あなたにもあるかも「マウンティング」の悲しき癖。厄介者にならないための2つの行動

マウンティングの癖を直す方法01

自分より下の役職の人の前で「君たちは気楽でいいよね」と言う。
連休明け、ひとりでゆっくり過ごしていたと話す同僚に対し「いいなー、僕は友人からの誘いが多くて忙しかったよ」と返す。

……あなたは、こうした発言をしていませんか?

どこか相手を見下していて、他人より優位に立とうとする言動のことを「マウンティング」といいます。じつは、マウントを取りがちな人は、それが癖になってしまっていることが多いもの。あなたにもしこの傾向があるなら、少しでも早く改善しなければ、マウンティング癖はいつまでも直りません。いずれ、周囲から “厄介な人” として避けられ、見放されてしまうでしょう。

そうならないために、人がマウントを取ってしまう理由を分析し、マウンティングの癖を改善する方法について紹介します。

なぜマウントを取りたがる? その心理的背景

マウンティングが癖になっている人は、いったいなぜそんなにマウントを取ろうとしてしまうのでしょう。そこにはいくつかの理由が考えられます。専門家や有識者の見解を元に、ひとつずつ解説していきます。

理由1. 「みんな序列を気にしている」と思っているから

あなたは普段、人と関わるうえで「序列」を気にしていますか? この質問にどう答えるかで、あなたにマウンティング癖があるかどうかわかるかもしれません。

精神科医の名越康文氏の話では、マウントを取る人とそうでない人とでは、下記のように、序列に対する認識に大きなギャップがあるとのこと。

  • マウントを取りがちな人は……
    「人は例外なく序列を気にしていて、優位に立とうとしている」と思い込んでいる
  • 普通の人は……
    序列を気にしてマウントを取ろうとする人のことを「例外的な変わった人だ」と考えている

マウントを取りがちな人は周囲も序列を気にしている。自分も皆に負けないようにしなければと考える傾向にあります。だからマウンティングがやめられないのです。

名越氏いわく、この認識のギャップは「人間とはこういう生き物だ」という人間観や世界観の違いから生まれるものなのだそう。序列に対する考えは、そう簡単に変わるものではないようです。

マウンティングの癖を直す方法02

理由2. 承認欲求が高いから

臨床心理士で、心理技術職員として入庁した警視庁で職員5万人のメンタルヘルス管理を行なった経験もある石上友梨氏。同氏は、マウントを取りがちな人は「承認欲求が高い」と指摘しています。

承認欲求とは、「他人から認められたい」という欲求のこと。マウントを取る心理には、「自分が他人よりも優位な状態だと認められたい」という欲求が潜んでいることがあるのだそうです。

また、企業でのカウンセリング業務などに携わる公認心理師の広瀬絵美氏によると、承認欲求が強い人には「自分に自信がない」「自分に価値があると思っていない」といった特徴があるのだそう。

つまり、「自分に自信がないけれど、他人からは認められたい」そんな気持ちを手っ取り早く満たすために、マウンティングをしてしまうということ。相手から認められていることを確認したいがためにマウントを取り、安心感を得ているわけです。

もちろん、マウントを取ることで真に自分の価値が高まるわけではないため、マウンティングは癖になってしまいます。

マウンティングの癖を直す方法03

理由3. 脳の「左脳」や「脳幹」が発達しているから

脳科学的な観点から見ても、マウントを取りたがる人には特徴があります。心理カウンセラーで医療ジャーナリストでもある石原加受子氏によれば、言葉で他人を攻撃してマウントを取る人の脳は、言語を司る左脳や生命維持機能を司る脳幹が発達しているのだそう。

左脳が発達しているタイプの人は、議論は得意なものの、相手の心情を察する能力が低いのだとか。言葉巧みに他人を攻撃する話術には長けているけれど、肯定的な会話は苦手なのです。

そして、脳幹が発達しているタイプの人は、勝つか負けるかなどの二極化思考になりがちだとのこと。つまり、他人と対等に関わることができず、お互いの立場を「上と下」「優と劣」などと極端に格付けしたがります。

こうした、生命維持の本能が強くて口が達者な人は、言葉でマウントを取ることによりコミュニティの中で生き残ろうとしてしまうのです。

マウンティングの癖を直す方法04

マウントを取りがちな人は、相当な “厄介者” だ

上で解説したように、マウントを取りたがる人には必ずしも悪意があるわけではありません。思い込みや性格、脳の発達の仕方といった、その人の気質による場合も多いもの。しかし、悪意があろうとなかろうと、周囲の人に対してマウントを取ってしまうのは決して良いことではありません。

なぜなら、マウントを取りがちな人は、ほかの人からすればものすごく“厄介者”だから。自慢話が多く、いつも高圧的で口調も偉そうな人は、周囲の人をイライラさせたり不愉快に感じさせたりしてしまうのです。

それゆえ、ここまでで紹介した有識者たちは皆、マウントを取ってくる面倒な相手に対し、どう対応すればいいのかについて解説しています。たとえば石上氏は、そんな人をいちいち相手にしていたらマウンティング行為が増長するおそれがあるから、徹底的に無視すべきだし、無理に関係を続ける必要もない、距離を置くべきだとまで言っています。

もしも自分が周囲からそんな “厄介者” 扱いされてしまったら……。絶対にいいはずがありませんよね?

