上司と部下の間で活躍できる人は “この2つ” を身につけている

上司と部下の間で活躍できる人01

「部下にとっては立派な上司でありたいし、上司にとってはいい部下でありたいし……」
こんなふうに、部下と上司のあいだに挟まれて悩んでいる若手リーダーは多いはず。そんなあなたに必要なのは「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」。今回は、これら2つをどう発揮させていくかについて説明しましょう。

部下に対しては「4つのリーダー行動」を使い分けるのが吉

まずは「リーダーシップ」について。ペンシルベニア大学ウォートンスクールのロバート・J・ハウス氏らは、1971年に「パス・ゴール理論」を発表しました。パス・ゴール理論によれば、部下を動機づけるにあたり、どのような道筋(パス)をたどればその部下がうまく目的や成果へ到達できるのかをリーダーは把握しておくことが重要なのだそう。「部下が全然動いてくれず成長しない」と嘆いている人は、自らに矢を向け「部下へ道筋をうまく示せていないのではないか」と自身のリーダーシップを見直す必要があるでしょう。

この理論では、部下へ道筋を示す際に、2つの条件を念頭に置くべきだとしています。1つはチームがどのような課題に直面しているかという環境的要因、もう1つは部下に関係する能力や性格、経験といった要因です。これらの組み合わせにより、そのときに有効なリーダーの行動は変わってきます。ハウス氏が分類するリーダー行動の4つのタイプについて、それぞれ見てみましょう。

上司と部下の間で活躍できる人02

「指示型」リーダー

リーダー行動の1つめが「指示型」。タスクがまだ曖昧な状態だったり、チームとしてまとまりきれていなかったりする場面、また部下の自立性や経験値がそれほど高くない場合に、上司は「指示型」リーダーとなって、与えられた課題を達成する方法や工程を具体的に示す行動をとる必要があります。

たとえば、あるプロジェクトの初期に、目的や背景などを部下へ説明する場面が挙げられるでしょう。経験値が少ない部下は、自主的にはなかなか行動できません。そういった部下に対して、どのようなタスクがあるかを示し、さらに細分化して部下が取り組みやすいように導いていきます。

「支援型」リーダー

2つめは「支援型」です。タスクがすでに明確である場合、またチーム内で権限がはっきりしている場合には、上司は「支援型」リーダーとして部下の状態を気遣い、配慮を示しながら進めていきます。

たとえば、上司が部下へある調査を任せるような場面では、必要な情報や文書の体裁について上司が部下を随時サポートします。手取り足取り面倒を見るわけではありませんが、部下に「何か困ったことがあればいつでも聞いてね」というスタンスで、チームとしてうまく進められるよう助け舟を出すのです。

「参加型」リーダー

そして3つめが「参加型」。部下の能力や自立性が高く自己解決意欲もあると上司が判断した場合、「参加型」リーダーとして意思決定を下す前に部下へ意見を求め、そこから得たことを活用してタスクを進めていきます。

たとえば、ある企画を詰めていく際、上司が部下に使えるアイデアを出してもらう場面が挙げられるでしょう。部下の意見を積極的に取り入れることで、チームはうまくまとまり業績アップにもつながるはずです。

「達成志向型」リーダー

最後は「達成志向型」です。「達成志向型」のリーダーシップは、困難で曖昧なタスクであってもチームとして前に進むすべきときに用いるリーダーシップスタイルです。高い目標を示し、努力すれば好業績につながるという期待をもって部下を動機づけます。

いま、時代は、スピーディな事業の変革やデジタルトランスフォーメーションを求めています。しかし、それらは既存の事業の延長線上にはなく、新たな試みばかりで多くの困難も予想されます。こうした状況下では、目的を明確に定め、高い目標を示すことで部下を動機づけます。また、グロービス電子出版発行人兼編集長の嶋田毅氏は、やる気があり能力の高い部下には細かい指示はせず、叱咤激励や達成した先の明るい未来を提示することが重要だと言います。

