「好印象を与える自己紹介をしたいけど、何を話せばいいかわからない……」
「初対面の相手があまりしゃべってくれず、気まずい空気になったことがある……」
今回の記事では、上記のように悩んでいる方に向けて、初対面で好かれる人がじつはこっそりやっていることを3つご紹介します。
この記事を読めば、人を惹きつける自己紹介のコツや、相手が気分よく話してくれる会話術がわかるはずです。初対面の相手と関係を築くことに苦手意識がある方、ぜひご一読ください。
【ライタープロフィール】
こばやしまほ
大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。
1. 自己紹介の準備をしている
初対面の相手に上手に自己アピールしたいなら、自己紹介で話す内容を事前に準備するようにしてみましょう。
というのも、コミュニケーション専門家の藤田尚弓氏によると「基本的に自己紹介は聞き流されやす」く、「特に、アドリブの自己紹介は記憶に残」らないのだそう。(カギカッコ内引用元:All About|印象に残る自己紹介の仕方のポイントを解説)
相手の関心を引くには「つきあうと得になる人」や「一緒に過ごして気持ちのいい人」であると相手に思わせることが必要で、次の3つを盛り込んだ自己紹介を事前に考えておくとよいのだそうです。(カギカッコ内引用元:同上)
- 強み:
専門性のある部分、得意なこと、好きなことなど。 - 自分の意外な一面:
自分のちょっとダメなところ。好感度を上げることができ、先に伝えた強みのアピールが嫌味にならない効果もある。 - 相手との共通点:
趣味や興味のあることなど。あらかじめ自分のことを洗い出しておくと、その場で相手との共通点を伝えやすくなる。
(参考元:同上よりまとめた)
ですから、とっさに思いついた内容の自己紹介で済ませるのはNG。
上記の内容を盛り込んだ紹介文をあらかじめ用意しておき、しっかりと自分をアピールしましょう。自分の人となりをうまく伝えることができれば、相手と打ち解けやすくなるはずです。
たとえば、社内の懇親会で他部署の人に自己紹介する――というシチュエーションの場合。藤田氏によると、相手とプライベートでも付き合いたいなら、「仕事の話は○○関係といったところにとどめ、自分の趣味や家族構成などをメインに紹介する」とよいのだそう。(カギカッコ内引用元:同上)したがって、下記のような内容で準備しておくとよいでしょう。
「職場では○○を担当しています。
体力には自信があり、週末にはよく家族とキャンプをしています。ただ、火をおこすのがどうも苦手で、家族から笑われることもしばしばです。
(先に自己紹介した人の話を受けて)△△さんと同じく、私もラグビー観戦が好きです。とくに大学ラグビーに興味があり、母校以外の試合もよく観に行きます。」
体力自慢であることや家族思いであることをアピールしていますが、少しダメなエピソードを添えているので嫌味がなく、親しみも感じられるはず。この内容なら、同じ趣味の人や子育て中の人と会話が盛り上がるかもしれません。
一方で、「『ビジネスに繋げたい』場合には、仕事での強みをメインにしつつ、プライベートでの意外な一面を伝える自己紹介にする」とよいのだそうです。(カギカッコ内引用元:同上)初対面の人と会うときは、相手に合わせた自己紹介文を事前に考えてみてくださいね。
2. 表情と姿勢を意識している
自分では感じよく対応したつもりだけど、お客様の反応がいまいちだった……。そんなときは、あなたの第一印象がよくなかったのかも。初対面の相手から好感をもたれたいなら、会ってすぐに印象がいい笑顔をつくり、姿勢を正すようにしましょう。
人の第一印象について詳しい公認心理師の川島達史氏は、「前歯が少しだけしか出ていない」笑顔は「印象が悪い」と指摘。(カギカッコ内引用元:Direct Communication|第一印象を良くする8つの方法,トレーニングを公認心理師が解説)また、姿勢については「顎があがっていると、上から見下しているような印象にな」るほか、「猫背は、だらしない印象にな」るとも述べています。(カギカッコ内引用元:同上)
そこですすめられているのが、笑顔を改善し、姿勢を正すこと。具体的には、次のように改善するとよいのだそうです。
・笑顔:前歯を8本見せる、ほほを上げる、目が垂れ下がるようにする
・姿勢:気持ち上目使いする、顎をキリッと引く、耳を肩の上に置く
(参考元:同上よりまとめた)
会った瞬間の表情と姿勢が悪ければ、そのあとで努力してもマイナスな第一印象に引っ張られてしまう可能性があるかもしれません。好感をもたれたいなら、会ってすぐ、印象のいい笑顔を見せ、姿勢を正す必要があるのです。
したがって、歯を見せずに口角を上げるだけの笑顔や、目元が笑っていないような笑顔を見せるのはNG。第一印象をよくしたいなら、川島氏がすすめているような笑顔と姿勢を意識しましょう。なお、「笑顔は実際に画像か動画でチェックするのが一番」で、「スマートフォンを用意して、笑顔を撮影し」てみるとよいのだそう。(カギカッコ内引用元:同上)鏡を見ながら練習するのもいいかもしれませんね。
表情と姿勢を改善して、あなたも第一印象アップを目指しましょう!
