昼休みの10分間に○○をするだけで午後のパフォーマンスが改善する。

午後の眠気を解消する方法01

寝不足が原因でお昼くらいから眠気に襲われたというのは、誰もが経験したことがあるでしょう。「昨日、仕事が忙しくて帰宅したのが遅かった」 「スマホを夜遅くまで見てしまった」「子どもの夜泣きがひどくて寝つけなかった」など、ライフスタイルが多様化した現代では、寝不足になる理由も人それぞれ。

理由はどうであれ眠くなってしまったのなら、その眠気をどうにかしなくてはなりません。眠いのを我慢したままでは仕事に集中することなどできませんから、眠気はできるだけ早く撃退したいものです。

そこで、たった10分という短い時間でも十分な効果が見込まれる「ミニ・ナップ」という眠気解消法をご紹介します。

ビジネスパーソンの5割は、眠くても昼寝ができない

まず、眠気を我慢しながら仕事をしているビジネスパーソンがどのくらいいるのか、共通の悩みを持つ人の割合からお伝えします。

人々の睡眠課題をテクノロジーによって解決する研究を行なう株式会社ニューロスペースが2019年1月に発表した、ビジネスパーソンの睡眠実態に関する調査結果によると、仕事中に眠気を感じている人の割合は76%。そして、47%の人は日中仮眠をとることは不可能であると回答したのだそう。8割近くの人が日中眠いにもかかわらず、多くの人は昼寝ができないようなのです。

たしかに、上司がいる職場で堂々と仮眠を取るのは気が引けますし、そもそも昼寝する時間を確保することが難しい人もいるでしょう。近頃では昼寝を推奨する企業もありますが、自分の会社には昼寝の環境が整っていないという人も多いと思います。そんな方にぜひ実践してほしいのが、ちょっとした時間にできる「ミニ・ナップ」です。

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「ミニ・ナップ=10分間の昼寝」の方法と効果について

ミニ・ナップとは、座ったまま行なう10分間の昼寝のこと。生活総合情報サイトAll Aboutの睡眠・快眠ガイドを担当している雨晴(あまはらし)クリニック副院長の坪田聡氏は、効果的な昼寝の方法のひとつとして、このミニ・ナップを推奨しています。

「昼寝」と聞くと、20分以上横になってしっかりと寝ることをイメージする人もいるかもしれません。でも、このミニ・ナップは、食後に一休みしているちょっとした時間でも実施できる、とても手軽な方法です。

「たった10分間で効果があるのか?」と首を傾げたくなると思いますが、じつは、眠気の対処として行なう昼寝は、たった10分からでも効果があると報告がされています。

では、ミニ・ナップの方法と効果についてご紹介します。

■ ミニ・ナップの方法

10分間という短時間で効果を得るためには、なるべく自身がリラックスできる環境を作ることが大切です。

たとえば、上着やネクタイなどによる締めつけは身体を緊張させ、質の高い睡眠が取れない原因となります。なるべくリラックスした状態で昼寝をするため、上着や靴を脱ぐ、ネクタイを緩める、時計やアクセサリーを外すなどしてから、仮眠をとるようにしましょう。

また、10分間の昼寝をするとき、横になるのは危険です。その理由は、横になってしまうと副交感神経が優位になり、深い眠りに入ってしまうから。深い眠りに入ってしまうと、起床時に「睡眠惰性」が働き、すっきりと目覚めることができなくなります。目覚め後にしばらくぼーっとした感覚になってしまい、生産性が落ちてしまうのです。 そのため、寝るときの格好は、椅子に座って背もたれに寄り掛かったり、デスクに突っ伏したりするとよいでしょう。 

午後の眠気を解消する方法03

■ ミニ・ナップの効果

“Sleep”というジャーナルに掲載されたオーストラリア・フリンダース大学のTietzel AJ氏(2001年当時)らの研究論文において、10分間の睡眠でも十分なパフォーマンス(機敏性や認知能力)の改善があったとの報告がありました。

その研究では、健康的な成人12名に対して、実験前日に4.7時間の睡眠をとってもらい、その後「昼寝なし」「10分昼寝」「30分昼寝」の3グループに分けて、昼寝の前後で機敏性や認知能力に変化があるかを計測しました。

その結果、「昼寝なし」のグループは変化なしかパフォーマンスの低下がみられ、「10分間昼寝」したグループは、昼寝直後でもパフォーマンスの改善がみられたとのことです。「30分間昼寝」したグループは、昼寝直後の計測ではパフォーマンスが低下し、60分後の計測では改善が見られたのだそう。

研究結果の内容から言えることは、目覚め直後にパフォーマンスが落ちる「30分間の昼寝」よりも、目覚め直後からパフォーマンスが改善する「10分間の昼寝」のほうが、ビジネスパーソンには向いているということ。目覚めたあとの業務に悪影響を与えない、最適な仮眠の長さは「10分間」であることが言えますね。

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10分間以外にもある昼寝の種類について

状況によっては、たった10分すらも時間が取れない日や、少し余裕があって30分昼寝ができそうだという日もあるでしょう。そこで、坪田氏が推奨する、10分間以外の仮眠法をご紹介します。以下の内容を参考にして、仮眠の方法を柔軟に変えて睡魔にうまく対処しましょう。

■ マイクロ・ナップ(1分程度、目を閉じる)

マイクロ・ナップとは、1分程度のごく短い時間の間目を閉じること。たった1分では眠りに入ることすらできない人もいると思いますが、意外にも効果があるのだそうですよ。

普段人間が得ている情報は、8割が視覚から入ってくるものです。目を閉じて1分間だけでも8割の情報をシャットアウトすることで、脳を休める効果があるのです。短い時間でも脳の中の情報が整理されて、集中力を高めることができます。