このように、状況に合わせて4つのリーダー行動を使い分けるのが大切です。

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上司に対しては「模範的フォロワー」になるのが吉

次は「フォロワーシップ」について。リーダーシップを部下へ発揮する必要がある一方で、上司に対してはフォロワーシップを発揮できなければデキるビジネスパーソンとは言えません。チームで仕事を進めていくにあたって「あの上司は何もわかっていない」と批判する前に、自分のフォロワーシップに改善すべき点がなかったかをまず検証する必要があります。

カーネギーメロン大学のロバート・ケリー氏は、思考方法と関与度の2つの軸から、フォロワーには5つのタイプがあると分類しました。なかでも私たちが目指すべきは、フォロワーシップをいかんなく発揮する「模範的」フォロワー。 

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「模範的」フォロワー

「模範的」フォロワーは、独自の基準や価値判断で思考し、上司へも積極的に働きかけるタイプです。「ホープ」や「エース」的な存在であるこのタイプは上司に対するマネジメント能力も優れており、将来は自らも優れたリーダーになっていく可能性が高いのだとか。自分がそもそもこのタイプなら問題ありませんが、現時点でほかの4つのタイプに留まってしまっていないかどうか、以下で確かめてみましょう。

「消極的」フォロワー

「消極的」フォロワーは、自らの視点で考えることをせず、また上司に対しても積極的に働きかけるわけでもなく、ただ言われたタスクのみ取り組むタイプです。

上司からは扱いやすい部下だと思われると同時に、責任感に欠ける印象ももたれてしまいます。「消極的」フォロワーが「模範的」フォロワーを目指すには、当事者意識をもってやり遂げる気概が必要なのに加えて、業務上の改善点をできるだけ洗い出すようにしましょう。自分だけで洗い出すのが難しい場合には、上司と相談するのも1つの手です。

「孤立型」フォロワー

「孤立型」フォロワーは、冷めた思考をもっていることから上司への働きかけをあまりしないタイプ。いわゆるアウトロー、批評家タイプの部下がこれにあたります。たとえば、ミーティングなどで批判的な意見を出して終わり、など。

このタイプは、視点を一段上げて、上司の自分に対する期待は何かを再確認すれば「模範的」フォロワーになることができます。単純に上司の言いなりになるというではなく、「いまはほかの人のサポートに回ってほしい」など、自分に求められていることを実行するだけで、よりいっそうチームに貢献できるはずです。

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「順応型」フォロワー

「順応型」フォロワーは、上司から言われたことを無批判に受け入れながら積極的に動くタイプです。「イエスマン」と表現するとわかりやすいでしょう。たとえば、上司に反対意見をあえて出すことはしません。自分の私利私欲のみを考えているため、むしろゴマをすって上司をもち上げる面があります。しかし、上司の意見にただ乗っかるだけでは成長しづらいもの。

こうした人が「模範的」フォロワーを目指すには、まず自分の意見をもつことが必要です。頭のなかで考えるだけでなく、実際に言語化し書き起こして「自分ならどうするか」を確立させてください

「実務型」フォロワー

組織内での生き残りをしたたかに考える現実派が「実務型」フォロワーです。前出の嶋田氏によれば、このタイプはこれまでに紹介した4タイプの中庸をいくフォロワーだそう。

たとえば、上司に対して自分の提案を通そうとしすぎたり、逆に言われたタスクのみを遂行するだけだったりすることはありません。ほどほどに業務を遂行します。しかし、こうした「実務型」フォロワーの課題は、失敗を恐れてチャレンジできていないこと。よい仕事をするには失敗から学ぶことも必要です。「模範的」フォロワーまであと一歩であるため、もし壁にぶつかったとしてもめげず、果敢にタスクへ取り組んでみてください。

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チームでの仕事を成功させ、また自分の職場での評価を上げるためにも、リーダーシップとフォロワーシップの使いどころにはぜひ気を遣うようにしましょう。

監修:グロービス経営大学院

(参考)
GLOBIS知見録|パス・ゴール理論: 状況に合わせて、部下を動機づける行動をとるべし
グロービス経営大学院|パス・ゴール理論とは・意味
cloudfront.net|PATH-GOAL THEORY OF LEADERSHIP: LESSONS, LEGACY, AND A REFORMULATED THEORY
GLOBIS知見録|フォロワーシップとは?上司をマネジメントする(2)
GLOBIS知見録|クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」に見る良きリーダーシップとフォロワーシップ
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