3. 相手の長所を探している
「初対面の相手と会話が盛り上がらなくて気まずくなりがち。会話が弾む人はどんな工夫をしているんだろう……」こんな悩みはありませんか? じつは、相手と会話が弾む人は、相手の話に相づちを打つだけでなく、相手の長所を探す努力をしているのです。
産業カウンセラーの藤本梨恵子氏は、「ビジネスや恋愛がうまくいくためには、あなたと会話する前より、した後のほうが相手の気分がよくなることが重要」だと指摘。(カギカッコ内引用元:プレジデントオンライン|会った瞬間に相手の長所を7つ見つけられるか…「話していて気分がいい人」がしている「積極的傾聴」3要素)そこでやってみるといいのが「長所を見つけて相手を承認する」ことだそうです。(カギカッコ内引用元:同上)
長所を見つけるとは「会話の中で、相手が“頑張っている点はないか”“長所が発揮されているところがないか”“わかってもらいたい気持ちは何か”を意識しながら質問」すること。また、承認するとは、「褒める・労う・認める」ことだそう。「長所を見つけて相手を承認すると、会話が弾み、信頼関係も深ま」ると藤本氏は言います。(カギカッコ内引用元:同上)
つまり、相手の話にただ耳を傾けているだけでは、相手からもよく思ってもらえないということ。相手に好印象を与えたいなら、相手に質問を投げかけて長所を意識的に見つけ、見つけた長所をほめたり労ったりするといいわけです。初対面の相手と雑談するシチュエーションを例に、NG例とOK例を比較してみましょう。
【NG例】
相手:「仕事をしながら何か資格をとりたいと思い、先月から社会保険労務士の資格勉強を始めました。」
自分:「そうなんですね。」
相手:「休日も勉強せざるを得ず、自由な時間が減ってしまって。」
自分:(無言でうなずく)
相手:「……」
【OK例】
相手:「仕事をしながら何か資格をとりたいと思い、先月から社会保険労務士の資格勉強を始めました。」
自分:「毎日お忙しいのに勉強もされているなんて、すばらしいですね。大変ではないですか?」
相手:「休日も勉強せざるを得ず、自由な時間が減ってしまいましたね。」
自分:「そうですよね。それでも努力なさっていて素晴らしいです。私も見習いたいと思います。」
相手:「そんなそんな。でも、そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。」
NG例では、自分が相づちを打っているだけなので、相手が話しづらそうですよね。一方OK例では、相手に質問することで長所を見つけてほめ、相手の努力を労っています。OK例のほうが、相手が気分よく話していることがわかるはずです。
相手に好印象を与えたいなら、話をただ聞くだけではなく、相手に質問して長所を見つける努力をしましょう。
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初対面で好かれる人がじつはこっそりやっていることをご紹介しました。ぜひ、みなさんも実践してみてくださいね。
All About|印象に残る自己紹介の仕方のポイントを解説
Direct Communication|第一印象を良くする8つの方法,トレーニングを公認心理師が解説
プレジデントオンライン|会った瞬間に相手の長所を7つ見つけられるか…「話していて気分がいい人」がしている「積極的傾聴」3要素