この方法は、眠気の予防として効果があるので、たとえば眠くなりそうな会議や、集中したい資料作成の前に、1分間目を閉じてみてはどうでしょうか。マイクロ・ナップは夜の睡眠に影響することもないので、1日に複数回行なっても問題ありません。

■ パワー・ナップ(15〜25分程度の仮眠)

パワー・ナップとは、昼食後から15時までの間に20分前後の仮眠を取ること。欧米ではGoogle、NIKEなどの有名企業で採用されている仮眠方法です。20分前後で昼寝を切り上げることが、作業効率を回復させるカギ。深い睡眠になってしまうと目覚めが悪くなり、その後の仕事や夜の睡眠に悪影響を与える可能があります。

そのため、横にはならずに椅子にもたれかかったり机に伏したりして、30分以上の睡眠は避けるようにしてください。昼食後、余裕のある人は一度試してみてはどうでしょうか?

■ ホリデー・ナップ(30〜90分程度の仮眠)

平日の昼寝の応用編として、休日の昼寝の取り方についてもご紹介します。

日頃から慢性的な睡眠不足に悩んでいる方は、休日のお昼はまとまった時間を使って仮眠を取ってみましょう。

休日は寝だめをするために平日よりも遅い時間に起床する人もいるかと思います。ですが、起床時間がズレると体内時計が狂ってしまって、夜の睡眠を阻害する要因になります。

休日も普段と同じ時間に起床し、体内時計が狂ってしまうのを防ぎましょう。そのうえで、お昼のあとにまとまった時間仮眠を取れば、睡眠不足を解消することができます。

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ミニ・ナップの効果をさらに高めるコツ

10分間の昼寝で睡魔を撃退するミニ・ナップ。その10分はビジネスパーソンにとって貴重な10分なはずですから、ちょっとしたコツを押さえて、より効率のよい仮眠を取るように心がけましょう。

■ ミニ・ナップのコツ【1】:仮眠前にコーヒーを飲む

コーヒーのカフェインは眠気を阻害するイメージがありますが、仮眠の直前に飲むことで目覚めをすっきりとさせる効果があります。カフェインに含まれる覚醒作用は、摂取後の15分以降に効果が現れるため、仮眠の時間とカフェインの効果が現れる時間をうまく利用すれば、目覚めをよくできるのです。10分間仮眠をとるのならば、眠る5分ほど前にコーヒーを飲むことで、すっきり目覚めることができますよ。

この方法は「コーヒーナップ」と呼ばれています。広島大学・林光緒教授の研究によると、目覚め直後にまぶしい光を浴びたり冷水で顔を洗ったりするよりも、昼寝の直前にコーヒーを飲むほうが、すっきりと目覚めることができるそうです。

■ ミニ・ナップのコツ【2】:できるだけ静かな場所を選ぶ

10分間の睡眠時間を良質なものにするために、できるだけ静かな場所を選んで仮眠を取るようにしましょう。

睡眠と騒音の研究は古くから行なわれており、おおよそ50dB(デシベル)を超える騒音で人の睡眠は阻害されることが報告されています。50dBとは「大きく聞こえる普通の会話くらいの音量」で、普通の事務所内の音や、家庭用クーラーの室外機などが出す音量レベルです。普段の生活ではあまり気にならない程度の音量ですが、目を閉じると気になる音でもあります。

カフェでの仮眠を考えた場合、少しうるさいことが考えられますね。そのため、耳栓をして眠る、イヤホンをつけて周囲の音を遮断したうえでリラックスできる音を聞きながら仮眠をとるなど、できるだけ静かな環境を作るようにしましょう。

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昼寝には仕事をサボっているイメージがあるので、日中仮眠をとるのに抵抗がある気持ちは非常にわかります。ですが、椅子に座ったままたった10分昼寝をするだけなら、堂々と職場のソファに寝転ぶよりも気軽にできそうな気がしませんか? 午後の眠気に悩みがちな人は、ぜひ10分からのミニ・ナップ習慣を取り入れてみてください。

(参考)
PR TIMES|【2018年度「企業の睡眠負債」実態調査】ビジネスパーソンの働き方に起因する3大睡眠課題が判明、7割以上が自身の睡眠に不満、働き盛りの女性の睡眠課題大 
Purnell MT, Feyer AM, Herbison GP. The impact of a nap opportunity during the night shift on the performance and alertness of 12-h shift workers. J Sleep Res 2002; 11(3): 219-27.  
Tietzen AJ, Lack LC, The short-term benefits of brief and long naps following nocturnal sleep restriction. Sleep 2001; 24(3): 293-300. 
日経ビジネス|寝起きからシャキッと頭が冴える昼寝の長さは?
Sleep Style|仮眠で一気に疲れをとる! 効果的な仮眠メソッド5つ
NESTLE|コーヒーと研究〜コーヒーと仮眠(昼寝)〜
影山隆之,「エネルギーベースの騒音評価指標と睡眠影響との関係」, 騒音制御, Vol.31, No.6, 2007, pp.426-430.  
日本騒音調査ソーチョー|騒音値の基準と目安
産経ニュース|「昼寝」でリフレッシュ! 生産性向上…推奨企業も
Business Journal|googleやNASAも実践! 脳と体の疲れをとる積極的仮眠“パワーナップ”のすすめ

【ライタープロフィール】
森下智彬
大学卒業後、国内外の農業に従事。帰国後はITインフラエンジニアとして都内の企業に勤める。仕事の傍ら、自身のブログを開設・運営を始める。現在は、自身のブログ運営とライターの業務をメインに行っている。

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