マウンティングの癖を直す方法05

では、周りの人から見放されて距離を置かれないように、マウントを取ってしまう自分を変えるにはどうすればいいのか。そのコツを紹介していきます。

マウンティング癖の改善法1. 批判的なアドバイスをやめる

マウントを取ってしまう人には、会話の中での発言の仕方に大きな特徴があります。相手よりも優位に立とうとして、上から目線で見下したような発言をしたり、相手の鼻につくような言い回しをしたりするのです。

ですから、マウンティングの癖がある人は上から目線で話さないように意識してみましょう。そのためのコツは、アドバイスをやめること。

心理カウンセラーの高見綾氏によると、上から目線の人には、頼まれていないのにアドバイスしようとするという特徴があるそのだそう。たとえば、相手から「仕事のことで悩んでいる」と打ち明けられただけで、「なにか解決策を教えてあげよう」と考え、求められてもいないアドバイスをしてしまうのです。

高見氏いわく、「どうすればいいでしょう?」とはっきりアドバイスを求められない限り、ただ「そうですか……」と話を聞いてあげるだけでいいそうです。そして、もしもアドバイスを求められた場合には、批判的な口調にならないように気をつけるべきだと言います。

たとえば、「あなたは神経質すぎるんですよ」などと言っては単に相手を否定していることになります。「少し神経質になっている気がするのですが、どうですか?」と、自分の考えを述べたうえで、疑問形で相手に問いかけるのがいいそうです。また、「見当違いでしたらすみません……」などのクッション言葉をつけることで、より相手が受け入れやすい表現にできるのだとか。

求められていないのにアドバイスをしない。批判的な言い回しを避ける。こうすれば、自然とマウントを取らずに会話ができるでしょう。

マウンティングの癖を直す方法06

マウンティング癖の改善法2. 「権力」ではなく「実力」を使う

上から目線で話さないようにと言われても、部下や後輩に対してはどうしても上の立場から話すことになるので難しい、という人もいると思います。そのような人は、権力に頼らず実力で示すことを意識してみてはいかがでしょう。

株式会社ブリヂストンの代表取締役社長や会長を歴任し、約14万人の社員を率いた経験がある荒川詔四氏は、次のように話しています。

世の中には、いわゆる“マウンティング”によってリーダーシップを示そうとする人物もいますが、そんな手法によってつくられたリーダーシップなど脆く危ういものです。相手に対してリスペクトを表明しつつ、「実力」を明示することによってこそ、本物のリーダーシップを確立することができるのです。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|権力を誇示する“マウンティング上司”は論外。優れた上司は権力を隠しつつ、「ここ」で権力を行使する。)※太字は筆者が施した

部下を指導したりルールを守らせたりするうえで、もちろん権力は必要なものだ、と荒川氏は言います。ですが、部下にしてみれば、黙っていてもリーダーからは「権力」というプレッシャーを感じるもの。むしろリーダーはそれ以上プレッシャーを与えないように注意するべきなのだそう。

上司やリーダーがマウントを取って組織の秩序を保っても、部下は反骨心を募らせ、リーダーについていこうとしません。部下や後輩にリーダーシップを示すために、言葉だけに頼るとマウントを取りがちになってしまうので、自らの仕事などでの実力を示すことで、相手に尊敬してもらえるようにしましょう。

たとえば、リーダーであるあなたが部下たちのプレゼンに対して「だめだね。前に教えてあげたのにもう忘れたの?」と言っても、部下たちは反骨心を抱き反省しません。言葉でマウントを取って反省させようとしても効果はないのです。

代わりに、多くの社員から高く評価されるプレゼンを、自らが手本としてやってみせて実力を示しましょう。部下たちはあなたを目指すべき目標とし、能動的にプレゼンの改善に取り組むはずです。

このように、実力で部下を引っ張っていけば、権力を振りかざすような強い言葉はいらなくなります。ほかのことにおいても、最小限の言葉で部下を動かせるようになりますよ。

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誰でも少しは序列を気にしますし、承認欲求もあります。ですが、それらが極端に強くなって他人より優位に立とうとすると、マウンティングをしてしまうことになります。

頭ごなしに批判的なアドバイスをしたり、強い言葉で相手を動かしたりしない。“マウンティング癖のある厄介者” にならないために、この2つのことを注意しておきましょう。

(参考)
タウンワークマガジン|会話でマウンティングしがちな人の心理とその対処法(名越康文)
Reme|マウンティングの心理とは?3つの事例から対処法を臨床心理士が解説
Reme|承認欲求が強い…特徴や原因・3つの対処法って?臨床心理士が解説
プレジデントオンライン|マウンティングばかりする先輩の思考回路-優位に立ちたい人を軽くかわす方法
マイナビウーマン|「上から目線の人」の心理って? 対処法はないの?
ダイヤモンド・オンライン|権力を誇示する“マウンティング上司”は論外。優れた上司は権力を隠しつつ、「ここ」で権力を行使する。

【ライタープロフィール】
武山和正
Webライター。大学ではメディアについて幅広く学び、その後フリーのWebライターとして活動を開始。現在は個人でもブログを執筆・運営するなど日々多くの記事を執筆している。BUMP OF CHICKENとすみっコぐらしが大好き。

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