「ついサボってしまう」のは理由がある。やる気が出ないときに試してほしい3つのこと

サボる労働者01

「仕事や勉強をしないといけないのに、やる気が出ない」
「やり始めても集中できず、すぐに飽きてしまう」
「ついダラダラしてしまう」

このような悩みを抱えていませんか? 

やらなければならない仕事や勉強があるのに、ついついSNSをのぞいたり、動画を観始めたりしてしまい、気づくとあっという間に時間が経っていた……なんて経験がある方は、多いのではないでしょうか。

今回は、やるべきことが進まない人に試してほしいことを3つご紹介します。「モチベーションが上がらない」「ついサボってしまう」とお悩みの人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「自分が本当にやりたいこと」を洗い出してみる

やるべきことが進まない人は、「内なるモチベーション」(内発的動機づけ)が足りていないのかもしれません。

「内なるモチベーション」とはどのようなものでしょうか。たとえば、ピアノを熱心に練習する音大生がいるとしましょう。ピアノを練習する理由が「音楽が大好きで、上達することが私の幸せだから」など、自分の内面から発生する意欲などであれば、それは内なるモチベーションです。しかし、「親が『優秀なピアニストになれ』とプレッシャーをかけるから」など、他者からの評価や強制が理由であれば、外からくるモチベーション(外発的動機づけ)になります。

イエール大学とスワースモア大学の心理学者らによる共同研究により、何かを達成する際には「内なるモチベーション」が最も影響を与えるということが判明しました。

被験者は、アメリカの陸軍士官学校生徒たち。同研究では、1万人の生徒らが、入学から、きちんと卒業し、陸軍士官としての業務を続け、出世していけるかどうかを14年にわたって観察しました。入学の際に生徒らは、内なるモチベーションと外からくるモチベーションの割合を測るアンケートに回答しています。たとえば、軍士官になることは「昔から自分の夢だった(内なるモチベーション)」のか、もしくは「親が期待していること(外からくるモチベーション)」なのか、などが問われました。

その結果、内なるモチベーションが高い人のほうが、卒業できる確率が20%高かったそう。さらに、仕事を続ける可能性は10%早期に昇格できる可能性は20%高かったのだとか。内なるモチベーションが高い人のほうが、目的に向かって進んでいくことができるということですね。

仕事のやる気が出ないのは、給料のためにただ上司に言われたことを淡々とこなしているからかもしれません。勉強にイマイチ身に入らないのは、その資格が自分にとって本当に重要だと感じていないからかもしれません。

「自分が本当にやりたいことはなんだろう?」と自問してみたうえで、本当にやるべきことを洗い出してみましょう。

サボる労働者02

集中力の大敵「雑音」を排除する

カフェで自習していたのに、コーヒーを淹れる音に意識を向けてしまったり、図書館に来たのに、誰かの足音が気になってしまったり……。周りの雑音が気になって、集中力が途切れてしまった経験は、誰でもあることでしょう。

さらに、雑音は集中力を阻害するだけでなく、タスクを遂行する能力や、学習能力にも悪影響を及ぼし、健康被害まで与えるようです。

セルトン・ヒル大学のマーク・アンドリューズ心理学教授は、雑音がストレスレベルを上げると言います。また、血圧が上がったり、偏頭痛の原因になったりする可能性もあるのだそう。雑音にさらされ続けると、慣れるどころか、悪影響が加速するのだとか。

音の大きさにかかわらず、エアコンなどのホワイトノイズ(電子機器などの継続する音)も、ストレスによって分泌が増えるコルチゾールというホルモンの値を上昇させ、脳の前頭前野という、何かを計画したり、理論的に考えたり、衝動を抑えたりする部分の機能を低下させるのだそう。前頭前野は、短期記憶を保持しておく場所でもあるので、学習能力にも影響が出てしまうと考えられます。

しかし、全く音のない場所は、なかなかないですよね。音の気になり方には個人差もありますので、今の環境で仕事や勉強がはかどらないと感じるのであれば、場所を変えてみましょう。職場であれば、上司に席替えを頼んだり、集中したいときだけ会議室を使わせてもらったり、イヤホンや耳栓を導入してみたりするなどの工夫をしてみてはいかがでしょう。

勉強においても、自宅が快適ならばいいですが、ほかにも、静かなカフェや図書館など、さまざまな環境を試して、音の気にならない場所を探してみるのがよいかもしれません。

サボる労働者03

「瞑想」で脳の疲れを解消する

机に向かったのに気がついたらほかのことを考えていたり、ついダラダラとSNSをのぞいてしまっていたりしませんか? その原因は、脳の疲労かもしれません。

身体とは違い、脳は自分が意識をしていない間もフル活動しています。睡眠中も絶えずメンテナンスをしているため、休むことがありません。「週末にのんびり過ごしたのに、疲れがとれなかった」という感覚がある人は要注意。ぼーっとしているときも脳は常に働いているため、休まるどころか、どんどん脳のエネルギーを消費してしまうこともあるのです。

米ロサンゼルスのメンタルクリニック「トランスホープ・メディカル」で院長をしている久賀谷亮氏によると、脳の消費エネルギーの60~80%を占める「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という脳回路は、脳が意識的な活動をしていないときに働くそう。疲れやすい人は、DMNが過剰に活動している可能性が高いようです。久賀谷氏いわく、DMNの活動を抑えることが、現代人にとっての「最高の休息法」なのだとか。

マサチューセッツ大学准教授のジャドソン・ブリューアー氏は、「DMNの主要部位の活動は、瞑想によって抑制できる」と報告しています。つまり、瞑想こそが「科学的に正しい脳の休ませ方」だと言えるでしょう。

「瞑想を実践して積極的に脳の疲労を癒すべき」と考える企業も多く出てきており、GoogleやApple、Facebookなどの外資系企業では、研修プログラムとして瞑想を導入しているのだとか。国内企業でも、瞑想を導入している企業は多数あります。なかでも、株式会社丸井グループでは、従業員らがマインドフルネスの研修を受け、実践したことで、以前よりも、仕事への集中力や切り替える力が上がったのだそう。瞑想を習慣化した社員の中には、実際に店舗イベントを成功させるなど、直接の成果を上げた人もいると言います。

「どうも頭が冴えない」「すぐに気が散る」など、脳の疲れを実感している人は、ぜひ瞑想を習慣にしてみてください。

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「やらなければならないことはあるのに、なんだかやる気が湧かない」という状態は、誰にでも起こりうることです。1日くらいなら仕方ないですが、それが何日も積み重なれば、結局一歩もゴールに近づけないもの。今回、仕事や勉強が進まないときの原因を挙げていきましたので、当てはまりそうなものがあれば、ぜひ対策してみてくださいね。

(参考)
American Association for the Advancement of Science|One type of motivation may be key to success
Scientific American|How does background noise affect our concentration?
Askul|マインドフルネスで健康も人生もプラスに~丸井グループも効果を実証した「瞑想×脳科学×幸福感」
ダイヤモンド・オンライン|「何もしない」でも「脳疲労」は消えずに残る
ダイヤモンド・オンライン|脳が疲れやすい人に共通する「休み=充電」の思い込み

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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