」と言い訳が思い浮かんできてなかなか行動に踏み切れない人は、5秒ルールを実践してみてください。

5秒ルールとは新しい行動を始めるなら、5秒以内に始めるべきだというもの。これは、ベストセラー書籍『The 5 Second Rule』の著者で、モチベーションを高める方法について講演を行なっているメル・ロビンス氏が、既存の習慣を壊して新しい習慣を生み出す方法としてすすめている方法です。

ロビンス氏によると、私たちが「新しい行動を起こしたい」と思ったとしても、そのやる気は5秒間しか持続しないものなのだそう。逆にいうと、脳がその行動を止めようとする5秒が過ぎる前に行動を始めれば、脳に妨害されることなくその行動を起こすことができるということになります。

「早起きしよう」「ランニングしよう」「積読状態のあの本を読み始めよう」そんなふうに、なにか新しい行動に取りかかりたいと思ったら、すぐさま「5、4、3、2、1」と5秒カウントダウンして、「1までに行動するぞ」と決心し、迷わずその通りに動き始めましょう。

どんなにすばらしい考えでも、頭の中で考えている状態である限り、いつまでたっても実現はしません。しかし5秒ルールを実践すれば、間違いなく皆さんの行動量は上がっていくはずです。

行動量を上げる方法03

【行動量アップルール3】恐怖に勝つセルフイメージ

「失敗するかもしれない」「うまくいかなかったらどうしよう」そう考えてしまうせいで行動できないことが多いなら、その心配や恐れを取り除かなくてはなりません。

『DO IT NOW いいから、今すぐやりなさい』の著者でアメリカの元経営コンサルタント、エドヴィン・ブリス氏によれば、「恐れているものに打ち勝つ」セルフイメージを設定すると、失敗の恐怖を乗り越えて行動を起こすことができるのだそう。

わかりやすい例でいうと、家の中にゴキブリが出たとき、ゴキブリを恐れる気持ちのせいでゴキブリ駆除から遠ざかってしまう、ということはありがちですよね。仕事でも似たようなことがあると思います。苦手な上司に仕事の報告に行かなくてはならないが、いつものように厳しいことをいわれると思うとなかなか報告に行けない、といったことがありませんか?

そんなときこそ「恐れているものに打ち勝つ」セルフイメージを設定すべきタイミングです。ポイントは「もしも恐怖心がなかったら、どのように行動するか」を考えることだそう。ブリス氏いわく、そうすることで正しい選択肢を見つけ、恐れることなく行動することができるのだとか。

苦手意識のせいで行動に移せないことがある人は、ぜひこの方法を取ってみてください。自然と行動量アップにつながりますよ。

行動量を上げる方法04

【行動量アップルール4】姿勢を正して意志力を鍛える

「やりたいこと」や「やらなければならないこと」はあるのになかなか行動に移せない人は、もしかしたら「意志力=目標に向けて何かを成し遂げる力」が弱いのかもしれません。意志力を鍛えるトレーニングをしてみましょう。その意外な方法とは姿勢を正すというものです。

これについて、意志力研究の第一人者であるフロリダ州立大学の心理学部教授ロイ・バウマイスター氏の著書『WILLPOWER 意志力の科学』にある実験を紹介しましょう。

大学生の被験者を3グループに分け、それぞれのグループに2週間「姿勢を正すように気をつける」「自分の食事を記録する」「前向きな感情を持つよう意識する」ことを実践させたあとで、意志力を測るテストをしたところ、「姿勢を正すように気をつける」グループが最も意志力が高まりました

また、その後の研究も合わせると、日頃やっている習慣を意識的に変えるようにすることが、意志力の向上に役立つことが明らかになったそう。「姿勢を正す」というちょっとしたことであっても、日頃から自分をコントロールする習慣をつけると、より長期的にも自分をコントロールできるようになるというわけなのです。

バウマイスター氏によると、1日の行動上限を決めるのは「時間」と「意志力」。時間が物理的な制限を定め、意志力が精神的な制限を定めます。先ほどの「2分ルール」「5秒ルール」などの時間に関する行動ルールに加えて、姿勢を正して意志力を鍛え、精神的な制限をなくしましょう。

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「2分ルール」と「5秒ルール」で時間を有効に使い、「セルフイメージ」を作って苦手意識をなくし、「姿勢を正す」ことで意志力を鍛える。これらにより行動量が上がれば、1日にできるタスクがグッと増えていくはずです。ぜひお試しください。

(参考)
TED|「F」で始まるあの言葉― 自分をだますのを止める方法 | メル・ロビンス | TEDxSF
NewsPicks|「5秒ルール」「20秒ルール」「30秒ルール」で人生を変える
ロイ・バウマイスター著,ジョン・ティアニー著,渡会圭子訳(2013),『WILLPOWER 意志力の科学』, インターシフト.
クーリエ・ジャポン|「意思の力」を使いこなすためのヒント
レゾンデートル株式会社|3つの実験が証明 自信を持てないのは「〇〇が悪い人」
エドウィン・ブリス著,弓場隆訳(2018),『DO IT NOW いいから、今すぐやりなさい』, ダイヤモンド社.
StudyHacker|行動しなければ始まらない! 「2分ルール」を徹底したら、”先延ばし癖”がなおった話。
StudyHacker|新しい習慣は "2分ルール" で身に付く! 三日坊主とは無縁の120秒のマジック

【ライタープロフィール】
渡部泰弘
大阪桐蔭高校出身。テンプル大学で経済学を専攻。外出時は常にPodcastとradikoを愛用するヘビーリスナー。

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